BARNEYS NEW YORK／MADISON GOLD

内なる成熟を映す、端正な紳士の装い

Texts_SAYAKA NAGASHIMA. Photographs_HIDE NOGATA.

かつては「社会の制服」として袖を通していたスーツも、年齢を重ねるにつれ、その意味合いは変わっていく。成熟した男にとってのスーツは、自身の品格や経験を静かに物語る存在。BARNEYS NEW YORK（バーニーズ　ニューヨーク）の「MADISON GOLD」は、まさにそんな一着だ。

BARNEYS NEW YORKは、1923年にバーニー・プレスマンがニューヨーク・マンハッタンで創業。創業時は上質な紳士服を手頃な価格で提供するディスカウントショップだったが、1960年代後半に息子のフレッド・プレスマンが高級志向へと転換。以来、世界の洗練を知る人々に支持されるスペシャリティストアとしての地位を確立している。

その審美眼は、選び抜かれたインポートブランドだけでなく、オリジナルコレクションにも息づく。「MADISON GOLD」は、その中でも最高峰に位置づけられるスーツラインだ。国内屈指のファクトリーで仕立てられ、型紙には長年の経験が凝縮されている。

欧米体型を基準とした設計が主流のなか、「MADISON GOLD」では、首に自然に沿う襟や前肩補正など、日本人の体型を美しく引き立てる工夫が随所に施されている。シーズンごとに異なる生地で展開しており、今季は、狩猟や軍用のコートに使われてきた英国伝統の織物を、伊CANONICO社が現代的に再構築した「COVERT」を採用。美しさと耐久性を両立している。

着る者の身体に寄り添い、その内面の美意識までも映し出す。着心地、仕立て、佇まい。すべてにおいて信頼に足る一着だ。

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  「いせ込み」による立体縫製で、日本人の体型に沿う美しい肩周りを実現。

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  高密度の綾織りが生む、程よい厚みと控えめな艶が特徴。ネイビー、グレー、ブラウンの3色展開。