アンディ・ウォーホールやキース・ヘリング、ロイ・リキテンスタイン亡き後、現在のポップアート界の第一人者として注目されているロメロ・ブリット。
彼の作品は世界の有名美術館やギャラリーに展示され、世界中のセレブ達が熱狂的なコレクターとして名を連ねている。
そんな彼の作品を紹介するとともに、現代ポップアートの魅力を解説する。
時代・大衆のニーズを具現化する現代ポップアート
世界中の街と人を魅了するロメロ・ブリットのアート
1950年代に誕生したポップアートは、今や現代人の生活にしっくりと溶け込んでいる。
そんな人気のアートの中でも、ブラジルを代表する芸術家 ロメロ・ブリットは、今最注目のアーティストだ。
『FIRST SUPER』
古典的な絵画を鑑賞するには、作家の意図やその絵のストーリーなどを理解する必要がある。しかし、ポップアートはその作品の色やカタチ、あるいはモチーフになったキャラクターの好みで選び、鑑賞すればよい。そうした気軽さが、ポップアートの人気の秘密といえる。
さて、そのポップアートだが、誕生は第2次世界大戦後まで遡る。それまでの絵画は風景や人物などを題材にした芸術表現が主だったが、1950年代になり、大量生産・大量消費の時代に変わると、アーティスト達は〝身近な暮らしの中にあるモノ〟をテーマにした表現活動を開始。その潮流はイギリスから始まりアメリカで爆発的な人気を呼ぶ。そしてポップアートは世界中にファンを持つまでになる。近代になって活躍したアンディ・ウォーホールやキース・ヘリングといったアーティストの名前を知らない人はいないと言ってもいいだろう。
そして今、ウォーホールやヘリングに次ぐポップアーティストとして、世界中の注目を集めているのが、ブラジルが生んだ芸術家 ロメロ・ブリットだ。幼い頃からアートに熱中した彼は、マティスやピカソに憧れパリで活動するが、後にポップアートが盛んだったアメリカ・マイアミにスタジオを構える。ここでピカソらが生み出したキュビズムやグラフィティアートを融合させた、鮮やかでアイコニックな独自の作風を確立し、トップアーティストへと登りつめていく。
「誰からも愛される」という人柄もあり、フランシスコローマ教皇やマイケル・ジャクソン、レオナルド・ディカプリオといった世界各国の著名人と親交を持ち、多くの肖像画を手掛けている。肖像画制作のオーダーは、今なお世界中から途切れる事がないそうだ。
世界中の名車たちもロメロ風味に味付け!
ロメロ・ブリットのアート性に惹かれ、BMW Miniやアウディ、ポルシェ、ボルボなど様々な自動車メーカーもカーラッププロジェクトを実施している。ラグジュアリーカーの代表ロールス・ロイスもポップで派手なアートカーに変身!
世界的なブランドもポップアートに
スポーツブランドのプーマや高級時計ウブロなど、世界的なブランドとのコラボレーションにも積極的で、世界一有名なドリンク、コカ・コーラも彼の感性にかかるとご覧の通りのポップさに仕上がる。
『COCA-COLA SHARING』
世界が熱狂するスポーツイベントも手がける
2010年と2014年のFIFAワールドカップ公式アーティストとなり、FIFAワールドカップブラジル大使にも任命された。2016年リオデジャネイロオリンピックでは、グローバルアンバサダーとして、ロゴやポスターなどを制作。
ロメロ・ブリットは世界でも数少ないディズニーのオフィシャルアーティストとしても知られ、コラボレーションしたディズニーブリットも人気を博している。
“誰からも愛される”ロメロ・ブリットのポップアート
1989年、アブソルートウォッカ主催のキャンペーンで、ウォーホールらと並び彼の作品が「アブソルート アート」に選出され、ニューヨーク・タイムズ紙は「思いやりと楽天主義、愛に溢れた作品」と高く評価。ロメロは一躍注目を集めることになる。 その後は加速度的に世界中で注目を集め、映画俳優、ミュージシャンなど世界的大スター逹の肖像画の制作や、ディズニーのオフィシャルアーティストをはじめとした企業とのコラボレーション、ロンドン ハイドパーク、ニューヨーク ジョン・F・ケネディ国際空港などのパブリックアート、FIFAワールドカップや、2008年からの3回のオリンピックで公式アーティストを務めるなど、その活躍は枚挙に暇がない。
そして、華やかな活躍の裏では年間250を超えるチャリティー活動を行い、長年にわたって慈善団体や組織に対して1億2000万ドル以上の寄附も行うなど、作品以外の活動でも世界の注目を集めている。そんなポジティブな変革を生み出し続けるロメロ・ブリットの注目度が、ここ日本でもますます高まってきている。今、世界が最も注目するアーティストの一人であるロメロ・ブリット。彼の作品を通して、改めてポップアートの魅力に触れてみてはいかがだろう。
ロメロ・ブリットの初期の作品である『ME』
『TURQUOISE』
貧しい家庭で育った彼は、キャンバスが買えず、身近にある新聞紙などにアートを描いていた。現在のポップな作風とはひと味違った、力強さの中にも洗練された印象で、クールさを感じる作品だ。
英国ロイヤルファミリーもポップアートに
世界中のセレブの肖像画を数多く描くロメロ・ブリット。英国王室とは親交も深く、エリザベス女王を始め、ウィリアム王子やキャサリン妃の作品も描いている。上は若き日のエリザベス女王を描いた。
『THE QUEEN』
ロメロ作品を代表する「Flying Heart」
ロメロ・ブリット作品に登場する代表的なアイコンの一つが、「Flying Heart」と言われる羽が生えたハートマーク。愛や平和への想いが詰まったポップで愛らしい「Flying Heart」には、慈善活動にも積極的なロメロの想いが込められているのかもしれない。
『TOMORROW』
ロメロ・ブリットが描いた世界一の微笑み
ダ・ヴィンチやフェルメール、ゴッホなど、歴史的な大作家の作品シリーズも積極的に描くロメロ・ブリット。かの有名な、「モナリザ」もご覧の通りカラフルでポップな作品になる。
『MONA LISA』
リビングの置物としても人気のポップアート
絵画以外にも、陶器や彫刻作品なども数多く手がけている。
高級陶磁器ブランドGoebelとのコラボレーションで製作された『BIG APPLE』
『LIBERTY-FINE PORCELAIN』
ロメロ・ブリットの作品はここでチェック!
ロメロ・ブリットの作品はここでチェック!
ホープベアー ギャラリー銀座(公認総代理店)
住所:中央区銀座5-7-10 イグジットメルサ3F
TEL:03-6264-5123
営業時間:11:00〜20:00