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育てよう!資産 将来を見据えた投資と資産運用

ISSUED | 2019.08

 

新たな時代「令和」がスタートした今だからこそ、改めて、将来や老後の資金について考えてみたい。投資や資産運用分野では、時代とともに様々な商品が登場しトレンドも生まれるが、重要なのはそれらの特徴をしっかりと把握し、自身に最適なものを選択すること。まずは正しい知識を身に着けて、今後の人生をより有意義なものにするための準備を進めよう。

投資・資産運用の現状を把握し将来のためにトレンドを知る

将来を見据え、投資や資産運用を行っている方は多い。しかし、時代にあった投資・資産運用のトレンドを正確に把握・理解している人は意外と少ない。他の人がどういった投資を行っているのか?専門家は市況をどう読んでいるのか?そんな気になる情報の収集が、投資・資産運用には欠かせないポイントだ。

投資・資産運用に関するアンケート結果

AFFLUENT読者283人回答

今後の投資・資産運用に不安あり専門家による正しい情報は必須

 AFFLUENT読者に「投資・資産運用」に関するアンケートを実施。283人の回答が得られた。 

現在、投資・資産運用を行っている方の投資額で一番多かったのが301万〜500万円、約半数の人が101万〜1000万円を投資しているという結果だった。現在行っている投資内容では、株式が49.8%と約半数の方が行っており、興味のあるものとしても25.4%の人が株式を挙げる根強い人気をみせている。ここ数年人気の不動産取引への関心や、話題のAIによる運用について詳しく知りたいという声も多数寄せられている。そんな読者の方々の疑問や不安の一助になればと、各分野の専門家に現在の投資・資産運用のトレンドについて聞いていきたい。

『お金の専門家』菅井敏之氏に聞く

投資・資産運用の今を知る

元三井住友銀行の支店長にして、現不動産オーナー。お金の知識に関する著書は累計51万部を超え、数々の講演や個別相談もこなすお金の専門家が語る、資産運用の今とは。

3つの資産を活用して安定した財産を築く

 人生100年時代を迎えようとしている今、老後の資金は多いにこしたことはない。さらには最近2000万円問題も浮上し、預金だけではなく資産運用によって資産を増やしておきたいと考えている方は多いはずだ。そこで、『お金の専門家』である菅井敏之氏に、資産運用の考え方を伺ってみた。

「私が考えている資産の種類は大きく3つあります。一つは現金や金融資産。もう一つは収入付き不動産。そして最後は自分自身のビジネス力、つまり自分でお金を稼ぐ力です。資産運用を考える上では、この3つの資産をどう活用してお金を増やしていくのかを、最初に考えることが大切だと思います」

 まずは自分の資産を的確に把握すること、そしてそれをどのように活用していくかが重要になる。

最近話題の投資におけるメリット・デメリット

 実際に資産運用を行うにあたって、近年何かと話題に上るAIよる投資や海外不動産、海外証券どについて意見を伺った。

「AIは私も利用しています。株や投資信託には時間を取られがちですが、AIはその時間を削減できる有用なツールです。しかしコストがかかるため、リターンとのバランスを考慮すべきでしょう。私の場合はiDeCoやNISAといった税制優遇を重視しており、その範囲で活用しています。海外不動産は加速度償却ができることで人気が高まり、アメリカの不動産は特に注目されています。しかし減税だけを意識しているとバランスシートを毀損する恐れがあり、ある程度純資産を築いた上で検討すべきです。海外証券は資産の分散に有用ですが、やはり資金に余裕がある方が行った方が良いと思います。資産形成のスピードを考えると、融資を受けて日本の不動産購入を目指すべきですが、借金をしたくないという方は、初期投資としてETFやインデックスファンドへの投資を検討しても良いかもしれません」

