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ちょっと大人な使い方 キャッシュレス決済最新活用術

ISSUED | 2020.02

 

キャッシュレス決済フィーバーに沸いた令和元年。様々なコード決済サービスが登場し、クレジットカードなど既存サービスも含めて百花繚乱の状況となっている。しかし、政府のポイント還元施策が終了する6月以降は様相が一変、残るもの消えるものの選別が始まるらしい。本特集では、それぞれのサービスの特徴や機能を改めて確認し、最適な活用方法を探ってみたい。

Edit_POW-DER. Words_HIROSHI ISHIBASHI


電子マネー専門家 菊地崇仁氏に訊くキャッシュレスの現状と未来

ポイント交換案内サービスサイト「ポイント探検倶楽部」を運営する菊地崇仁氏は、ご自身でも80枚以上のクレジットカードや電子マネーを使いこなす、キャッシュレス決裁の達人だ。賢く使いこなしていくために、キャッシュレス決済の現状と未来を語っていただいた。

電子マネー専門家
菊地崇仁

2006年にポイント交換案内サービス「ポイント探検倶楽部(ポイ探)」の開発を手がけ、2011年より株式会社ポイ探の代表取締役。約80枚のクレジットカードを保有。毎年すべてのカードを使用し、お得な使い方やサービスの研究に余念がない。

東京オリンピック以降はタッチ決済が、くる!

 「キャッシュレス決済は、東京五輪の開幕をきっかけにその様相が変わっていくでしょう」と、キャッシュレス決済について、菊地氏は開口一番に五輪の話題 をあげてくれた。

「政府が導入したポイント還元施策は、消費税率引き上げによる消費の冷え込みをケアする意味合いと、東京五輪の開幕までにキャッシュレス決済をできるだけ普及させ、国際化に対応させたいという二つの目的がありました。そのため、10月の増税以降、決裁端末を導入する店舗が爆発的に増加し普及が一気に進んでいますが、ポイント還元は東京五輪開幕直前の6月末で終了です。あくまでも増税のケアと、キャッシュレス化を急ぎ普及させるのが目的ですし、五輪観戦で来日する多くの外国人に、増税対策の費用還元をしたくないという思いもあるのだと思います」

 では五輪以降、キャッシュレス決済はどのように変化をしていくのだろうか。

「東京五輪の大会スポンサーであるVISAが推進している、クレジットカードによるタッチ決済は、大きな流れになると思われます。これは、あたかもSuicaなどのように、端末にかざすだけで決裁が完了するクレジットカードの新たな機能で、VISA以外のクレジットカード各社も導入を急ピッチで進めていますので、今後急速に普及すると思います」

スマホによるコード決済や電子マネーはどうなるのか?

「それぞれの特性をいかした、利用シーンに合わせた選別が進むと思います。例えば、コード決済は屋台など端末の設置が難しい場所、導入コストの低さなどが求められる場面に適していますし、外国人客の多いエリアでは、世界的に普及が進んでいるウィーチャットペイやアリペイへの対応がより進むでしょう。電子マネー、主に交通系ICカードは、スマホとの連携をさらに強めるなど、新たなサービスなども出てくるのではないでしょうか」


あらためて主要なサービスについて確認 3大キャッシュレス決済の特徴を知る

ポイント還元施策による、「お祭り」もひと段落した感があるが、改めて主要な3つのキャッシュレス決済についておさらいしておきたい。交通系ICカードで圧倒的な強みを見せる「電子マネー」、昨年から爆発的に普及した「コード決済」、そして、お馴染みの「クレジットカード」も着々と進化を遂げている。今後はライフスタイルに即したコンビネーション利用を探るのもポイントだ。


[電子マネー]


瞬間決済が日本人にマッチ!

「Suica」や「ICOCA」「nanaco」といったブランドでお馴染みの電子マネーは、サービスの開始から20年が経ち、多くのユーザーが慣れ親しんでいるサービスの1つだろう。「おサイフケータイ」への登録で、さらに利便性が高まっていて、なにより、サッと取り出して一瞬で決済が完了するスムーズさは、せっかちと言われる日本人の感性に最もマッチした決済方法といえるだろう。コンビニなど比較的少額な決済の場面では、今後も強みを発揮するサービスと言える。


[コード決済]


DLできるクーポンに注目!

