TOP MAGAZINE特集 ユナイテッドアローズ ―セレクトショップ35年の歩み―

ユナイテッドアローズ
―セレクトショップ35年の歩み―

発行: 最終更新日:

1989年に誕生して以来、日本のライフスタイルを創造し続けてきたユナイテッドアローズ。
独自の審美眼を元に国内外のアイテムを集め、オリジナルブランドも展開するセレクトショップとして35周年を迎えた。
これまでの歩みを振り返りながら、新たな時代へと踏み出した同社を紹介する。

Edit&Words_POW-DER.

日本のスタンダードをつくる
35年間の変わらぬ思い

日本のファッションやカルチャー、ライフスタイルに大きな影響を与えてきたセレクトショップ。なかでもあらゆる世代から高い支持を受け続けているのがユナイテッドアローズだ。その歴史を振り返りながら、日本の新しいスタンダードを築き上げてきた功績を実感してほしい。

日本のライフスタイルの新しい価値観を提案

1989年10月2日、ユナイテッドアローズは誕生した。

「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける」ことを経営理念とし、ユナイテッドアローズのヒト( =接客サービス)、モノ( =商品)、ウツワ( =施設・空間・環境)を通じて、お客様一人ひとりが自分らしく装い、暮らせることを目指しスタートした。

創業者は重松 理氏。婦人服メーカー勤務後、セレクトショップの草分けであるビームスの設立に携わり、主要メンバーとして活躍していたが、「日本の生活・文化における規範となる価値観の創造」という想いから、ユナイテッドアローズを立ち上げた。従来の洋服という枠から、衣食住にまたがる大きな意味での生活提案を行うセレクトショップ、すなわち「日本のスタンダード」をつくりあげるという目標を掲げ、その考えに共鳴した精鋭のスタッフが集結し、大きな注目を集めた。その志は、目標に向かい力を合わせて「UNITED」×突き進む「ARROWS」という社名にも表現された。

  • スタッフがユニフォームのように身につけていたのがネイビーブレザー

    創業時、スタッフがユニフォームのように身につけていたのがネイビーブレザー。1つの目標に向かうチームの姿勢を表現するために統一していた。

訪れるたびに心躍る刺激に溢れたショップ

1990年7月、ユナイテッドアローズ1号店である渋谷店が明治通り沿いにオープン。〝超専門十貨店〞をコンセプトに、経験豊富なスタッフが厳選した十貨で豊かなライフスタイルを提案するという、理想のセレクトショップの姿を実現したものだった。

そして、1992年10月にはフラッグシップ・ストアとなる原宿本店がオープン。スペインの建築家リカルド・ボフィル氏による建物は、地上3階、地下1階のフロア構造で、古典的列柱とガラスで構成されたデザインは、まさにユナイテッドアローズの在り方とシンクロしたものだった。

  • ユナイテッドアローズの1号店である渋谷店

    ユナイテッドアローズの1号店である渋谷店。明治通り沿いの渋谷と原宿の中間に位置し、2フロアで展開した。

従来のセレクトショップは、日本にはない欧米の新しい文化を紹介、提供するというスタイルを取っていた。それに対してユナイテッドアローズは、日本の伝統や生活に根ざした文化と融合し、新しい日本のスタンダードを提案するというもので、それを表現した刺激に溢れた店舗づくりによって、多くの人が足を運ぶ場所となった。

創造的な商人としてお客様第一主義に徹する

ユナイテッドアローズが打ち出したのが、お客様に寄り添う店づくり。モノづくり・バイイング・販売宣伝・店づくり、すべてがお客様と直に接する店頭で最高の顧客満足を提供するために考えられている。その結果、ニーズに合わせて取り扱いブランドが拡大し、運営するオンラインストアもリアル店舗との融合が推進されている。

「最高のものを気分よく手にすることができた」という満足感を得てもらうこと。この考えは、35周年を迎えた今でも変わらぬ理念だ。これからも、ユナイテッドアローズすべてのスタッフがクリエイティブな商人として、日本のスタンダードをさらに高めて行くことだろう。

