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観光して良し、移住して良し。 今ポルトガルが西欧で一番熱い

ISSUED | 2019.02

 

観光して良し、移住して良し。今ポルトガルが西欧で一番熱い

一年を通して温暖な気候、素朴でおいしい食事、フレンドリーな国民性、物価の安さに比較的いい治安。
そして、その勢力を世界中に広げた大航海時代の栄華を伝える数々の世界遺産。
その恵まれた立地と、世界中の国々との交易で築かれた文化や風土、外国人向けの節税政策などもあり、今、ポルトガルは観光地としてだけではなく、移住先としても世界から注目を集めている。
1543年にポルトガル人が種子島に流れ着き西欧との交易が始まるなど、日本とも縁深いポルトガル。今回はこのポルトガルの首都リスボン、ポルト、コインブラの3都市を、世界遺産とともに紹介してみたい。

約300年の歳月をかけて完成した、白亜のジェロニモス修道院は必見 - LISBON[リスボン]

[ジェロニモス修道院]
エンリケ航海王子とヴァスコ・ダ・ガマの偉業をたたえるとともに、新天地開拓へ乗り出す航海の安全を祈願して造られた、ベレン地区で圧倒的な存在感を放つ「ジェロニモス修道院」


ヨーロッパ最西端の首都であるリスボンは、ギリシャ神話の英雄、オデュッセウスによって築かれたという伝説を持つ街だ。「7つの丘の街」と呼ばれるほど坂道の多いリスボンには、大航海時代の栄華の象徴とされる世界遺産【リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔】がある。当時のポルトガル王マヌエル1世の命により1502年に着工し、約300年もかけて造られた「ジェロニモス修道院」は、まさにポルトガル建築の最高峰。見どころは中庭を囲む回廊、レース細工のような繊細な彫刻が施された西・南門、サンタ・マリア教会など、いつまでも眺めていたくなるほどだ。また、もともと河口を守る要塞として造られた「ベレンの塔」は、のちに灯台などにも使われるのだが、優美なテラスを持つこの塔を、作家の司馬遼太郎は貴婦人がドレスの裾を広げた姿にたとえて〝テージョ川の貴婦人〞と表現したと聞けば、その美しさを確かめたくなるに違いない。

 リスボンから西へ約28㎞、国内でも有数の観光地になっている【シントラの文化的景観】は多彩な建築様式が楽しめる世界遺産で、まるでおとぎの国のように赤・青・黄色とカラフルに彩られた「ペーナ宮殿」、らせん階段が見事なイニシエーションの井戸がある「レガレイラ宮殿」にもぜひ訪れていただきたい。


イギリスの詩人バイロンが“この世のエデン”とたたえたシントラの町で一際目を引くカラフルな「ペーナ宮殿」


夜にはライトアップもされる「ベレンの塔」

城や教会の多い初代国王生誕の町、「ポートワイン」の産地も世界遺産 - PORTO[ポルト]

[ポルト歴史地区]ドウロ川の南岸、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアから見たポルトの町並み。上は鉄道、下は車が走る2重構造の「ドン・ルイス1世橋」は歩いて渡ることもできる


リスボンから北へ約300㎞、ドウロ川の丘陵地に築かれた起伏の多い町ポルトは、ポルトガルの商工業の中心地。ここではまず【ポルト歴史地区】を訪れてみたい。ポルトのランドマークといえる「クレリゴス教会」は重厚な雰囲気でありながら、ファサードには花輪模様や貝のモチーフが配され華やかさも感じられる建物だ。街を一望できる丘に立つ「ポルト大聖堂」、構内壁面のポルトガルの壮大な歴史が描かれたアズレージョ(ポルトガルの伝統的なタイル装飾)が圧巻な「サン・ベント駅」など、見どころは尽きない。

 このほか、ブルゴーニュ王朝を開いた初代ポルトガル国王が生まれた町【ギマランイス歴史地区】は、城や教会が多く中世のたたずまいが色濃く残っている。堅固な石造りの塔を持つ「ギマランイス城」、貴族の暮らしがうかがえる「ブラガンサ公爵館」など、王国建国後に建てられた建築物が並び、歴史散歩にはピッタリの場所になっている。

