
横浜グルメバトン VOL.15
鎌倉 御代川 | 鎌倉市 由比ガ浜
ISSUED | 2019.07

伝統と旬を大切に自然の恵みと妥協なき技を今に伝える
「九つ井」の鈴木正見さんからバトンを受け継いだのは鎌倉の日本料理店「鎌倉 御代川」の入江伸也さん。歴史と伝統を引き継ぐ料理人としての矜持を貫く。
PROFILE


入江 伸也さん
1946年、福岡県生まれ。子どもの頃母の地元である日光に移り、17歳のときから日光金谷ホテルで料理人の修業に入る。1973年に「日本料理の勉強がしたい」と「鎌倉 御代川」へ。四季折々の素材の味を活かし、人の五感に訴える料理に情熱を注ぐ。研鑽を重ね、37歳で総料理長に就任し、現在に至る。
鎌倉駅東口から若宮大路を海方向に10分ほど進むと、合掌造りの趣ある建物と「御代川」の看板が見えてくる。大本山建長寺をはじめとする鎌倉の名刹・古刹の御用達ともなっている、懐石料理の名店だ。
「御代川」の歴史は、「煮物の神様」と謳われた初代店主が、戦後間もなく赤坂見附に開いた料理店にはじまる。総料理長の入江さんは、店が鎌倉に移るのとほぼ時を同じくして「御代川」に入り、今年で46年目となる。
「初代は味に非常に厳しい方で、私もとても鍛えられました。今でも当時の教えを胸に、引き継いだ味を曲げることなく守り続けています。そして後進の若い人たちに『御代川』の味を伝えていくことも、私の務めだと思っています」
名物のしゃぶしゃぶは、葉山牛、オリーブ牛、黒毛和牛の3種類を取り揃えている。中でも葉山牛は、甘みの強さと、舌にのせるととろけるような柔らかさが特長だ。しゃぶしゃぶの野菜やコースの前菜などには、鎌倉野菜や地元の海産物がふんだんに用いられている。季節ごとに変わる旬の食材を味わえるのも楽しみの一つだ。
「料理をつくる上で大切なのは愛情を込めること。『美味しかった』と喜んでくださるお客様の声に勝るものはありません。どれだけ経験を積んでも『もっと良い味を』『もっと良い素材を』と、まだまだ勉強しなくてはいけないことばかりですね」
店内には棟方志功や奥村土牛、川端康成など名だたる巨匠の作品が飾られ、さながら美術館のようだ。歴史と伝統を引継ぎ、次世代へと繋ぐ。その中でさらなる高みを目指す入江さんの料理は、確実に進歩を続けている。

「味はもちろん五感で料理を楽しんでほしい」と、器や盛りつけにもとことんこだわる。
RESTAURANT INFO 店舗情報
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鎌倉 御代川 (かまくら みよかわ/鎌倉市 由比ガ浜)
住所: 鎌倉市由比ガ浜2-22-5▶︎MAP 電話番号: 0467-23-0911 営業時間: 11:00~20:30(L.O.20:00) 休業日: なし(元旦を除く)
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