anneau｜神保町

2023年7月、神保町に完成したシェア型複合施設「REDO JIMBOCHO」。1階では、10席のみのカウンターレストランを若手シェフに最長2年という期間限定で提供し、独立を支援する『10 COUNTER』というプロジェクトが進行中だ。その栄えある1店目に選ばれたのがフレンチレストラン「anneau」だ。

オーナーの早川歌輪さんは、大阪・天満のカジュアルビストロ「ONZORO.（オンゾロ） 」で7年間経験を積み、副料理長にまで上り詰めた実力派だ。

「スキルアップのため東京のレストランで経験を積んでいた矢先、プロジェクトのプロデューサーである船岡勇太シェフのインスタグラムで告知を目にしました。独立を考え始めていたこともあり、即座に立候補のメッセージをお送りしたんです」

その行動力も含め、約30人の候補者の中でも早川さんの熱意が勝り、チャンスを勝ち取った。

店名の「anneau」はフランス語で「輪」を意味する。

「仕事を通じてこれまで関わってきた方々と一つの輪を作ってお店を作り上げていきたいという思いから、私の名前にもある『輪』の文字を取りました。野菜などはできる限り知り合いの農家から仕入れており、今後はお肉などほかの素材にも広げていきたいです」

早川さんが料理において大切にしているのは「軽さ」だ。

「フレンチはどうしても重たいイメージがありますが、私自身その重たい感じが苦手で。バターやクリームを使いすぎず、お野菜本来の甘みなどが伝わるようにしています」
　
2年という限られた期間のなかで、「独立に向けて邁進したい」と述べる早川さん。さらなる『輪』を広げるべく、新たな試みにも意欲的だ。

「パンとワインをイートインしていただける『パンの日』を開催したりお店でマルシェを企画したりと、コースでのお食事以外にも気軽に足を運んでいただける機会を作っています。さまざまな試みを通じて、お客様との繋がりをより深いものにしていきたいです」