精進料理の伝統を礎に新たな可能性を拓く
神楽坂の天ぷら店「天孝」の新井 均さんからバトンを受け継いだのは、 六本木の精進料理店「shojin 宗胡」。動物性食材を使わず、 野菜や豆の旨みを引き出す精進料理。伝統を重んじながらも、その枠に とらわれない野村さんの発想で、精進料理の新たな魅力を伝えていく。
Photographs_MASAMI OHIRA.
精進料理の先駆者として新しい可能性を切り拓く野村さん。15年以上の親交があり、お人柄の素晴らしさも魅力です。
「天孝」|新井 均さんより
Profile
野村大輔さん
東京都生まれ。実家の精進料理店で研磨を積んだ末、料理長に就任。その後、精進料理の魅力をより身近に、そして新感覚で楽しんでもらうことをコンセプトに、六本木に「shojin 宗胡」をオープン。新店舗のオープンも予定しており、精進料理の魅力を伝えるため、国内外に向けて精進料理と日本文化の発信を行っている。
世界的に植物性食材志向が高まっているが、日本には古くから〝動物性を使わない料理文化〞が存在していた。それが精進料理である。野菜や穀物を中心に、五味五色五法で心身を調えるこの食文化は、700年以上にわたり受け継がれてきた。
「本来の精進料理は修行僧が心身を清めるために食べる料理です。そのため味気ないとか、質素とか美味しくないというイメージを持っている方も多いので、ぜひ一度召し上がっていただけると嬉しいですね」
そう話すのは六本木にある精進料理店「shojin 宗胡」の店主・野村大輔さん。精進料理の名店を営む両親のもとで研鑽を積み、2015年に独立した。
「若い方や海外の方に、日本には精進料理という誇るべき食文化があることを知ってほしい。そのために、より多くの人に楽しく味わっていただける方法を日々模索しています」
同店のコースは、これまで精進料理の常識では使用されなかった食材を使用した、革新的な料理が楽しめる。
「精進料理には食材が持つイメージのせいか、これまで使われてこなかった食材も多くあります。例えばトリュフ。キノコ類でありながら精進料理ではほとんど使われてきませんでした。そういった新しい精進料理の提案をするのも当店の特徴です。ただ、すべてを新しくすると召し上がる方も疲れてしまうため、ほっとする王道の味も織り交ぜています」
海外でのイベントや講演などでも精進料理を発信してきた野村さん。だがコロナ禍を経て、その視線は外ではなく、足元へと向いたという。
「コロナ禍で海外の仕事が止まり、国内での活動に専念することになって。そこで改めて『日本はこんなに豊かで恵まれていたんだな』と実感したんです。それからは日本の素晴らしさをもっと広めたいという思いで仕事をしています」
2026年5月に淡路島での新店舗オープンをはじめ、他地域での展開も計画中とのこと。精進料理の概念を覆す、野村さんの次の一手が楽しみだ。
RESTAURANT INFO店舗情報
Shojin 宗胡
しょうじん そうご/六本木
| 電話番号: | 03-5414-1133 |
|---|---|
| 交通: | 六本木駅3番出口より徒歩1分 |
| 住所: | 東京都港区六本木6-1-8 六本木グリーンビル 3F ▶︎MAP |
| 営業時間: | 11:30~15:00、17:30~23:00 |
| 休業日: | 日・祝日 |
◎ランチ1,980円~(税込)、ディナー13,200円〜(税込・サ別)コースのみサービス料10%