未来を感じる新機能を搭載
暮らしを変えるAI家電

Edit & Word_NOBUYUKI YAMAHA. IKUMI UENO(effect).

コロナ禍がもたらしたライフスタイルの変化。家で過ごす時間を充実させる製品が様々登場する中、ひときわ注目度が高いのが「AI家電」だ。AIが家電と融合することで、既成概念を覆す驚きの進化を遂げている。AI家電は大きく4つに分けられる。1つ目は今ではおなじみの「スマート家電」。スマートフォンのアプリと連動できる家電で、操作にスマホを用いるだけでもこれに分類される。2つ目は「IoT家電」。IoTとは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳される。家電に通信機能が搭載され、インターネットへの接続が可能となったものだ。3つ目が、特化型AIを搭載した家電。AIが行う仕事のひとつに、クラウド上の膨大なデータから最適な情報を導き出すデータラーニング 機能がある。SiriやGoogle アシスタントといった音声アシスタントを使った機能など、ネット上の情報から最適解を提案するものはこれに属する。そして最後が、その商品自体で学習機能を働かせるAIを搭載した家電だ。これは利用者のライフスタイルや好みを独自に解析し、常に最適化した使用方法を提案する機能を持っている。それでは、注目の商品を紹介していこう。

家族の好みを解析し理想通りの食感を叶える

●象印マホービン
圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」NW-FA10
143,000円（税込）

AIの力を使えば、日本人の主食であるご飯もよりおいしさを引き出すことができる。たとえばこの炊飯器は使用する際に前回の硬さや粘りの感想を入力すると、AIがそのデータを蓄積。炊飯器内の圧力を調整し「かためでもちもち」「やわらかめでしゃっきり」など、人によって異なる理想の炊き上がりの食感を実現してくれるのだ。部屋の湿度やお米の銘柄が変わっても、家族好みのご飯を提供してくれるのがうれしい。ほかにも炊飯の質を左右する水温や室温が季節で変化しても変わらず炊き上げてくれたり、時間が経っても黄ばみを抑えて保温してくれたりとAIの機能が充実している。高度なテクノロジーと炊飯器の連携により、これまでにない究極の炊き上がりを叶えてくれるのだ。

人間のように映像を認識しより鮮明で美しく再現

●ソニー
4K液晶テレビ BRAVIA XRTM X95Kシリーズ「XRJ-85X95K」 85V型
935,000円（税込・ソニーストア価格）

家時間を充実させる家電として外せないテレビも、AI技術により大きな進化を遂げている。このテレビが搭載する「認知特性プロセッサー『XRTM』」は、例えば人間の脳が人の顔や目に注目し、背景などはそれほど注視していないといった無意識に行う認知特性を取り入れることで、人の脳のように目で見た情報を処理し、現実の世界を見るような自然で美しい映像を提供してくれる。画面に表示する映像をリアルタイムで解析し、人が注目する部分を瞬時に判断。高画質化処理を行い、人工的な印象の無い、限りなくリアルな映像を楽しむことが出来るのだ。また、Google アシスタント機能が搭載されているため、部屋の照明や空調などの家電をコントロール出来るという点も革新的だ。

磨き残しをアプリに表示歯の健康を見守る歯ブラシ

●Oral-B by Braun
オーラルB iO9 ブラック オニキス
36,300円前後（編集部調べ）

独自の「丸型回転」と、ブラシ１本１本まで振動させる「遠心マイクロモーション™」により、高い歯垢除去力を誇る「オーラルB iO9」。数千人のデータを元に、AIがどこがまだ磨けていないかをリアルタイムに判断する、人工知能ブラッシング認知機能を搭載。専用スマホアプリとの連携により、磨くべき箇所を表示してくれるのだ。外側、内側、かみ合わせ面と、歯の全体を 16 エリアに分割して検知するため、細かい磨き残しも見逃さない。またアプリと連携させなくても、歯ブラシ上のディスプレイに歯磨きの精度が良ければ笑顔、磨き残しがあれば困り顔と、その日のブラッシング状況をわかりやすく示す機能も。忙しい毎日でも、効率よく歯磨きをすることが可能となる。

