素材を見極め、活かしきる。和食の本質を突いた究極のシンプル料理
三田の日本料理店「晴山」の山本晴彦氏よりバトンを受け継いだのは、南青山の名店「いち太」の佐藤太一氏。素材と真摯に向き合い、旨味を最大限に引き出す匠の技で数多くのゲストを感動させ続けている。
Profile
佐藤 太一
調理学校卒業後、高級ホテルの中華部門へ就職。修行を重ねた後、ニュージーランドに留学。帰国後に新宿御苑の名店「大木戸 矢部」にて修行。同店にて29歳で料理長となる。2014年9月に「いち太」をオープン後、2015年にミシュラン一つ星を獲得する。
留学経験をきっかけに導き出した〝和食〞という人生の答え
調理学校を卒業後、地元北海道の有名高級ホテルの中華部門に勤務するも、幼少から掲げてきた〝35歳で独立する〞目標へと近づくため退職。「敢えてゼロからのスタートを切りたかった」と、ニュージーランドへ語学留学するなど、料理人としては異色の経歴を持つ佐藤氏。「日本人として自分が外国人に伝えられるものは何か。それを考えた結果〝和食〞という答えが出ました」。留学経験をきっかけに人生の方向性を見つけた佐藤氏。帰国後は、新宿にある割烹「大木戸 矢部」にて修行を積み、遂に2014年9月、「いち太」を目標よりも若い34歳でオープンし夢を実現させた。しかも、オープン後1年あまりでミシュランひとつ星を獲得するなどその実力も認められ、たちまち予約が取りにくい人気店としての地位を確立したのだ。「全力で取り組めば夢も叶うと思います」そう熱く語る佐藤氏のストイックさは、一切妥協を許さない素材選びにも反映されている。
〝素材選びに命を賭ける〞ストイックな料理人が魅せる究極
「実際に自分の目で確かめた素材でしか料理に使いません。素材選びに全力を尽くしてこそ、お客様の舌を満足させられると思っています」。そう語る佐藤氏がこの時季におすすめする素材は京都産の〝白子筍〞と言われる最高級品。その名の通り、穂先から株の下まで白く、日本一の筍として全国に知られている春の味覚だ。それを皮ごと炭火焼で仕上げ、塩のみでいただく。素材に命を賭けると言っても過言ではない、佐藤氏の熱いこだわりが活きた究極のひと皿だ。「焼きあがりをカットしたとたん、まるでとうもろこしのような甘い香りが楽しめるのも白子筍の特徴です。ぜひ、素材そのものの味を堪能してみてください」。食材の個性を見極め的確に調理された究極の料理。一流の素材は一流の料理人でしか扱えない。そんな気持ちにさせる一皿は想像を超える美味しさはもちろん、思いがけない感動をも運んでくれる。
RESTAURANT INFO
店舗情報
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いち太 (いちた/外苑前)
住所: 港区南青山3-4-6 AOYAMA346 101 ▶︎MAP 電話番号: 03-6455-4023 営業時間: 17:30~23:00(L.O.21:00) 定休日: 日曜・祝日 WEB: www.tokyoichita.com/