試食ができないのが焼鳥。経験だけを頼りにベストタイミングを待つ
「Restaurant OKADA」の岡田宏さんからバトンを受け継いだのは遠方から足を運ぶ客も多い人気店「焼鳥うの」の宇野誠一さん。“毎日が炭との格闘”と語る、同店の焼鳥の極意とは。
Photographs_KIYOSHI TSUZUKI
Profile
宇野 誠一
会社勤めを辞め、「焼鳥が好き」という理由から焼鳥店の店員に。勉強のためにと焼鳥を食べ歩く中で、目黒の「焼鳥 笹や」と出会い、自分から売り込み、入店。「街に行かなくても家の近所においしい焼鳥屋がある」という自身の理想から住宅街にこだわり、2011年6月、奥沢に「焼鳥うの」をオープン。
目黒線・奥沢駅からほど近い住宅街の地下にある「焼鳥うの」。絶妙な焼き具合が「ほかでは食べたことがないおいしさ。一度食べたらまた行きたくなる」と、地元はもちろん、遠方から足を運ぶ常連客も多い人気店だ。
「最初から最後まで自分でできる仕事がしたくて会社勤めを辞め、焼鳥店の店員になったのが始まり」というオーナーの宇野誠一さん。焼鳥店で働くうちに「鶏一羽を自分でさばき、変わった部位を焼いて食べてみたくなった」、また「同じ食材、同じ炭でも、焼く人によって味が違うのが面白い」と、焼鳥店を食べ歩く中で出会ったのが、目黒の「焼鳥 笹や」だ。「店を訪れた翌日には、雇ってほしい!と電話をかけていました。募集はしていないと言われても粘って採用してもらいました」と話す。笹やでは「繊細に串を打って、焼いて、食べてを繰り返して、焼きながらベストなタイミングを待つことを教わりました」。
そして、2011年6月に「焼鳥うの」をオープン。鶏肉は福島の伊達鶏、炭は紀州の備長炭を使用。食材の保存方法にもこだわる。「焼鳥は肉の切り方、火の入れ方で味が変わる。もっとおいしくしたいと思ったら、とことん掘り下げていくしかない」。そんな宇野さんでも、「今でも炭の前に立つとドキドキする」と言う。炭の組み方、使い方、火の入れ方、肉との距離など、毎日違う相手と格闘しているようなものだそう。「焼鳥は試食ができないからこそ、自分の経験だけが頼り」と気迫がみなぎる。
15席のカウンターは、一人で焼きながらお客様全員に気を配れる規模。このカウンターで、宇野さんが焼く焼鳥を堪能してほしい。
RESTAURANT INFO 店舗情報
店長の宇野誠一さん(左)とスタッフの堀直治郎さん。-
焼鳥うの (やきとり うの/奥沢)
住所: 世田谷区奥沢3-30-11トレジャーハイツB1▶︎MAP 電話番号: 03-3726-4220 営業時間: 17:30~24:00 定休日: 火曜定休。月曜が祝日の場合休み