text_SAYAKA NAGASHIMA.
翡翠のように、深海のように季節の光を映す清流。
大地が息をひそめる冬、その青はいっそう深みを増す。
大地が息をひそめる冬、その青はいっそう深みを増す。
冬の静けさに冴える、神秘の清流
この季節だけの特別な青に心を浸す
川といえば夏のイメージだが、冬にこそ美しさを増す川がある。高知県中西部を流れる仁淀川だ。愛媛県石鎚山系に源を発し、高知県内の六市町村を流域とするこの川は、国の水質調査で幾度も「水質が最も良好な河川」と評されてきた。流域の約九割が森林に覆われていることに加え、硬い岩石が多いことが濁りの少ない流れを育む。
この清流がひときわ澄み渡るのが冬だ。その独特で神秘的な青は、地元の人々から「仁淀ブルー」と呼ばれ愛されている。写真の「にこ淵」をはじめ、「安居渓谷」「中津渓谷」を中心に、上流から下流まで場所ごとに異なる表情を楽しめる。
静寂が水の透明感をいっそう際立たせるこの季節。特別な青を求めて山里を訪ねてみるのも、一味違う楽しみ方だ。
冬は雨量が減り、水温の低下で藻が繁殖しにくくなるため、高い透明度が保たれやすい。その澄んだ水面に陽光が差し込むことで「仁淀ブルー」の美しさがいっそう際立つ。
仁淀川の支流、安居川沿いに広がる「安居渓谷」。中でも「水晶淵」は、仁淀ブルーを象徴する代表的なスポット。
にこ淵
-
場所： 吾川郡いの町清水上分2976-11 交通： 伊野ICから約60分 お問合せはいの町観光協会（088-893-1211）まで
仁淀川の観光情報は、
