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東京グルメバトン VOL.116

赤坂 維新號 本店|赤坂見附

時代の移ろいを超えて 正統な上海料理を貫く

「銀座 みかわや」の渡仲晋平さんからバトンを受け継いだのは、赤坂の中国料理店「赤坂 維新號 本店」の鄭 彬さん。老舗の4代目として上海料理の伝統を守りながら、時代に応じた革新も重ね、歩みを次代へとつないでいく。

Text_SAYAKA NAGASHIMA. Photographs_MASAMI OHIRA.

銀座に勤めて右も左も分からない頃から、お客さまに対する姿勢や心構えを教えていただきました。今の私を支える大切な先輩です。
銀座 みかわや|渡仲晋平さんより

Profile

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鄭 彬(てい あきら)さん

1978年生まれ。「維新號」の4代目として育つも、高校卒業後はアメリカの大学へ留学し、卒業後は現地のホテルに勤務。帰国後は飲食業の会社で社員としてホール・調理場を経験し、その後札幌のリゾート開発関係の会社に転職。29歳で株式会社赤坂維新號 に入社し、現在は代表取締役社長としてグループを率いる。

創業百二十余年を数える中国料理の老舗「維新號」。その流れをくむ「赤坂 維新號 本店」は、今でこそ高級店として知られるが、店名の「號」は中国で雑貨店の屋号に使われる字であり、その出自を物語る。

「始まりは戦前の神田神保町で、中国食材や雑貨を扱いながら、留学生たちに簡単な食事を供する小さな店でした。『維新』の名には、日本の近代化に学び、自国の新生を願った中国人留学生たちの思いが込められていると伝えられています」

そう語るのは4代目社長の鄭 彬さん。家業を見て育つも、「他の世界を見てみたい」という思いから大学卒業後は家業とは異なる世界に身を置いた。30歳を目前に父から将来の道を問われ、恩返しの思いも込めて維新號を継ぐ決意を固めた。

現在、維新號グループは百貨店を含め13店舗展開するが、「維新號」3店舗の名物は時代背景によって異なる。戦後、銀座店が中華饅頭で人気を博し、庶民的な雰囲気を大切にしてきた一方、赤坂店では伝統的な上海料理を貫き、フカヒレの姿煮で知られる。

「上海料理は濃厚な白湯スープと醤油を使った煮込み料理が多いため、白湯スープの味が店の特徴になります。当店では1Lの原液に10kgの鶏ガラを使い、冷めると逆さにしても落ちてこないほど濃厚です」
一方で、伝統を守るだけではなく、別ブランドで百貨店にも進出するなど、時代のニーズに応じた新しい試みも重ねてきた。

「昔と今とでは食材の流通状況も大きく異なります。新たな食材を伝統的な上海料理とどう融合するかは日々考えていますね。一方で、当店のような老舗店には、中国、とりわけ上海料理の伝統を日本に伝える役割がある。そこはブレてはいけないところだと考えています」

守るべき本質を見失わず、時代に応じた革新もためらわない。その姿勢は『維新』の名にふさわしく、老舗の歴史を未来につないでいる。

鄭 彬(てい あきら)さん

RESTAURANT INFO店舗情報

  • 赤坂 維新號 本店
  • 赤坂 維新號 本店
    (あかさか いしんごう ほんてん/赤坂見附)

    電話番号: 03-3261-2213
    交通: 東京メトロ赤坂見附駅より徒歩5分
    住所: 東京都千代田区紀尾井町1-11
    ▶︎MAP
    営業時間: 11:30~L.O.15:00、16:45~L.O.21:45
    ※土曜日、日・祝日の夜は15:00~L.O.20:45
    休業日: 12/31、1/1

    ※サービス料10%

 

※2026年6月2日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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