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開化堂/銅茶筒

精緻な手仕事の粋、歳月とともに育てる茶筒

Photographs_HIDE NOGATA.
Texts_SAYAKA NAGASHIMA.

日常の中で使う道具が、職人の技で用と美を備えた工芸品へと昇華する。京都・開化堂の茶筒は、それを体現する品だ。

開化堂は、明治8年(1875年)に京都で創業した老舗の製罐メーカーだ。英国から輸入したブリキを用い、日本で初めて金属製の茶筒作りを始めたとされる。以降150年にわたり、職人の手仕事を受け継いできた。元は卸売を専門としていたが、2000年代には、一般の顧客も購入できる形態へと移行した。

この茶筒は創業以来の製法により、130余りの工程を経て完成へと至る。職人は蓋と本体のかみ合わせを丹念に確かめ、指先の感覚を頼りに、わずかなゆがみまで整えていく。その仕上がりは驚くほど精緻だ。筒との継ぎ目を合わせてそっと蓋を載せると自重で沈み、ぴたりと閉じる。寸分のずれも許さない手仕事の妙だ。

端正な造形にも、静かな美が宿る。無駄な装飾を排した形だからこそ、金属そのものが放つ張りと、まろやかな稜線が際立つ。塗装を施さない無垢の素材を用いるため、使い込むほどに手擦れによって風合いが変化していくのも特徴だ。

とりわけ今回紹介する銅製の茶筒は、触れるほどに素材特有の光沢を帯び、深い飴色へと変わっていく。万一へこみや不具合が生じても修理を依頼できるため、手入れをしながら世代を超えて使い継ぐことも可能だ。日常の中で、世界に一つだけの道具を育てる愉しみも味わえる逸品だ。

  • 茶筒のサイズによって、中蓋の形状も異なる。平型200gは筒の口を塞ぐ「口止」タイプ(左)。長型400gは茶葉の量に応じて自然に沈み込む「押込」タイプ

    茶筒のサイズによって、中蓋の形状も異なる。平型200gは筒の口を塞ぐ「口止」タイプ(左)。長型400gは茶葉の量に応じて自然に沈み込む「押込」タイプ(右)。

  • 蓋と本体に見える縦の線は、それぞれの継ぎ目。この位置を合わせて蓋を載せると、蓋は自重で静かに閉まる。長きにわたり受け継がれた職人技の証だ。

    蓋と本体に見える縦の線は、それぞれの継ぎ目。この位置を合わせて蓋を載せると、蓋は自重で静かに閉まる。長きにわたり受け継がれた職人技の証だ。

開化堂/銅茶筒
(左)平型200g ¥25,300(税込)
(右)長型400g ¥29,150(税込)
開化堂
TEL:075-351-5788
※記事は公開日(2026年8月4日)当時の内容です。詳細はお問い合わせください。

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