当社スタッフの平均年齢は26歳です。得意なSNSで知名度を高め、様々な企業様や自治体様から提携のお話をいただけるようになりました。自治体管理のヘリ発着場の活用や、ヘリやプライベートジェットを使ったツアーの企画なども手掛けられるようになりました。若いことが壁になることも少なからずありますが、それも若さで乗り切ってみせます。

日本を立て直すのは僕ら20代・30代。
ヘリコプター業界は参入障壁も多いけれど、きっと出来るはず。

ヘリポートの開発管理会社日本一を目指す、株式会社アリラの松本陽太さん。
既存の価値観や常識にとらわれず、若さと好奇心を武器にビジネスを展開。
空飛ぶ車社会の実現に向け、青空を颯爽と翔ぶヘリコプターのように突き進んでいる。

Text_YUKI KATORI.
Photographs_HISHO HAMAGAMI.

PROFILE

松本陽太（まつもとようた）

1995年兵庫県出身。関西外国語大学卒業後株式会社ジーユーに入社。その後福岡で起業するも断念。地元神戸の企業に勤めながら副業で始めたアフィリエイトで1億円を稼ぎ、それを資金に株式会社アリラを立ち上げる。空撮映像制作事業のほか、ヘリポート離発着場の開発・管理運営、ヘリコプター・プライベートジェットを使った旅行の企画や遊覧飛行の手配など、事業の幅を広げている。

飛行機好きだった少年時代
夢を追い続ける難しさ

若干30歳にしてヘリコプター業界では知らない人はいない風雲児。株式会社アリラを来たるべき〝空飛ぶ車社会〟のインフラ企業とすべく邁進する経営者……と聞くと、生粋のエリートのように思えるが、今に至る道には紆余曲折があった。

「子供の頃から飛行機が大好きで、CAになるのが夢だったのですが、男性には狭き門で募集がほとんど無くて。ならば、『経営者になってファーストクラスに乗る！』と目標を切り替えて、『経営者求む』というコピーで求人を行っていたファーストリテイリンググループのGUに入社しました。副店長まで務めたんですが、経営者になれそうな気配がしないなぁと感じ始めていた時に転勤の辞令が出まして、『自分の住む場所くらい自分で決めるわ！』って思って辞めちゃいました」

その後、九州で民泊などのビジネスに挑戦。しかし軌道に乗り始めた矢先に熊本地震が発生し継続を断念。地元神戸に戻り、知人のリフォーム会社で経理に従事する。

「当時好きだった女の子がいて、告白したら『あんた給料少ないから嫌や』と。これは何としても稼がなあかんということで、アフィリエイトの副業を始めたんです。深夜2時に寝て、朝5時に起きる毎日でした」

1億円稼いでも感じた虚しさ
社会貢献出来る仕事は楽しい

そのアフィリエイトで成功を収め、松本さんは25歳という若さでおよそ1億円を手にする。

「最初はうれしくて派手にお金使いましたね。でも、すぐに虚しくなってきて。もっとやりたいことを追求すべきかなと思って、残ったお金でヘリコプターを買いました」

そして、2019年に空撮などの映像制作を主たる事業とした株式会社アリラを設立。その後「空飛ぶ車社会の実現に向けて、離発着場の開発管理会社日本一を目指す」と、ダイナミックに事業を拡大する。

「ヘリコプターは離発着場が少なくて、行きたいところに行けません。映像制作を通してそんな現実に直面したことで、もっとヘリポートを増やさないと、空飛ぶ車の時代は実現できないなと感じたんです。日本で民間機が離発着できる場所は空港を除いてわずか100程度です。これを1000まで増やす計画です。またSKYETC®というシステムを開発して特許を取得しました。これをヘリコプターに搭載すると、発着から駐機時間までをデジタル管理できて、着陸料や駐機料のオンライン決済までできるようになります」

飛ぶ鳥を落とす勢いでビジネスに邁進する松本さん。その原動力は、意外にも日本への熱い想いだ。

「稼ぐだけならアフィリエイトの方が全然簡単だけど、実態がないし社会に対しての貢献度が薄い。その点、ヘリコプター事業は儲けは少ないけれど外国のお客様から外貨を獲得できるし、離発着場を作ることで地域の活性化に貢献できる。やっぱり社会に貢献できる仕事は楽しいですよ。今後はもっと会社を大きく育てて、日本の観光経済を躍進させる一つのキーになれたらと思っています」