旅に出たい。
自粛生活の中でそんな思いに駆られている方は少なくないだろう。
今回ご紹介するのは、今、国内で「最高に贅沢」と言われる、JR東日本が運行するクルーズトレイン「トランスイート四季島」の旅だ。
「いつかは四季島に」。そんな憧憬を抱かせるその上質で特別なもてなしを求めて、運行開始以来今なお多くの方々がその機会を待ちわびているという。
旅への渇望感高まる今だからこそ、「トランスイート四季島」による非日常の旅を、存分に楽しんでみたい。
クルーズトレインで
極上の旅に出る
わずか34名のために走る「トランスイート四季島」。
密を避け、特別に用意された最上のもてなしを気兼ねなく楽しめるこの列車の旅こそ、今楽しむべき、理想の旅のスタイルだと思う。
JR東日本のフラッグシップ 旅の始まりは上野駅から
旅なれた上級者を以てして、「その全てが贅沢。旅好きならずとも一度は体験すべき」と言わしめる「トランスイート四季島」の旅には、とにかく思いつく限りの「特別なもてなし」が用意される。例えば、発着駅JR上野駅までのハイヤー送迎サービス(※)では、降車場でスタッフの出迎えを受け、そのまま「四季島」乗客専用の改札を抜け、専用待合室「プロローグ四季島」までノンストップで案内をしてくれる。まさに“特別扱い”の歓迎を受けるのだが、このような特別感極まるもてなしを、旅を通して提供してくれるのが、「四季島」の旅なのだ。
「四季島」には専用ホーム13・5番線が用意されているが、その目の前にあるのが、「プロローグ四季島」だ。ここではチェックインを行い、乗客全員が揃うと、旅に帯同し、さまざまなサービスを提供してくれるトレインクルーの紹介を受ける。その後ホームに出ると、タイミングを見計らったようにシャンパンゴールドに輝く「四季島」が入線してくる。わずか34名の乗客のために、専用ホームや待合室が用意され、列車の入線までもが演出されているのだから、旅への期待感は、いやおうなしに高まってしまう。
※ハイヤー送迎サービスは、旅行会社の販売コースにより、サービス内容が異なります。
ゴールドに輝く美しい外観と数々の工芸品が設えられた車内
「四季島」への乗車は5号車から行われる。レッドカーペットが敷かれた入口から車内に足を踏み入れると、ピアノの生演奏に出迎えられる。
「ラウンジこもれび」と名付けられた、穏やかな樹木をイメージさせるこの車両には、「四季島」が巡る東日本各地の伝統工芸品が調度品として設えられ、足を踏み入れた瞬間から、「四季島」の上質な世界観と心地良い空気感を感じさせてくれる。もちろん、調度品は「四季島」のために作られたオリジナルのオーダー品だ。「これから始まる感動体験にお客様を導くエントランス」というだけに、旅への想いはさらに高まる。そして、鐘の音が鳴り響く中、大勢のスタッフによる盛大な見送りを受けて、いよいよ「トランスイート四季島」の旅がスタートする。
途中下車での観光サービスも乗客専用の特別メニュー
途中下車先で用意される観光メニューも、「四季島」オリジナルの特別なものだ。移動には貸し切りバスがチャーターされ、日光では一般公開されていない上神庫内の見学、函館では路面電車を貸し切っての運行、庄内ではオープン時間前の水族館を貸し切り状態で見学できるといった具合で、「四季島」に乗らなければ体験することの出来ない「特別なもてなし」が、列車外にも用意されているのだ。また、「四季島」は運行中に幾度となく運転士が交代するのだが、これは各エリアで土地勘のある運転士が運転を行うことで、例えば揺れの大きくなるエリアでは予め減速して揺れを最小限に抑えたり、ビューポイントで速度を落として乗客に車窓の風景を楽しんでもらうといった、臨機応変な運転を行うためなのだそうだ。
夢のようなひと時を楽しむ
メゾネットルームに檜風呂も高級旅館さながらの客室
気になる客室は、檜風呂付きの「四季島スイート」と「デラックススイート」が各1室と、全15室用意される「スイート」の3タイプで構成されている。一番の人気はメゾネットタイプの「四季島スイート」で、上階には秋田木工のテーブルとイスが用意された畳敷きの和室が。階下はシングルベッド2台が並ぶ寝室。そして、中二階にはシャワーブースを備えた檜風呂が備わり、湯船に浸かりながら過ぎ去る車窓の風景を眺められるという、飛び切りの非日常感が楽しめる。すべての客室にシャワーブース、トイレが完備され、ベッドには入金真綿のかけ布団が用意される。贅沢と上質さをテーマに、和の素材をモダンに演出し、洗練された空間に仕立て上げられたこの「四季島」の客室であれば、長い時間を客室で過ごしたいという方でも、きっと満足感は高いはずだ。ちなみに、列車内のシャワーでは水圧が低いのでは…といった心配は無用で、十分な水圧が確保されており、こういった点にも抜かりはないのでご安心を。
旅の最大の楽しみでもある食事への徹底したこだわり
旅の大きな楽しみである食事は、世界初の有機ELを組み合わせたシャンデリアが目を引く6号車「ダイニングしきしま」で提供される。「四季島」の旅では、「記憶に残る料理」をテーマに、列車内という限られた条件下でも妥協なく最高の料理を提供することを目指して、沿線からその地の料理人やシェフが乗車し、地の旬の食材をいかした料理が提供される。このあたりのこだわりは、クルーズトレインならではの、まさにこの旅でしか味わえない楽しみであり、実際に「四季島」の旅で供される食事の乗客による評価は相当に高いと聞く。
「トランスイート四季島」のコンセプトは「深遊探訪」。プロによる最上のもてなしと上質で贅沢な車内での時間。そして、巡る土地の自然や人々、その暮らしに触れることで、改めて、日本という国の奥深さ、素晴らしを再発見する。そんな心の豊かさまでをも満たしてくれるのが、「トランスイート四季島」の旅なのだ。