  • ユナイテッドアローズ 原宿本店

    原宿本店は、中央を貫く道によって1つの建築物が2つの構造体に分かれ、まるで街並みを閉じ込めたような建物だ。

  • ユナイテッドアローズ 原宿本店

    原宿本店には、メンズ・ウィメンズの売り場のほかに、UAバーではドリンクや食事が楽しめる。

  • ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店

  • ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店

    2016年9月にはユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店が都内最大規模の新旗艦店として増床してリニューアルオープン。

HISTORY

ユナイテッドアローズ沿革

1989.10
東京都渋谷区神宮前二丁目32番4号に、株式会社ユナイテッドアローズを資本金5,000万円をもって設立
1990.7
東京都渋谷区(神宮前六丁目)に、ユナイテッドアローズ第1号店となる渋谷店をオープン※現在はクローズ
1992.10
フラッグシップ・ストアとして、東京都渋谷区(神宮前三丁目)に原宿本店をオープン、本店・本社を同所に移転
1997.3
メンズクロージングの最高峰に位置づける「ザ ソブリンハウス」をオープン※現在は六本木ヒルズ店のインショップ
1999.7
日本証券業協会(現ジャスダック)に株式を店頭登録
1999.12
クロムハーツ事業の本格展開を開始(2016.10 会社分割によりCHROME HEARTS JP合同会社へ承継)
2000.9
クリエイティビティとクラフトマンシップをテーマにした「ディストリクト ユナイテッドアローズ」をオープン※現在は原宿本店のインショップ
2003.3
東京証券取引所 市場第一部に銘柄を指定
2006.9
それまでのユナイテッドアローズのカジュアル部門を「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」として分割
2009.9
自社ECサイト「ユナイテッドアローズ オンラインストア」をオープン。2022年「ユナイテッドアローズ オンライン」としてリニューアル
2013.8
衣料品及び身の回り品の小売を主たる事業とする海外子会社、「UNITED ARROWS TAIWANLTD.」を台湾に設立

オリジナル 35周年記念

2022.10
サスティナビリティ活動のスローガン「SARROWS」を発表
2024.10
10月2日に創立35周年を迎えた

ユナイテッドアローズ
35周年スペシャルアイテム

35周年を記念して、ユナイテッドアローズと馴染み深いブランドとの特別限定コラボアイテムが8月から順次発売されている。トラッドなネイビーカラーを中心に、ベーシックでエターナルなユナイテッドアローズらしいアイテムが勢揃い。なかでも特に注目のアイテムをここで紹介する。

オリジナル 35周年記念
UNITED ARROWS

創業から愛用され続けてきたブレザーがアップデート!

トラッドを象徴して語られることも多いブレザーは、1990年の渋谷1号店オープン当時、スタッフもユニフォームのように着用したUAとして欠かせないアイテムだ。今回リリースするモデルは「ヴィターレ・バルべリス・カノニコ社」の強撚糸を用いた3プライのトロピカル生地。しっかりとした仕立て映えで、程よい光沢感がありモダンな印象を与えてくれる。シングルは段返りの3ボタン&パッチポケットで深いネイビー、ダブルは6Bでパッチポケット仕様の明るめのネイビー。また使用している金ボタンは1号店オープン時のオリジナルブレザーに使われていたものを再現。ダブルはメンズ、ウィメンズそれぞれのシルエットで製作されている。

  • ブレザー

    ブレザー 右/シングル7万9,200円、左/ダブル8万4,700円(メンズ)、5万9,950円(ウィメンズ)※12月上旬発売予定

35周年記念
JOHN LOBB

リラックスした履き心地と美しいシルエットが両立

ユナイテッドアローズは1990年代から英国靴の最高峰と言われる「ジョンロブ」に惚れ込み、販売を続けている。蜜月な関係を表すかのように、ユナイテッドアローズの限定モデルも同じく1990年代から展開。ロペスのアンライニング版として「RIO」が最初に登場したのが1998年。よりコンフォートで、ドレスダウンやカジュアルスタイルにおすすめのモデルとして、ユナイテッドアローズでも取り扱っていた。現在はビスポークを含めて基本的にはオーダーすることができないモデルだが、今回は35周年という節目の記念モデルとして3つの素材「ブラックのスエード」、「ブラックのクシュベルカーフ」、「ダークブラウンのオックスフォードカーフ」で復刻販売が決定した。シングルレザーソール、グッドイヤーウェルト製法。