不動産収入を得ることが資産構築の第一歩

 安定した収入が見込める資産運用として不動産購入が挙げられるが、ハードルの高さから一歩を踏み出せない人も多い。

「想像していただきたいのですが、65歳以上になって1億円の現金はあるが毎月の収入は年金だけの人と、金融資産は2000万円しかないが、年金の他に30〜40万円の収入がある人、どちらが1日を豊かに暮らせるでしょうか。考え方はそれぞれですが、私の経験上、後者の方がゆとりを持たれていたと思います。私は長らく銀行に勤めていて多くの資産家と出会ってきましたが、その資産家に共通していたのは収入付き不動産を所有していたことでした。人生100年の時代に必要なのは、お金をずっと運んできてくれる仕組みです。それを築くには不動産収入を得ることがベストだと思います。不動産を買うのは難しいことではなく、一定の給与と貯蓄がある方なら銀行からの融資で購入できます。年齢を重ねるほど融資は受けにくくなるため、早めの行動が吉です。もしくは実家とは別に都内に持ち家がある方なら、自身は実家に移り住んで都内の持ち家を人に貸すという手段もあります。自分だけでなく、家族のバランスシートも連結させて、効率の良い資産形成を行いましょう」

不動産投資に詳しい専門家を味方につける

 では不動産を購入する上で、注意すべき点は何だろうか。 「もちろん不動産ならどれでも良いというわけではありません。近くに学校があるなど、一定の入居者が見込める地域の不動産でなければ収入には結びつきません。そして、価値が上がることはなくても落ちにくいエリアを選ぶことが重要で、吟味することが大切です。おすすめは首都圏ですが、首都圏でも人口が減っている地域は注意しましょう。個人的に今注目しているのは湘南地域です。エリアの見極めには専門家の意見を聞くことが大切ですが、不動産投資をしていない専門家の意見を鵜呑みにしてはいけません。FPや税理士であっても不動産投資に関与していない方もいるため、相談前に確認しておきましょう」

 専門とする不動産投資をはじめ、その他の資産運用についても専門家としての考えを語っていただいた菅井氏。 近年話題になっている旬の投資についての詳細は、次頁で各専門家にも意見を伺った。

菅井 敏之氏

学習院大学卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。 横浜の金沢八景支店長、東京の中野支店長を歴任した後、48歳で退職。その後起業し、アパート経営に力を入れる。著書『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)は40万部を突破し、2015年オリコンランキングビジネス書部門第1位を獲得した。

知ってトクする旬の投資5選

経済情勢の変化やAIの登場をはじめとした技術の進歩により、投資の方法は多様化している。昨今世間の関心が高い5つの分野について専門家に話を聞いた。

投資先が自動で見つかる

AIを用いた投資

現在話題となっているAIを駆使した投資。投資家にとってAIはパートナーとなり得るのだろうか。

勝つか負けるかの二択。AIが力を発揮しやすい投資

 投資教育とAIアプリケーション開発を軸に事業を展開する、株式会社ソーシャルインベストメントの山本弘史氏にお話を伺った。

「現状、AIが積極的に実用化されている分野があります。それは『軍事』と『投資』。理由はどちらも『勝つか負けるか』の世界だからです。例えば将棋やチェスの世界では、AIは既に人間を凌駕しています。株式投資の世界でも、株式の価値が上がるか下がるかの二択が重要であり、AIは力を発揮しやすいのです。そしてそのAIの優秀さを決めるのは『データ』で、『強力な力を持つ投資家』の情報を学ばせることが重要と私は考えています」

個人投資家こそ活用すべき、AIを用いた投資

どの投資でも、金融機関や証券会社に相談するとその会社のバイアスがかかり、ニュートラルな取引にはなりづらい。その点AIは機械的に判断するため、誰かの意思が介在する可能性は低い。

「金融商品を販売しようとする側は、投資家ではなく自身の利益を重視するものです。AIの場合は誰にも忖度せず、ただ負けないことにフォーカスして投資を行うため、個人の投資家にとって真の武器となるはずです」