スマホに決済アプリをダウンロードし、レジでQRコードを読み取る、あるいはスマホにコードを表示して店側が読み取ることで決済が完了するシステム。現在国内では「PayPay」「楽天ペイ」や「LINE pay」など30種ほどのサービスが普及している。ポイント還元率の高さが話題となったが、お得なクーポンやキャンペーンがアプリ内の簡単な操作で手に入るのも他の決済方法にはないアドバンテージ。今後の活用では、そうしたサービスやキャンペーンの充実度で見極めるのもポイントだ。


[クレジットカード]


世界で利用できる安心のスタンダード!

60年という歴史もあって、持っていない方はいても、使い方を知らない方はいないはず。現在では「おサイフケータイ」との連携などで活用の幅も広がり、ブランドやプレミアムカードなど、付帯するサービスを上手に活用すれば、かなりなお得になる。「後払い」のため、万が一の際のセキュリティ面での安心感、コード決済や電子マネーなどと違い、海外でも安心して使える点などは絶対的な強みといえる。今後は、タッチ決済機能のついたカードが普及し、さらに利便性が高まると思われる。


多忙なビジネスマン必見! アフルエント読者に最適なキャッシュレスライフとは?

クレジットカードや電子マネーは、既に私たちが使い慣れた決済方法ではあるが、いくつかのポイントをおさえるだけでより得をしたり、より便利なキャッシュレスライフを送ることができる。そんな最新の「知恵」をご紹介しよう。

五輪を契機にVISAの攻勢が始まる!

東京五輪唯一の決済プロバイダーであるVISAが推進しているタッチ決済は、前述した通りクレジットカードを「Suica」や「nanaco」「iD」などで使われている店舗の決済端末にタッチするだけで、署名不要で決済を完了できるサービス。スピーディなことに加え、ポイントの付与があるなど現金払いにはないメリットもあり、海外でも普及が進んでいる。五輪大会中、VISAは主要スタジアム周辺でこのサービスを一気に展開すると考えられ、五輪以降はAMEXなどの他社を含め、急速に普及していくことが予想されている。


クレジットカードにこのマークがあれば既存のカードでもタッチ決済が可能。すでにローソンやTSUTAYA、都内では表参道ヒルズなどがタッチ決済を導入している。また、イオンは自社のイオンカードにタッチ機能を搭載し、イオン各店舗で利用可能としている。海外では57か国で導入済みと言われ、セキュリティも確かなようだ。

クレジットカードのグレードもライフスタイルに合わせて見直しを

クレジットカードは、一度作るとなかなかアップグレードや見直しをせず、そのまま使い続ける方が多いそうで、例えば、バブル時代に最上級グレードとして注目されたゴールドカードを、当時のイメージのまま今も使い続けている方は少なくないのだそうだ。菊地氏曰く、現在のゴールドカードは年会費と付帯サービスのバランスが悪く、決済だけを使っている方であれば年会費無料の一般カードでも十分とのこと。もし、上級カードのステイタスや充実した付帯サービスを求めるのであれば、今はプラチナやブラックカードの方がコストパフォーマンスが良いのだとか。クレジットカードのグレードをライフスタイルに合わせて見直し、サービスや利便性をさらに向上させてみてはいかがだろう。

