京都の長い歴史が育んだ世界に誇る伝統工芸品。
見る者の美意識に訴えかける見事な染めの技法を知る。
見る者の美意識に訴えかける見事な染めの技法を知る。
豊かな色彩と独特の文様に職人技が光る「染めの総合芸術」
日本の三大友禅のひとつ「京友禅」。図案の制作から仕上げに至るまで20以上もの工程を専門の職人が分業で制作するため「染めの総合美術」とも呼ばれる。京友禅を確立したのは江戸時代に京都で活躍した扇絵師・宮崎友禅斎とされ、京友禅が世に広まったきっかけは、江戸時代に度々幕府から発せられた、贅沢を禁止する「奢侈(しゃし)禁止令」にルーツがあるという。総鹿の子絞りなど豪華な着物の着用が禁止された時代に、禁止令に触れない方法で華やかさを表現したことで、人々の心を掴んだとされている。
最近では着物以外にも風呂敷や手ぬぐい、革小物などにも京友禅独特の柄が用いられるなど、新たな動きも見られる。京都の歴史とともに育まれた職人技に、ぜひ触れてみてほしい。
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京都伝統産業ミュージアム
住所: 京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 京都市勧業館みやこめっせ地下1階 交通: 地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約10分 電話番号: 075-762-2670(9:30~17:30) URL: https://kmtc.jp