美味しい日本酒と料理を通じて日本の豊かな食文化を発信
入谷のバスク料理店「sardexka」の深田さんからバトンを受け継いだのは根津の日本料理店「根津 日本酒 多田」の多田修平さん。
全国から集めたこだわりの日本酒と季節感あふれる料理を提供する。
Photographs_MASAMI OHIRA
お酒とお料理が美味しいことはもちろん、日本の酒文化・食文化への真摯な向き合い方を本当に尊敬しています。
sardexka |入谷 深田 裕さんより
Profile
多田 修平さん
東京都出身。専門学校卒業後、ザ ・ペニンシュラ ホテル 東京に勤務する傍ら、酒蔵巡りをライフワークとする。東北大震災をきっかけに日本酒の振興を後押ししたいという思いで日本酒専門店などでの修行を開始。2015年10月に「根津 日本酒 多田」をオープン。
日本酒の消費量が年々減少する状況下で、より多くの人に日本酒の良さを味わってほしいとの思いを体現する店がある。下町風情を残す東京・根津の「根津 日本酒 多田」だ。
店主の多田修平さんは元ホテルマンという経歴の持ち主で、バーテンを目指すためにホテルに就職したほどのお酒好き。それが高じて日本酒の奥深さに魅了されていったという。
「日本酒を好きになるうちに、原料となるお米や水について何も知らないということに気付きました。もっと知識を得たいと思い、さまざまな蔵に足を運ぶようになったんです」。
酒蔵巡りを続けるうちに、同年代の酒蔵の後継者達とも縁ができた。しかしそのような中で東日本大震災が起こり、懇意にしている福島の酒蔵が苦戦する様子を目の当たりにする。これを機により積極的に日本酒の復興に関わりたいという思いが強まり、ホテルの仕事の傍ら、休みの日には復興イベントの手伝いや日本酒専門店での修行を積ね、2015年に「根津 日本酒 多田」を開店した。
多田さんが揃えるのは、自ら全国の酒蔵を巡り集めた日本酒ばかり。仕入後は独自の温度管理を行い、旨さを最大限に引き出した状態で客に提供する。店頭に並ぶだけでも50種類、時期を見て寝かせ“育てて”いる日本酒と合わせれば、100種類を超える。訪れた客には「食とお酒を通じて日本の豊かさを感じてほしい」と語る多田さん。合わせる料理は、できるだけシンプルかつ季節感にこだわったオリジナルメニューだ。
「日本酒について分からないことがあったら遠慮せずにどんどん聞いて頂きたいですし、口に合わなかったらそれも伝えて頂きたいです。口に含む量をアドバイスしたり、ご提供する温度を変えたり、好みに合う銘柄をご紹介するなど、お客様とコミュニケーションを取りながら、日本酒の魅力をお伝えしていきたいです」
RESTAURANT INFO店舗情報
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根津 日本酒 多田
(ねづ にほんしゅ ただ/根津)住所: 東京都文京区根津2-15-12 木村ビル 1F
▶︎MAP電話番号: 03-5809-0134 営業時間: 18:00〜23:00
※日中12時以降2名から貸切可休業日: 不定休 料金: コース11,000円ほか(税込・サ別)