スマホのアプリと連携すればどの部分を磨いたのかを、瞬時に表示。うまく歯磨きができているかを点数化する機能もあり、日々のブラッシングのモチベーションをあげる。

家族の行動を読み取り温度管理と節電を実行

●パナソニック
「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫 NR-F658WPX
460,000円前後（編集部調べ）

様々なAI家電が登場するなか、特に進化しているのが冷蔵庫。スマートフォンと連動させることで位置情報をキャッチし、AI機能によって庫内の温度を管理する。例えば、会社帰りにスーパーに寄ったときには、食材が足されることを先読みして庫内を冷却。逆に自宅から離れていると、ドアが開けられないことを察知して節電モードに移行する。これにより常に適切な温度が保たれるうえ、無駄な電力の消費を抑えるエコ活動にもつながるのだ。また付属の「重量検知プレート」を設置すると、上に置かれた食材の残量が専用アプリで確認可能に。ネット上のAIとつながり、その残りの食材を使ったレシピへと導いてくれる。日々の料理の手伝いまでこなす、まさに未来の冷蔵庫だ。

自宅で堪能できるトップバリスタの味わい

●iDrip
iDrip
87,780円（税込）

毎朝バリスタが淹れたようなおいしいコーヒーを味わいたいなら、「iDrip」がおすすめだ。このコーヒーメーカーは世界各国で活躍するトップバリスタが豆の種類、焙煎方法、豆の挽き方などを監修した、専用ドリップバッグを使用する。そしてAIが、お湯の温度、蒸らしの時間、お湯を注ぐ位置や速さなど、バリスタのテクニックを忠実に再現。世界トップレベルのコーヒーを自宅で気軽に味わうことができるのだ。またスマートフォンのアプリと連携させれば、使用したドリップバッグの履歴を蓄積。ユーザーの好みにあった、フレーバーの提案もしてくれる。面倒なお手入れも不要で、使い終わったフィルターバッグを捨てるだけ。本格的な味を楽しめる上、この手軽さも大きな魅力だ。

専用アプリではコーヒーの豆知識や、バリスタに関するストーリーなど魅力的なコンテンツが満載。またアプリから専用ドリップバッグの購入も可能だ。

天気予報と連動し快適な室温を先読み

●パナソニック
「Eolia（エオリア）」 LXシリーズ（CS-LX402D2）
270,000円前後（編集部調べ）

家での快適な過ごし方に欠かせないのが空調だ。このエアコンはインターネットに接続し、アプリを利用することで天気予報と連動。AI機能によってその日の過ごしやすい室温に調整する。これにより熱帯夜や冬の朝を不快に感じることもなくなるだろう。また家族が集まるエリアをAI機能によって学習。場所を選んで効率よく温度調整を行う。GPSと連動することで使用者の帰宅を検出し、自動で運転を開始する画期的な機能も搭載。

驚きの完成度を誇る進化し続ける犬型ロボット

●ソニー
aibo ERS-1000
217,800円（税込）

ご存じAIロボット犬「aibo」。名前の由来は人工知能の「AI」+感情を表現する「Eye」+賢く可愛い「相棒」の3つを合せたもの。クラウドと連携することで飼い主が喜ぶしぐさや行動を学習するほか、部屋の形を認識し歩き回る、初対面の人の顔を認知し覚えるなど愛らしい機能が満載だ。最新モデルでは「寝る時間だよ」と声をかけると睡眠状態になるなど、生活リズムの学習機能がアップ。その進化ぶりは一見の価値ありだ。

眠りの状態を分析し安眠へと導くマットレス

●NEWPEACE
NEWPEACE AI Motion Mattress WE-AC00A
297,000円（税込）

AI技術は今や寝具にまで進出している。マットレスとアプリを連携することで、マットレスに内蔵されたセンサーが、ユーザーの寝返りや呼吸数を記録し分析。その詳細なデータをもとに、マットレス内部に組み込まれたエアバッグを動かし、まるでゆりかごに揺られているような安眠効果が得られるのだ。アプリに蓄積された睡眠の記録を解析し、睡眠のアドバイスをくれたり、スコア化したりする機能も搭載している。