「だし」にこだわり真摯に食材と向き合う本格会席料理
「新富町 湯浅」の湯浅大輔さんからバトンを受け継いだのは同じく新富町に店を構える割烹「新富 なぐも」の南雲広志さん。丁寧かつ繊細に、旬の食材の味を引き出す。
Words_TOMOMI KATO / Photographs_KIYOSHI TSUZUKI
Profile
南雲 広志
新潟県南魚沼出身。子どもの頃から料理が好きで、高校卒業後は調理師専門学校へ。都内や新潟、石川・加賀で和食の料理人として修業を積んだ後、銀座の名店「銀座とよだ」で、オープニングスタッフとして12年間腕を磨く。2015年4月に「新富 なぐも」を開店。旬の食材を中心とした本格会席料理を提供する。
新富町駅からほど近く、平成通り沿いを行くと、落ち着いた黒塀が見えてくる。「新富 なぐも」は、銀座並木通りの名店「銀座とよだ」で12年間腕を磨いた店主の南雲広志さんが、5年前に開いた日本料理店だ。
旬の食材を中心とした会席は、丁寧な仕事ぶりがうかがえる上質で奥深い味わい。米は南雲さんの出身地でもある新潟県南魚沼産のコシヒカリを用い、一組ごとに釜で炊き上げている。また、魚介の多くも新潟・佐渡島から直送されたものだ。日本海の豊かな海の幸を、存分に楽しむことができる。
さまざまなこだわりの中でも、南雲さんが最も大切にしているというのが『だし』だ。
「和食の基本となるのは、やはり『だし』。同じようにだしを引いていても、味やコク、香りは日によって微妙に異なります。季節や天候の違いもありますが、一番影響が大きいのは自分の体調。ですから常に体調を整え、お客様に最高の味をご提供したいと思っています」
たとえば、南雲さんは「だし」を引く前に決して食事をとらない。自らの身体をあえて空腹にし、訪れる客と同じ状態に置くためだ。一時も気を抜かない繊細な作業が、食材の味をより一層引き立てている。
魚介をはじめ蟹や肉などの焼き物は、カウンター奥に設えた火鉢でふんわりと香ばしく仕上げる。人気銘柄の日本酒や季節の新酒のほか和食に合う国産ワインも揃い、料理とのマッチングも楽しみの一つだ。
「お客様の『おいしかった』という声が何よりの励みです。常にお客様の立場に立ち、喜んでいただける料理を作り続けたいと思います」
RESTAURANT INFO 店舗情報
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新富 なぐも (しんとみ なぐも/新富町)
住所: 中央区新富1-7-6 Dobroビル1階▶︎MAP 電話番号: 03-5542-0919 営業時間: 平日11:30~終了まで。土・日曜、 祝日 12:00~15:00(L.O.13:30) /17:30~22:30(L.O.21:00) 定休日: 水曜日