素材と技術が織りなす 極上のうなぎ料理
銀座の寿司店「ぎんざ 寿し幸」の岡田 茂さんからバトンを受け継いだのは、創業80年の「日本橋いづもや」三代目である岩本公宏さん。素材、割きたて、焼きたてに徹底的にこだわり、鰻文化を今に伝え、その技と味を未来へと手渡している。
Text_CHIAKI KANAZAWA. Photographs_MASAMI OHIRA.
妥協を許さない、いづもやさんの鰻が大好きです。日本の食文化発展のために、さまざまな会で精力的に活動されている姿も尊敬しています。
ぎんざ 寿し幸|岡田茂さん
Profile
岩本 公宏さん
1975年、東京都生まれ。小学6年生頃から出前に行きはじめ、学校に通いながら店を手伝った。日本大学法学部政治経済学科卒業後、横浜の老舗鰻店「わかな」で2年間修業。2001年に「日本橋いずもや」へ。2003年、日本橋三越本店へ出店。デパ地下の店でありながら、本店と同じく、生きた鰻をその場で調理し提供することにこだわる。
シンプルだからこそ、素材と技術がものをいう鰻料理。「日本橋いづもや」が、この地にのれんを掲げたのは昭和21年。以来、頑固なまでにこだわり抜いた鰻料理を提供し続けている。
「水や餌にも目を配り、天然に近い環境で育った養殖鰻だけを使っています。私の好みをよく知る問屋から届く鰻は、毎朝必ず味見をします」
そう語る店主の岩本さん。鰻の質に納得できなければ、別の鰻を持ってきてもらうほど、素材選びには妥協がない。
鰻以外の素材の産地へも岩本さん自ら足を運ぶ。
「ほのかに甘さがあり、もっちりした食感が楽しめる秋田県産の卵〝もみじ〟も、そうして見つけた一品です」
稚魚の不漁や価格高騰、後継者不足――。岩本さんの妥協なき探究心の根底にあるのは、鰻業界への強い危機感と、素晴らしい食文化を未来へ繋ぎたいという思いだ。
そして、鰻の新しい可能性を広げたいと自ら文献を読み漁り、専門家も「聞いたことがない」という、鰻100%の魚醤作りに挑んだ。
「完成した魚醤を蒸した鰻に塗って焼くと、脂と魚醤がじゅくじゅくと焼け、炭に落ちた瞬間、白い煙がふわりと立って。その香りが、なんともいえないほど素晴らしかったんです」
その魚醤で贅沢に焼き上げた一皿が、ここでしか味わえない「いづも焼き」だ。
こだわりは、お酒にも。日常の一杯から、特別な日に開けたい希少なワインまで、驚くほど豊富なお酒を揃える。鰻とお酒の出会いもまた、いづもやを訪れる醍醐味だ。
「鰻文化を無くさないために、若い職人にどんどん仕事を任せて力をつけさせて、外の世界に送り出すこともしています」
素材への妥協のなさも、新たな挑戦も、そして職人を育てる情熱も、根底にあるのは同じ思い。鰻料理の魅力と可能性を、もっと広げていきたい――。
今日も鰻料理の新しい未来が、この店から生まれている。
RESTAURANT INFO店舗情報

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日本橋いづもや(本店)
(にほんばしいづもや/日本橋)電話番号: 03-3241-2476
住所: 東京都中央区日本橋本石町3-3-4
▶︎MAP営業時間: 11:00~14:00(L.O. 13:30)
17:00~21:30(L.O. 20:30)休業日: 日・祝日