伝統を受け継ぎ後世に残す 継ぎ人 匠

継ぎ人 その二十五

変化する時代の流れを乗り切るチャレンジのDNA

ISSUED | 2019.06

文具・オフィス用品 株式会社ミヤギ 4代目 宮城邦弘さん

  • 伝統ジャンル | 文具・オフィス用品 継 承 歴 | 4代目
  • 1958年東京生まれ。大学卒業後、ぺんてる株式会社で修業。アメリカに赴任し11都市で日本の文房具を売り歩く。1986年に家業に入り、1994年に社長に就任。

変化する時代の流れを乗り切るチャレンジのDNA

「お客様が望むものを追求し、常にチャレンジし続けることがうちのDNAです」と語るのは、人形町で文具・オフィス用品店を営むミヤギの四代目、宮城邦弘さん。

ミヤギの歴史は大正14年に遡る。初代が着物を包む畳紙(たとうし)を扱う会社として創業。二代目は画期的な文庫紙などを開発し、初代から引き継いだ事業を盤石なものにした。文具事業へと舵を切ったのは三代目の父、貞一郎さん。呉服の時代の終焉を察知し、近隣企業のオフィス用品のニーズを一手に引き受けるとともに、小売店もオープン。旧西ドイツで出会ったゲーハー社の輪転機の総合代理店として貿易部門も開設した。

そして四代目となる邦弘さんは「オフィスにある面倒事や課題を解決することが私の使命」と、什器備品の買い替えやネットワーク環境の整備など移転等で発生するあらゆる業務を引き受けることで働き方改革に貢献している。また日本の文房具の素晴らしさを世界に発信しようと、ぺんてるやヤマト・シャチハタなど日本が誇る文具メーカー8社に呼びかけ、「クラフトデザインテクノロジー」というオリジナルブランドも立ちあげた。

「一時は6店舗あった小売店も今は人形町店のみ。父は店を閉めることに反対でしたが、小売店の維持が私の使命ではないし、何よりもお客様がそれを望んでいない。この決断は間違っていなかったと思っています」そして今、ミヤギのチャレンジのDNAは五代目に引き継がれようとしている。

「変化の激しい時代ですから、私の延長線上に未来はないと息子には言いました。それでも継ぐと決断させたものは、おばあさん(邦弘さんの母)の『頼んだわよ』という一言。家業を継ぐとはこういうことなんだと、しみじみ感じる瞬間でした」

  • 味

  • 匠の言葉

    「知行合一」
    王陽明の言葉「知行合一」を座右の銘とし、「知っているだけでは駄目だし、知っていても行動しなければ意味がない」と語る宮城さん。現場の声に耳を傾け、そこにあるニーズに応えて行動することで100年ののれんを守ってきた。

店舗情報

ミヤギ人形町店「MUCCO」

  • 住所中央区日本橋人形町2-4-3▶︎MAP
    電話番号03-3662-6813
    営業時間平日 10:00~19:00
    土日祝 10:00~18:30

    邦弘さんが「今半」や「魚久」、「玉ひで」など、人形町の人気8店舗に呼びかけて制作した「人形町ハンカチ」はミヤギ人形町店「MUCCO」だけで購入できるオリジナル。

    三代目の貞一郎さんが昭和33年にドイツゲーハー社と日本総代理店契約を結んで輸入を開始した輪転機。

    ちょっとしたギフトにも最適な「クラフトデザインテクノロジー」のブックマーク。「クラフトデザインテクノロジー」の商品は、機能性とデザイン性を兼ね備えた、大人のための文房具。従来の文房具店ではなく、セレクトショップや高感度なブックストアなどに販路を見出したのも新しい試みだ。

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