手作業だからこそ、同じものはひとつとして生まれない。
江戸時代の技術を守る工房で、美しい工芸品に出会う。
江戸時代の技術を守る工房で、美しい工芸品に出会う。
江戸末期から受け継がれる手仕事の技が、
なめらかな曲線と鮮やかな色合いを生む
1852年、佐賀藩に設置された「精煉方」(今で言う理科学研究所)のガラス窯で、フラスコやビーカーが作られたのが始まりといわれる、肥前びーどろ。最大の特徴は、「肥前かんびん」など注ぎ口のある製品に用いられる「ジャッパン吹き」を受け継いでいることだ。型を用いず成形する宙吹きの技法のひとつで、一般的な鉄の吹き竿ではなく、焼き戻しできないガラスの友竿2本を巧みに操り、注ぎ口を付ける。その難しさゆえに習得まで10年はかかると言われ、現在この技法が残るのは肥前びーどろ唯一の製造元・副島硝子工業だけだ。この幻の技法によってガラスが空気以外に触れないからこそ、肥前びーどろのなめらかで美しい肌合いが生まれる。江戸時代から変わらぬ“美しさ”に出会える貴重な逸品だ。
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副島硝子工業株式会社
住所: 佐賀県佐賀市道祖元町106 交通: 佐賀駅より車で15分 電話番号: 0952-24-4211(9:00~18:00) 休業日: 第2・4土曜日、日・祝日 URL: https://www.hizen-vidro.co.jp/