 【アルト・ドウロ・ワイン生産地域】は、世界中で愛飲されている「ポートワイン」の産地としておなじみ。川沿いに広がるブドウ畑の景観、伝統的なワインの製造方法で世界遺産に登録されている地域で、見学ツアーを行っているワイナリーがあるので、参加して芳醇な香りに包まれてみてはどうだろう。


駅構内とは思えないほど見事なアズレージョの「サン・ベント駅」


塔の6階まで上がると市庁舎 やカテドラルが眼下に広がる「クレリゴス教会」

コインブラ大学のジョアニナ図書館は、本好きならずとも楽しめる - COIMBRA [コインブラ]

[大学を中心に広がるコインブラの町]16世紀以降、大学と密接に結びついて発展してきたコインブラ。「コインブラ大学」は政治家や文化人を輩出し、現在も学生が学ぶ名門の国立大学だ


 政治のリスボン、商業のポルトに次ぐ、ポルトガル第3の都市であるコインブラ。国内最古とされる「コインブラ大学」は、1290年にポルトガル王ディニス1世によってリスボンで創立され、のちにコインブラに移転したものだ。丘の上のアルタ地区にある大学の建造物群とソフィア地区が【コインブラ大学-アルタとソフィア】として世界遺産に登録されているが、注目は大学内の「ジョアニナ図書館」。約30万冊の蔵書に加え華麗なターリャ・ドウラーダ(金泥細工)による内部装飾や調度品の煌びやかさは一見の価値ありだ。また、館内の古書を虫から守るためにコウモリが飼われているというのも面白い。残念ながら図書館内の写真撮影は禁止されているので、その素晴らしさをしっかりと目に焼き付けておきたい。大学のシンボルでもある時計塔やラテン回廊、大学の研究施設である植物園は一般に公開されていて、木々が生い茂り季節ごとの花々が咲く空間は、学生や旅行者に憩いの場として人気がある。

 ソフィア地区の「サンタ・クルス修道院」には、ポルトガル・ルネッサンス彫刻の傑作といわれるニコラ・シャンテレーネによる説教壇があり、厳かな雰囲気の中にあるパイプオルガン、美しいアズレージョなど見応え十分なのでじっくり楽しみたい。


コインブラ大学のシンボル的な存在として親しまれている、大学の歴史を刻む時計塔とラテン回廊


1724年に建てられた人気の「ジョアニナ図書館」

ポルトガルインフォメーション


ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガルは、北海道と四国を足したほどの国土で、首都のリスボンを中心に小さな街が点在し、ノスタルジックな街の景観が訪れた人々を魅了する。植民地や海外貿易で富を築いた大航海時代に造られた世界遺産が充実していて、その数は15と、国の規模に対してかなり多い。これらの世界遺産を訪ね歩けば、ポルトガルの歴史と風土、その豊かな文化を肌で感じることができるはずだ。

 大西洋の海の幸に恵まれ、日本と同様に新鮮な魚介類、イワシやタコを好んで食べるという食習慣があり、塩を振ったイワシをこんがりと焼き上げた「サルディーニャ・アッサーダ(イワシの炭火焼き)」は、ポルトガル人のソウルフードにもなっている。スイーツなら「パステル・デ・ナタ(エッグタルト)」が定番だ。ヨーロッパでは最も長い生産の歴史を持つ個性豊かなワインもあり、食を楽しむために訪れても十分な魅力がある。

 夜ごとレストランなどで歌われるポルトガルの民俗歌謡「ファド」は、「郷愁」「孤愁」「哀惜」など、ポルトガル人の心情ともいえる「サウダーデ」を表現する歌だ。その感情の豊かさに言葉が分からなくとも心にストレートに響いてくる旋律から、ポルトガル人の想いを感じ取ることができる。ぜひ旅の際には体験してみてほしい。


ナイフ&フォークで食べる「サルディーニャ・アッサーダ」


人気店では1日に20,000個も売れる「パステル・デ・ナタ」


情感たっぷりに歌い上げる「ファド」



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