  • RIO

    RIO 各24万900円※10月下旬発売予定

35周年記念
MACKINTOSH

大人のエレガントを演出するモダンなタイロッケンコート

「マッキントッシュ」の名品タイロッケンコートをベースに現代的にアレンジし、ボタンのないフロントデザインによってミニマルでモダンな印象に仕上げた「LAGGAN」。このコートのために日本でつくり込んだ特別な生地は、両面ショートビーバー仕上げの接結リバー素材で、程よい嵩感と引き締まった風合いに加え、ハイマイクロン原料のもつ毛艶とドレープ感が特徴だ。ネイビーを基調としながらも緯糸にブラックを組むことで、深みのある色合いを表現。軽い一枚仕立てと一枚袖のラグランスリーブにより、柔らかいシルエットと素材の上質感が相まってエレガントに着こなせる。裏までも美しい普遍的な魅力に溢れる一着だ。

  • RIO

    タイロッケンコート 27万5,000円「LAGGAN」

35周年記念
SUNSPEL

英国スタイルにこだわったネイビーTシャツが完成!

1860年創業、150年以上の歴史を誇る英国を代表するブランド「サンスペル」。製品の取り扱いや別注品の展開などを継続的に行ってきたが、35周年記念に相応しいアイテム製作のため、ユナイテッドアローズのディレクターとバイヤーがロングイートンの工場を訪問。今回の記念モデルは英国製にこだわり、サンスペルのアイコンともなっているクラシックTシャツの代表的なネックのデザインを踏襲しつつ、カーボンブラッシュドコットンという素材を使用。一枚着としてもさまになるウェイトがありながらも、上質な素材にこだわるサンスペルならではの非常に柔らかくて滑らかな風合いを持っている。この企画のイメージ通りのネイビーカラー展開だ。

  • RIO

    Tシャツ 各2万4,200円※12月上旬発売予定

CHARVET

エレガンスを身に纏う上質なドレスシャツ

1838年、世界で初めてのシャツ専門店を開業したのが「シャルベ」。完璧で上質なシャツは各国の大統領や映画俳優を顧客に持ち、ユナイテッドアローズにとっても憧れのシャツだった。2002年に初めてシャルベのシャツを紹介して以来、そのことを誇りとし、今日まで取り扱いを続けてきた。2024年の秋冬シーズン用に新たにオーダーしたのは3枚のドレスシャツ。いずれもグレーやブラウンスーツとのスタイリングをイメージしながら、都会的で色気の香る色柄をセレクトしている。配色や柄など、ディテールまでもシャルベならではの上質なエレガンスが感じられる。

  • RIO

    各9万4,500円

35周年記念
PARABOOT

スポーティ&上品なビットブーツは万能選手

ユナイテッドアローズが初めて「パラブーツ」にビットモカシンの別注をしたのが2018年。足元を彩るような装飾性のあるメンズシューズを提案したいという想いのもと、上品さを保ちつつもクラシックになりすぎず、程よいスポーティさもある、そんなイメージにぴったりだったのがパラブーツだった。イタリアの金具工場でオリジナルのビットを製作し、これをパラブーツに持ち込んで誕生。そして今回はブーツタイプのホースビットモカシンを別注。アッパーはミッドカット、アウトソールには「RAID SOLE」と呼ばれる程よくボリューム感のあるラバーソールを採用した、上品さとスポーティさを兼ね備えたシューズが完成した。ブラックレザー・ブラウンスエードの展開。

  • RIO

    ブーツ 各5万2,800円※11月中旬発売予定

INFORMATION

Bespoke Fair

11月1日(金)より六本木ヒルズ店にてビスポークフェアを開催。期間中はブリオーニ、ジョンロブ、バウワース&ウィルキンスのオーダー会を完全予約制で同時開催する。詳しくはユナイテッドアローズオフィシャルサイトまで。

■開催期間

2024年11月1日(金)~11月28日(木)

■開催場所

ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店

RIO

10月からショッパーや店頭装飾が、フランス人アーティスト、ブノア・フランソワが描き下ろしたイラストに衣替え。35周年の感謝の気持ちを表現した特別ビジュアルだ。

※価格はすべて税込み 商品のお問い合わせ/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5772-5501

※2024年11月5日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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