 何を基準に銘柄を選べば良いかわからない、売買のタイミングに自信が持てない、といった悩みを解決してくれるパートナーとなり得るAI。現在、アドバイスのみを行う『アドバイス型』と、実際の資産運用まで行う『投資一任型』が存在するので、まずは自分にあったサービスを探してみるのもいいだろう。

山本 弘史氏

株式会社ソーシャルインベストメント代表取締役。株式会社テレビ朝日サービスにて、報道の中枢を担う基幹システムの運用取りまとめを行った後に退職。起業後、WEBマーケティングを通して多数の投資教育プロジェクトを成功させる。

https://www.socialinvestment.co.jp/

加速度償却で注目される

海外不動産投資

日本ではオリンピック特需が終焉を迎える2020年以降、国内不動産の価値上昇は不透明な状況になると言われている。そんな中、投資家の関心が海外不動産に集まっている。

減価償却による税効果が大きい米国の中古戸建投資

 不動産マーケットの景況は、人口の増加率に影響されるため、超少子高齢化が進む日本では、今後の活況があまり期待できないという声は多い。一方アメリカは人口増加が続く状況で、不動産マーケットは好調に推移するだろうと、東急リバブル海外事業部課長の土田尚吾氏は語る。

「アメリカの人口は2050年代には4億人に達する見込みで、特にテキサス州ダラスは2017年に北米トヨタの本社がロサンゼルスから移転したことからも見てとれるように、経済が活況で人口流入が続いています。人口が増えれば不動産のニーズは高まり、それは不動産価格の推移を示す『S&P ケース・シラー・全米住宅価格指数』からもわかります。アメリカ全体での2000年の不動産価格を100とすると、2018年は206.03まで伸びており、人口増加率がより高いダラスに限れば価格上昇率はもっと高いはずで、この傾向は続くと予想しています」

アメリカの木造中古戸建に投資し、減価償却費で節税を目指す

 さらにアメリカで中古住宅へ投資をすれば、税効果があるという。

「日本の税制では木造住宅の法定耐用年数が22年とされていて、それ以上経過している物件は4年で減価償却が可能です。そしてアメリカの中古住宅は日本と比べて土地が安く、建物の評価額が下がりにくいことが特徴で、ダラスでは築22年以上経過した木造住宅でも、不動産の評価額における建物比率が70〜80%あり、資産価値が保たれている物件が数多くあります。例えば4000万円の木造中古住宅を購入したとして、評価額の建物比率が75%だとすると、3000万円を4年で償却することになり、毎年750万円を償却費として計上することができるわけです。また、アメリカの住宅市場では既存住宅の取引量が新築住宅の9倍あり、売却も比較的容易に行うことができます。ただし、購入後5年以内に売却すると税率が上がるため、6年目で売却する運用をおすすめします」

土田 尚吾氏

東急リバブル株式会社 海外事業部課長。2004年入社。2011年に海外営業部に所属し、2017年渡米。不動産販売事業の構築や、現地での地盤固めに尽力。2018年米テキサス現地法人のプレジデントを務め、現在に至る。

https://www.livable.co.jp/fudosan-toushi/americafudosan/

小口投資と利回りで話題の

ソーシャルレンディング

クラウドファンディングの市場規模はここ数年で急拡大し、その中でもソーシャルレンディングの市場規模は大きく、注目度が高い。その実態はどんなものなのだろうか。

急成長を遂げている、フィンテック時代の新たな投資

ソーシャルレンディングとは、インターネットを通じて『投資したい人』から資金を集めて、『借りたい人』に貸し付ける、『貸付型』のクラウドファンディングである。一般社団法人第二種金融商品取引業協会が調べた運用状況を見ると、2019年3月末時点の出資総額は1370億円となっており、非常に大きな金額が動いていることがわかる。なぜ、ソーシャルレンディングは短い期間でこれほどの規模に成長したのだろうか。総合金融グループにおいて、いち早くサービスの提供を開始し、豊富な実績を持つSBIソーシャルレンディング株式会社の澤田響氏にお話を伺った。

