TOP TREND EYE 【投資のはなし】第3回:資産価格が大きく下がった時の合理的な行動とは

【投資のはなし】第3回:資産価格が大きく下がった時の合理的な行動とは

2024年からの新しいNISA(少額投資非課税制度)をきっかけに、資産運用に取り組む方が増えています。一方で、値動きのある資産に投資をし、それが目減りしていくと、大きな不安も感じるものです。そのような状況下ではどのように行動するのが合理的なのか、説明します

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一時的な下落は安く買う好機にも

金融市場の変動は突然やってきます。大きく株価が下落すると、せっかく積み上げた利益が大きく減ってしまったり、場合によってはマイナスに転じたりすることもあるでしょう。ひとたび市況が悪化すると、しばらくは不安定な値動きが続くこともあります。

リターンがマイナスになると、精神的にも大きなストレスが掛かります。耐え切れなくなり、「いったん運用をやめよう」と考える方もいるかもしれません。

そのような運用環境に直面した場合、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか。結論からお伝えすると、長期の視点で資産運用に取り組む上では、淡々と投資を続けることをおすすめします。

資産運用の王道は、10年以上の長い時間をかけて(長期)、同じ間隔でお金を投じて(積立)、世界中の様々な資産に投資する(分散)「長期・積立・分散」の投資です。この「長期・積立・分散」の資産運用は、短期的なマイナスのリターンを受け入れながら、10年、20年という時間軸で大きなプラスのリターンを狙うものです。

このような運用手法にとって、一時的な相場の下落は悪い面ばかりではありません。むしろ、安く買い付ける好機と捉えることもできます。

わかりやすい例を挙げましょう。100年に一度の危機とされたリーマンショック直前の2008年1月末に積立投資を始めたケースを見てみます。

最悪の投資タイミングだと思った方は多いでしょう。実際、株価が元の水準に戻るまで3年かかりました。

S&P500指数の推移
※2008年1月末を100

一時的な下落は安く買う好機にも

(注)米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(配当込)が2008年1月末に100だったと仮定した場合、2011年1月末にほぼ同じ水準の99.8に回復するまでの推移

しかし、相場低迷時にも毎月500ドルの積立投資を続けたとすると、株価が同水準に回復した時点で23.5%のプラスのリターンとなる結果となりました。

同じ期間の積立投資のパフォーマンス
※毎月末に500ドル投資

同じ期間の積立投資のパフォーマンス

(注)S&P500指数(配当込)に対して、2008年1月末から2011年1月末まで毎月500ドルを積立投資した場合の、投資額累計と評価額の推移。折れ線が縦棒より上にあればリターンがプラス、下にあればマイナス

長い目で資産運用を続けるのであれば、一時的な相場の下落を過度に悲観する必要はないということが分かります。

経済成長により株価は長期的に上昇

もう一つ、過去のデータを見てみましょう。世界の資産は、金融危機などによって大きく下がる局面があっても、その度に回復し、長期的には上昇を続けてきた、という事実です。

「長期・積立・分散」の運用を続けた場合のシミュレーションにおいても、一時的にリターンが減ることはあっても、30年間の長期で見ると資産は約3.3倍に成長しました。

ウェルスナビで30年間運用した場合のシミュレーション

ウェルスナビで30年間運用した場合のシミュレーション

その背景には、世界経済が長期的には成長を続けていることがあります。経済が成長するためのカギとなる人口は増え続け、技術革新も加速しています。今後も、世界経済は様々な困難を乗り越えながら成長することが期待されます。

まとめ

資産が目減りすれば、誰でも不安になります。しかし、そこで運用をやめてしまっては、将来の大きなリターンをみすみす逃すことにもなりかねません。

相場急落時には、パニックに陥り、感情に流された行動を取ってしまう可能性があります。どのように対応することが合理的なのかを事前に想定しておき、冷静に乗り切りましょう。

※ シミュレーションの前提条件は以下の通りです。

  • 1992年1月末に100万円で運用開始し、翌月から2022年1月まで毎月末に3万円ずつ積立投資
  • 2017年4月時点のWealthNaviのリスク許容度3の推奨ポートフォリオ(米国株30.6%、日欧株21.5%、新興国株5.0%、米国債券29.1%、金8.8%、不動産5.0%)で毎月末にリバランスした想定で試算
  • 年率1%(税込1.1%、ただし消費税率は時期により適用される税率を適用)の手数料控除後
  • 分配金や譲渡益にかかる税金は考慮せず
  • ETFの分配金は権利落ち日に再投資
  • ETF設定前の期間は、当該資産クラスに対応するインデックス等のデータを利用、ただしETF経費率を控除 (米国株:Wilshire 5000、日欧株:MSCI EAFE Index、新興国株:MSCI Emerging Markets Index、米国債券:Bloomberg Barclays US Aggregate Bond Index、金:LBMA Gold Price、不動産:Dow Jones U.S. Real Estate Index)
  • Refinitivのデータに基づきWealthNaviにて作成

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※2024年7月31日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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