TOP MAGAZINE東京グルメバトン 釉月|馬喰横山

東京グルメバトン VOL.73

釉月|馬喰横山

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素材を活かした日本料理と全国の旨い酒を堪能

「da olmo」の北村征博さんからバトンを受け継いだのは馬喰横山の小料理屋「釉月」店主、金子祐二さん。
素材の力強さを最大限に引き出す料理に魅了される。

Word_NOBUYUKI YAMAHA(effect). Photographs_KIYOSHI TSUZUKI

金子さんとは料理のジャンルは異なりますが、素材の味を引き出すという考えを同じくする存在です。
da olmo|神谷町 北村 征博さんより

Profile

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金子 祐二さん

千葉県出身。調理師学校を卒業後、都内ホテルに就職。6年後に退社し、赤坂の割烹店、銀座のフレンチなどを経て2008年に「釉月」を開業する。当初は日本橋富沢町で営んでいたが、2017年10月に現在の場所に移転。

馬喰横山駅のほど近く、瀟洒なビルの階段を上がると、真っ白な暖簾に力強い筆遣いで店名を記した店がある。看板を出さず隠れ家のようでありながら、多くの食通にその名を知られる「釉月」。天然の旬魚や無農薬野菜を丁寧に仕上げる日本料理と、全国の旨い酒が堪能できる小料理店だ。

店主・金子祐二さんのこだわりは素材選びから始まる。豊洲市場に毎日足を運び、“この時期”ではなく、“今日”最も旨いものを吟味する。「やはり和食は素材が命。この日一番力強く、味わい深い魚を仕入れるためには、素材を見る目以上に仲卸業者さんとの信頼関係が大切なんです」。そう話す金子さんは野菜農家とも深い繋がりを持つ。気になる野菜と出会えばその生産者を訪ね、畑まで足を運ぶこともある。「自分が使う野菜がどんな環境で育てられているかを実際に見たい。また、それ以上に生産者さんと同じ空気を吸いたいんです。同じ景色を見て、一緒に笑って」。そうすることで、より真摯に素材と向き合えるのだという。

供す品はお造りや和え物など和の王道を軸に、メンチカツや魚骨らーめんまで幅広いが、斬新な調理法や味付けは一切行わない。酸味を足すためにドライトマトを使用するなど、下味にオリジナリティを加えることはあっても、あくまで主役は素材である。「合わせる食材や調味料、調理法は試行錯誤しますが、全ては魚や野菜が持つ魅力を最大限に引き出すため。本当にそれだけなんです」。シンプルだからこそ力強い。その潔い料理と酒、そして金子さんの人柄に惹かれ、今宵も食通たちは「釉月」の暖簾をくぐるのだ。

釉月(ゆうげつ/馬喰横山)

RESTAURANT INFO店舗情報

  • 釉月(ゆうげつ/馬喰横山)
  • 釉月(ゆうげつ/馬喰横山)

    住所: 東京都中央区東日本橋3-4-1 VORT 東日本橋Ⅱ M1階▶︎MAP
    電話番号: 090-1251-4165
    営業時間: 18:00~23:00(最終入店21:00、21:30 L.O.)
    休業日: 日曜日・祝日・第1・3土曜日
    ※入店は1組4名様まで

 

※2023年5月9日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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