「現在の金融商品を見ると、預金に関しては金利が低い傾向が続いており、株式やFXは、毎日値動きをチェックして相場を予測しなければならず、手間がかかることが難点です。ソーシャルレンディングは、そういった既存の金融商品の悩みを軽減する新しい金融商品だと考えており、それが成長の理由の一端と考えられます」

ソーシャルレンディングの魅力と投資する際の注意点

 より具体的な魅力やリスクについて伺った。

「考えられる利点は、小口からの投資が可能なこと、利益が出た場合には毎月分配金が期待できること、相場チェックの時間に縛られないことだと思います。一方で元本割れリスクや途中換金ができない流動性リスクもあります。なお、これまでは借手の情報の不透明さが問題となる部分がありましたが、今年3月に関係当局から一定の条件の下、借手の匿名化・複数化が不要となる要件が示され、状況が改善されました。当社では5月から法人の借手については情報開示を順次開始しており、今後は投資判断がしやすくなるはずです。商品選びの判断材料としては、各ファンドの償還金額や過去実績を参考にしていただくと良いでしょう」

※SBIソーシャルレンディングの商品に関する注意事項の詳細は、WEBサイトにてご確認ください

澤田 響氏

SBIソーシャルレンディング株式会社営業企画部長。 2005年SBIグループ入社後、SBIホールディングス(株)にて営業・企画・マーケティング部門を統括。ビッグデータやAIなどSBIグループ事業に横断的に携わり、現職に至る。

https://www.sbi-sociallending.jp

資産防衛でき利率も高い

海外証券投資

過去と比べて海外投資をするハードルは低くなり、資産分散をする上でも投資を検討する価値がある。

リスクを把握すれば、メリットは大きい海外証券

 シンガポール在住ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏に、海外証券の魅力を語ってもらった。

「米国株の取引を特定口座で行えるようになるなど、外国証券への投資環境は昔より整ってきました。そして外国証券は日本の証券より配当利回りが高いものが多いです。例えばシンガポールでは、外債で運用すると3〜4%の安定的なリターンが期待できます。注意すべきは為替リスクで、一般に世界の景気が悪くなると円高に、良くなると円安になる傾向があり、急速に為替レートが動くことがあります。為替リスクを上回るリターンを期待できるか確認することが大切です。為替手数料の計算が面倒な方は、円建てで買える商品を考慮すると良いでしょう」

澤田 響氏

SBIソーシャルレンディング株式会社営業企画部長。 2005年SBIグループ入社後、SBIホールディングス(株)にて営業・企画・マーケティング部門を統括。ビッグデータやAIなどSBIグループ事業に横断的に携わり、現職に至る。

https://www.sbi-sociallending.jp

有名株もお手軽に買える

アプリによる投資

株式は通常小口では買いづらいものだが、近年では少額で気軽に投資できるサービスが登場している。

スマホで手軽に株式を購入。金額指定も可能なアプリ

 1000円からリアルタイムに株式投資できる仕組みを開発した株式会社One Tap BUY。その広報担当者に、アプリの詳細を伺った。

「通常の株式取引では『単元』という縛りがあり、多くの銘柄が100株からでなければ購入できませんが、『One Tap BUY』では日米の個別株を株数単位ではなく金額指定の1000円から購入できます。配当金も支払われ、規定数の株式保有が必要となりますが株主優待も受けられます」

 もちろん元本保証ではないのでリスクはあるが、高額な人気銘柄を少額から購入できることや、気になる銘柄の様子見ができるなどのメリットもあるので、試してみる価値はありそうだ。

株式会社 One Tap BUY

スマホに特化した証券取引アプリ『One Tap BUY』を、2016年6月より稼働。現在日本株、米国株、つみたてロボ貯蓄、10倍CFD、誰でもIPOといった5つのアプリを提供している。

https://www.onetapbuy.co.jp/


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