実は最もコスパに優れている? CASHLESS上級グレードカードのススメ

最近は年会費2万円程度の『格安プラチナカード』なども登場しているが、菊地氏はコスパの面でのおすすめはしないという。
「付帯サービスとのコストバランスを考えると、年会費5万円以上のものから選ぶべきでしょう。例えば、JCBカードの最上級『ザ・クラス』(招待制)は年会費5万円ですが、毎年もらえるカタログギフトには2万5000円以上の商品が載っていますし、他にも様々な付帯サービスが付きますので、会費以上の恩恵は十分に得られます。同じ年会費5万円の三井住友プラチナカードでは、使い方次第でポイントの最大還元率が約1.8%まで上がり、実質的に年会費をグッと下げることも出来ます。最近話題になっている金属製カードのラグジュアリーカードでは、チタングレードが年会費5万円ながら、上位グレードのブラック、ゴールドカードと同様にMastercardの最上級グレード『ワールドエリート』が付き、評判の良い24時間人対応のコンシェルジュサービスも受けられるなど特典が充実していておすすめです。2名以上のコース料理の予約で1名分無料や、旅行時の補償の充実など、年会費5万円以上のカードであれば、付帯サービスで年会費分の元は十分に取れると思います」

コンシェルジュサービスの上手な利用が上級グレードカード活用のポイント


「コンシェルジュサービスは、イメージ的に高級・高額な依頼しか出来ない…と思われがちですがそんなことはなく、宿の予約などではちゃんと最安価格を調べた上で予約をしてくれたり、リクエスト次第で臨機応変に最善の提案をしてくれるので、上手に賢く使えば、年会費以上のメリットは十分に受けられると思います」と菊地氏。

プラチナ・ブラックカードなどの上級グ レードのカードには、「コンシェルジュサービス」が付帯する。これは個人秘書のように様々な要望に応えてくれる会員限定サービスで、各社が力を入れる上級グレードカードの主要付帯サービスになっている。
「コンシェルジュサービスの内容は、各カード同じようなものと思っていらっしゃる方もいますが、実はカードや会社によってかなり違いがあるので要注意です。例えば、会員数が急増したせいか、ワンコールで繋がっていた電話が数分待たされるようになってしまったカードがあったり、機械による音声ガイダンスではなく、24時間直接人につながるサービスを提供するカードや、メールでも要望を受け付けてくれるものなど、カード、会社によって内容や質が異なるのです。もし、コンシェルジュサービスを重視してカードを選ぶのであれば、このあたりの情報収集も重要だと思います」

最強のキャッシュレスライフはコンビネーションでの活用

まさに進化真っ最中のキャッシュレス決 済。菊地氏にアフルエント読者に最適な活用 法を教えてもらった。

「多忙を極めるエグゼクティブほど、キャッシュレス決済の利便性や付帯サービスの恩恵を受けやすいと思っています。とはいえ、管理が行き届かなくなるほどカードやアプリを持っていては、せっかくのお得な付帯サービスを見逃してしまうかもしれません。私のおすすめは、ビジネスでの利用も多いであろうアフルエント読者であれば、海外出張時にも安心して使えるグローバルブランドのクレジットカードと、通勤で毎日使う交通系ICカードの2枚持ち、コンビネーション活用がベストだと思います。
 まず、世界中どこでも使えて、セキュリティ対策も成熟していて安心感があるクレジットカードです。タッチ決済の普及でさらに使い勝手が向上すると思われ、上級グレードのカードであれば、コンシェルジュサービスを個人秘書として活用しても良いと思います。カードやブランドによって特徴的な付帯サービスを提供するものもあるので、必要に応じてサブカードとして所有するのもありです。例えば、JCBのプラチナカードは、大阪のUSJ関連のサービスが充実しているので、小さなお子さんがいらっしゃる方には重宝すると思います。名古屋に良く行く方であれば、中部国際空港のラウンジを利用できるレクサスカードなどトヨタ系のカードも良いと思います。自分のライフスタイルや利用シーンに応じたクレジットカードを適切に選択することが、キャッシュレス決済の賢い活用方法になると思います。
 そして、ビジネスマンであれば誰もが利用するであろう交通系ICカードです。カードにもよりますが、クレジットカードを使ってオートチャージ設定をしておけば、ポイントも獲得できてお得ですし、何よりタッチ決済の機動力は、忙しいビジネスマンの強い味方になると思います。
 クレジットカードと交通系ICカード。このコンビネーションなら、利用する場面を選ぶことなく安心してキャッシュレスライフを満喫できるはずです」


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