東京グルメバトン VOL.31

monolith|青山

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“必要なものだけを皿にのせる”揺るぎない信念が生み出すシンプルで奥深いフレンチ

「自然派薬膳鍋 らかんか」の森田健司さんからバトンを受け継いだのは青山に店を構える「monoLith」のオーナーシェフ・石井剛(ごう)さん。フランス料理の精神"素材への敬意"を皿の上で追求する。

Photographs_KIYOSHI_TSUZUKI / Words_SAYAKA NAGASHIMA

Profile

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石井剛

辻調フランス校卒業後、「アテスエ」で経験を重ねた後で再度渡仏。「ジョルジュ・ブラン」などで修業を積み、帰国後は「モナリザ」丸の内店に入店し料理長に就任。3年連続でミシュラン一つ星を獲得したほか、'08年と'09年には「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール」で2年連続準優勝を果たし、現在は審査員に就任。2010年3月に「monoLith」をオープン。

フランスでの修業を通じシェフとしての精神を体得

 青山通りから路地を少し入った閑静な場所に店を構えるフレンチレストラン「monoLith」。厨房を臨むバーカウンターを横目に進むと、奥には静かで心落ち着くモダンな空間が広がる。

オーナーシェフの石井剛(ごう)さんは、かつてこの場所にあったフレンチレストラン「アテスエ」で経験を積み渡仏。ミシュラン3つ星「ジョルジュ・ブラン」、2つ星ジビエ専門店「ベルナール・ロバン」などで腕を磨いた。「実際に現地で修業して、技術だけではなくフランス料理の精神や文化を肌で感じ、吸収できたのが大きな収穫でしたね」。

帰国後は「モナリザ」丸の内に入店し、料理長に就任。3年連続でミシュラン1つ星に輝いたほか、「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール」で2年連続準優勝を果たすなど、輝かしい実績を残した。「モナリザで8年目を迎え、そろそろ独立をと考えていた時にアテスエ閉店の連絡があり、ビビッときて同じ場所に店を開くことを決めました」。

食材への最大限の敬意をシンプルな仕立てで表現

「我々は『命』を扱っている職業であり、食材に対する想いをどう皿の上で表現するかを常に考えています。例えば魚を使った料理なら、身も骨からとったダシも全て使い、皿の中でもう一度生き返らせてあげるという気持ちで臨んでいます」と語る石井さん。この各”食材への敬意”こそがフランス料理の根底にある精神であり、石井さんが渡仏経験を通して学び、今でも一番大切にしているものだ。

「素材そのものを味わって頂けるよう、無駄を省いたシンプルな仕立てを心がけていますね。何かと”足す”ことが主流になっている時代の流れには逆行するかもしれませんが、”必要なものだけを皿にのせる”という思いで料理を作っています」。

シェフとしての確固たる信念を貫き続ける石井さん。フランス料理の背景にある精神やその奥深さを、皿の上の料理を通じて我々に語ってくれる。

RESTAURANT INFO 店舗情報

  • monoLith (ものりす/青山)

    住所: 渋谷区渋谷2-6-1 平塚ビル1F▶︎MAP
    電話番号: 03-6427-3580
    営業時間: 12:00-15:00 (L.0 13:30)、18:00-22:30(L.020:30)
    定休日: 月曜、第3火曜
    ※月曜が祝日の場合は営業、その際は火曜が休業
※2023年5月9日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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