ヘリコプターで行く 創業150年・伊豆の名宿
「おちあいろう」への旅

この玄関のある本館を含めた7棟が国の登録有形文化財となっている。入口に掲げられている暖簾は、自然と調和するように季節ごとに色を変えるのだそう。

伝統と革新の融合 建築美に感動する名宿

長い時を重ねてきた老舗旅館には、日本の古き良き伝統と美しさが息づいている。豊かな自然と調和した日本建築や、季節の旬を楽しむ伝統料理、そしてホスピタリティに溢れたおもてなしなど、「一度は泊まってみたい」そう思わせる魅力がある。　そんな旅館のひとつが静岡県伊豆市にある名宿「おちあいろう」だ。修善寺駅から車で約20分、花々や緑、紅葉など四季折々に姿を変える豊かな自然に囲まれた天城湯ヶ島温泉郷に位置しており、日常の喧騒を忘れて過ごすのにぴったりの宿だ。

創業は1874年（明治７年）。江戸時代末期の旧幕臣・山岡鉄舟により、伊豆半島を流れる本谷川と猫越川が合流する（落ち合う）狩野川のほとりに佇むことから「落合楼（現：おちあいろう）」と名付けられ、島崎藤村や川端康成、北原白秋など、数多くの文人墨客にも愛されてきた。建物は黒柿や紫檀等の銘木奇木を用いた本館と、趣のある数寄屋造りの眠雲亭からなり、そのほとんどが国の登録有形文化財となっている。滞在時にその建築美に触れられるのもこの宿ならではの楽しみのひとつだ。贅を尽くした装飾や、職人らによる精密な細工などが館内の随所で見られ、その優雅さに思わずため息がこぼれてしまうほど。より詳しい歴史やエピソードが知りたい方は、毎日開催されている「文化財ツアー」への参加がおすすめだ。推定2000年の紫檀の木を腐食防止の「腐れ彫り」で装飾した大広間の床柱や、建てられた当時のまま残る手吹きガラスなど、当時、最高峰と謳われた職人技術のすばらしさを間近で感じられる貴重な機会となるので、ぜひ体験してみてほしい。

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  文化財ツアーでは、台湾から運ばれた推定樹齢2000年の“紫檀”の木を使用した「紫檀の間」のほか、今では入手困難な素材を使用した廊下や階段を巡る。

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  昼と夜で雰囲気が異なる廊下。組子細工を施した窓枠や、模様が美しい「結霜ガラス」などが見られる。

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  屋久杉が使用された階段の天井。狭くて急な階段が多かった当時には珍しく、空間にゆとりがある。

欄間や組子障子など、それぞれ意匠が異なる客室は全14室。重厚な歴史を感じる和の空間が広がる一方で、バスルームや洗面台などの水回りは2019年のリニューアルにより、全てモダンな造りに一新されているため、快適に過ごせるのがうれしい。美しい庭や川を臨むことができる窓辺の広縁に座り、なにも考えずにしばしボーっと佇む時間を過ごす。聞こえてくるのは風の音と川のせせらぎ、鳥の声だけ……。そんな贅沢な時間が日ごろの疲れやストレスをリセットしてくれることだろう。

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  美しい深緑が広がる「松風」の部屋。源泉かけ流しの内湯、ベッドのついた和洋室タイプで、静寂に包まれた空間が心地良い。

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  ノスタルジックな雰囲気の読書室の本棚には、宿にゆかりのある文豪の蔵書や、昔懐かしいおもちゃが並ぶ。ほかにもラウンジや娯楽室なども完備されている。

天城湯ヶ島の3つの温泉浴場と 個性溢れるサウナでととのう

厳選ホテルを紹介するサイト「Relux」にて、2023年 年間ランキング「露天風呂付き客室のある旅館」としてTOP 10入りをした「おちあいろう」。最近では、歴史ある建築美やホスピタリティだけでなく、趣向を凝らした温浴施設も人気だ。

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  かつて天狗が浸かりに来たという伝説に由来する露天風呂「天狗の湯」。すぐ隣の洞露風呂とは一部つながっているため移動が可能。

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  貸し切り専用にもかかわらず、贅沢な広さがとられた「星の湯」。

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  洗練された内装の「月の湯」。広々とした檜の湯船でのんびり過ごしたい。

施設内には趣の異なる3種類の温泉浴場に加え、旅館には珍しい3つのサウナを備えている。露天風呂と洞窟風呂が楽しめる「天狗の湯」には檜の香りに包まれながらロウリュが楽しめる「天狗サウナ」。木漏れ日がさす内風呂「月の湯」には、遊び心のある「茶室サウナ」があり、２つのサウナは全国5000施設から「今行くべきサウナ10選」の一つとして「サウナシュラン」にランクインし、大きな話題を呼んだ。それ以外にも、渓流の音に癒される貸し切り露天風呂「星の湯」や、１日１組限定の「プライベートテントサウナ」も完備。特にテントサウナでは、水風呂変わりに川へ入り〝ととのう〟ことも可能なのだとか。大自然の中、人目を気にせず過ごせるサウナは、これからの季節にもぴったりだ。 湯上り後はラウンジで一息を。好きなドリンクを飲みながら、大切な人とのかけがえのない時間を楽しむのも興趣だ。

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  プロサウナー・松尾 大氏が監修した「茶室サウナ」。茶道もサウナも自己に向き合う感覚が似ている。

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  狩野川のすぐ目の前で楽しめる「プライベートテントサウナ」。

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  温泉が流れ込む造りの「天狗サウナ」。ロウリュには温泉水が使われる。

伊豆の四季が詰まった 新鮮な旬の味覚に舌鼓

「おちあいろう」が位置する伊豆は、豊かな海と山の幸の宝庫。金目鯛や鮎、静岡産牛、鹿などの狩猟肉、山菜、きのこなど、豊富な食材が揃うため、素材本来の旨味を活かした調理にもこだわっている。五感で味わえるようにとオープンキッチンで丁寧に調理し、出来立てを提供するスタイルで、味や見た目だけでなく香りまで美味しくいただくことができるのがうれしい。食事処は個室または半個室で、人目を気にすることなく楽しめ、大切な人との会話も自然と弾むだろう。 「おちあいろう」では、滞在中の食事はもちろん、部屋やラウンジで提供されるドリンク、アクティビティなど全てがオールインクルーシブ。追加料金を気にせず贅沢に過ごせるのも魅力となっている。 この夏は、避暑を求めて伊豆「おちあいろう」へ出かけてみてはいかがだろうか。

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  夕食は鹿ロース胡麻だれや、金目鯛 鱗焼き、静岡産牛フィレ 炭火焼きなど全9品。地産地消にこだわった食材で作る料理はどれも滋味深い。

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  爽やかな朝の朝食は、旬野菜のお浸しや金目の干物、修善寺老舗豆腐やのがんもどきなど、優しい和食が中心。※メニューは食材の仕入れ状況により変更の可能性あり

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  シックで広々とした個室の御食事処。一つひとつのメニューが最も美味しく味わえる絶妙なタイミングで提供してくれるので、ぜひじっくりと味わいたい。

AFFLUENTから優先予約可能

ヘリコプターで行く 創業150年・伊豆の名宿 「おちあいろう」への旅

1,100,000円～（税込）／2名様

※ヘリコプター往復のチャーター代、宿泊料金（一泊二食付き） ※送迎タクシーは別途手配となります