伝統的なフランス料理を、 フレキシブルに変化させる それがどんな世代のゲストにも 感動を与える松本流の極意
浅草・駒形『Nabeno-ism』渡辺雄一郎シェフからバトンを受け継いでくれたのは、乃木坂の名店『RestaurantFEU』の松本浩之シェフ。友人でもあり、良きライバルでもある二人はともに、日本のフレンチを牽引するまさにトップシェフだ。
Profile
松本浩之
辻調理師専門学校卒業後、フランスの三ツ星レストラン「ラ・コート・ドール」等で修行し帰国。その後は銀座の有名店でシェフを歴任し、2006年に「レストランフウ」へ。
尖り過ぎないけれど 驚きに満ちたフランス料理
1980年にオープンした『レストランフウ』は、5年連続ミシュランガイドで星を獲得している名店だ。7代目シェフをつとめて11年になる松本浩之氏は、フランス料理の伝統的な技法やルールを守りながらも、独自の感性をプラスした巧みな表現力で、舌の肥えたゲストを驚かせてきた。
「料理人としてこだわりは必要なのでしょうが、うちの店には老若男女、色々な方がいらっしゃいます。ウエディングのご利用もありますし、僕としてはどの世代のゲストにも美味しく味わっていただけるオールマイティなフランス料理を目指しているんです。もちろん個々のゲストに合わせて、同じメニューでも味付けを調整しています。フレンチだからといって堅苦しく考えず、ゲストにはとにかく会話して、楽しんで、美味しいと感じていただきたい。その一心ですね」
夏にぴったりの 冷静メインディッシュ
どんな質問にもユーモアたっぷりに答えてくれる、気さくな松本シェフ。夏のコース料理のメインディッシュは、シェフ自身の意外な体験から生まれた。
「長袖シャツにジャケット、ネクタイという装いで、真夏にフランス料理を食べにいったんです。とにかく暑くて、汗びっしょりになりまして…。フランス料理は前菜とデザート以外は温かいのですが、そのルールを崩してもいいかなと思ったんです」
ご紹介する〝十勝牛のロースト?は、脂肪分の少ない赤身の牛肉を使い、夏向けの爽やかな香りの薬味を合わせ、万願寺とうがらしや黒トリュフ、コンソメのジュレをプラスした逸品。
「私が自ら足を運んで見つけてきた食材を使っています。すべてを一緒に口に入れていただくと、想像以上の爽やかさです。テクニックはフレンチですが、薬味は日本風を意識しています」
計算し尽くされた味わいの中に、松本シェフのセンスが光る一皿。夏だけの限定メニューなので、ぜひ今の時期に味わってみては。
RESTAURANT INFO
店舗情報
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Restaurant FEU (レストランフウ/乃木坂)
住所: 港区南青山1-26-16▶︎MAP 電話番号: 03-3479-0230 営業時間: ランチ/11:30~15:00(L.O. 14:00)
ディナー/18:00~23:00(L.O. 21:30)WEB: http://www.feu.co.jp