旬の食材の魅力と新たな発見に出会える隠れ家イタリアン
「CHIC peut-être」の村島輝樹さんからバトンを受け継いだのは自由が丘のイタリアン「mondo」の宮木康彦さん。 食材や人に対する深い愛情を皿の上で表現する。
Words_TOMOMI KATO
Photographs_KIYOSHI TSUZUKI
Profile
宮木 康彦さん
神奈川県出身。青山「アクアパッツァ」から修行を始め、系列店も含めて厨房とサービスの両方の経験を積む。その後イタリアへ渡り、パドヴァの三ツ星レストラン「Le Calandre」、アルトアディジェ州の「Oberraut」、プーリア州の「Peppe Zullo」で研鑽を重ねる。帰国後、2008年に「mondo」をオープン。
自由が丘駅から徒歩10分ほどの、閑静な住宅街。ともすれば気付かず通り過ぎてしまいそうな小径を抜け、その奥に続く階段を降りると、庭の向こうに白壁の一軒家レストラン「モンド」が姿を現す。あえてわかりづらい場所を選んだ理由を、オーナーシェフの宮木康彦さんは、「到着までのワクワク感を楽しんでもらいたくて」と語る。
宮木さんは、青山「アクアパッツァ」で10年以上腕を磨いた後、イタリアへ渡り、各地の名店で最先端の技と郷土料理の両方を学んだ。現在に至るまで変わらない目標は、「マンマの料理」だという。マンマが家族のために料理を作るように、目の前の一人ひとりに心を配り、気持ちを込めて丹念に仕上げる。そこにあるのは客への愛情と、食材や生産者への感謝と敬意だ。
「料理が食材を作るところから始まっていると考えるなら、私は最後のバトンを引き継いでいるに過ぎません。生産者の方々が毎日丹精込めて作り上げた素晴らしい食材の魅力を、いかにお客様に伝えるか。それが料理人である私の役割だと思っています」
そんな宮木さんの思いが窺える一皿が、コースのはじめに提供される「もくじ」だ。その日の料理に使われる食材が、できるだけ手を加えない状態で並ぶ。食材そのものの味や香りを堪能することで、期待感もグッと高まるだろう。その後に続く料理を味わえば、同じ食材が見せる全く違った表情に驚かされるに違いない。
「生産者の方々と料理を作る私、そしてお客様が並列に繋がることができれば、食はもっと楽しく豊かになるはず。そのためにも、毎日常にベストを尽くし、食材と向き合っていきます」
RESTAURANT INFO店舗情報
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mondo(もんど/自由が丘)
住所: 目黒区自由が丘3-13-11 ▶︎MAP 電話番号: 03-3725-6292 営業時間: 11:30~14:00(L.O.)/18:00~20:00(L.O.) 休業日: 水曜、第1・第3木曜 料金: ランチ6,600円、ディナー13,200円(各税込・サ別) URL: http://ristorante-mondo.com