軽量でコンパクト、A4サイズに畳める手軽な焚き火台
Photographs_HIDE NAGATA.
アウトドア人気は依然として高止まりしているが、最近では「焚火」そのものが独立したブームになっている。火を前に無心になることでリラックス効果が得られたり、自分と向き合う時間が作れたりと、さまざまなメリットも紹介されている。そこで、今回は軽量コンパクトながら堅牢、更に見た目も美しく、キャンパーにも絶大な人気を誇るSTC(スノートレッカーカンパニー)社の「ピコグリル」を紹介したい。
STC社は1983年にスイスで創業したアウトドア用品メーカー。自然をこよなく愛するブルーノ・ワンゼンリード氏によって創設され、スキーやバックカントリー製品、アウトドア用品の開発と製造を行ってきた。そんなブルーノ氏が着想した「ピコグリル」は、持ち運びやすさを第一に考えた焚火台で、2枚のステンレスプレートを組み合わせてフレームに固定する独自のデザインが特徴だ。重量は専用袋込みで450gと驚きの軽さで、使用時以外はフラットにA4サイズにまで折り畳みできるため、バックパックはもちろん、サイクリング、バイクツーリングなどさまざまなシーンでの活躍が期待できる。
プレートの中央部分がV字構造のため空気が通りやすく、ビギナーでも薪に簡単に着火でき十分な火力が得られる点もポイントだ。他の同等重量の焚火台と比べて長い薪をくべられるため、火を絶やさないよう薪の追加に追われることがない。薪や枯れ木、落ち葉のほか炭も使用できるなど汎用性が高く、付属の専用スピット(串)を横渡しして鍋を置いて煮炊きしたり、スピットに食材を刺して串焼きしたり、好みのサイズの焼き網を置いて直火調理をしたりと、アイデア次第で自在なセッティングが可能だ。ソロのほか2~3名での利用にも向いている。
機能性と信頼性を兼備し、その完成度の高さから模造品も出回るのほどの人気を誇るこの「ピコグリル」。本格派のキャンパーはもちろん、これから焚火デビューするライトユーザーにもおすすめの、所有欲を満たしてくれる逸品だ。