食材の新たな魅力を引き出す旬を大事にしたバスク料理
「食堂うゆき」の金澤祐樹さんからバトンを受け継いだのは入谷のスペイン料理店「sardexka」の深田 裕さん。
バスク料理をベースにしたオリジナリティ溢れる一皿を提供する。
Photographs_KIYOSHI TSUZUKI
深田さんは天才肌の料理人。技術はもちろんのこと、食材から想像する発想力は勉強になります。お店もとても素晴らしいです。
食堂うゆき | 浅草 金澤 祐樹さんより
Profile
深田 裕さん
神奈川県出身。大学卒業とほぼ同時にスペイン北部の街・サンセバスチャンに単身渡航し、現地でスペイン料理の基礎やさまざまな技法を学ぶ。2002年に帰国後は都内や神奈川県内のスペインバル数店で経験を積み、2016年5月に「sardexka」をオープン。
下町風情と都会らしさが融合した、独自の雰囲気をもつ東京・入谷。この場所に店を構えるのが、スペイン北西部からフランス南西部に伝わる「バスク料理」をベースに独創的な料理を提供する「sardexka」だ。シェフの深田裕さんは店のコンセプトについて「日本の食材の良さを生かしながら、日本では食べられない料理を提供すること」だと説明する。もとはイタリアンシェフを目指していたが、雑誌で見たスペイン料理に魅了され、大学卒業後にバスク地方に渡航。現地のバルで修行後、スペイン全土を旅しながらバルやレストランを食べ歩き、さまざまなスペイン料理の技法を学んだ。
バスク料理はスペインやフランス料理の影響を受けながらも、豊かな海と山の幸を生かした独自のレシピを特徴とする。そのエッセンスを受け継いだ深田さんも素材の美味しさを引き出すことを何より大切にしている。
「日本の食材も調理法が異なれば違う魅力が出ます。僕はスペイン料理の調理法を用いますが、根底にあるのは、食材のまだ知られていない美味しさをあぶり出したいという思いです」
例えば、日本では一般的におひたしや和え物で用いられる「のらぼう菜」も、深田さんはフライパンで焼き付けることで濃厚な味と香りを引き出す。素材ごとの調理法は、これまで培った経験とインスピレーションによって決める。日によって変わるおまかせコースのメニュー名が素材名のみというところにも、深田さんのポリシーが垣間見える。
自身について「器用なタイプではない」と評する深田さん。しかしそれゆえ料理への探求心は人一倍で、独立した現在もあらゆる素材の美味しさを求め続けている。日本の食材とバスク料理のエッセンスが融合した料理の数々を、存分に堪能したい。
RESTAURANT INFO店舗情報
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sardexka
(さるですか/入谷)住所: 東京都台東区下谷1-6-7 竹内マンション1F
▶︎MAP電話番号: 080-9884-2732 (ショートメール専用) 営業時間: 18:00~23:00 休業日: 木曜日(ほか不定休あり) 料理: 野菜と魚と肉のコース 15,000円(税・サ込)ほか