2019年(平成31年)1月から可能になった確定申告で活用できるe-Tax利用の簡略化。そして2020年(令和2年)1月31日からは、スマートフォンやMicrosoft Edgeを使用したe-Tax送信サービスがスタートしている。このことから、確定申告の申請方法がどんどん便利になっているのをご存知だろうか。大まかにまとめると、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書やマイナポータルの連携機能を活用し、ICカードリーダライタがなくてもe-Taxによる確定申告の申請が可能になったということ。このことが国税庁から発表された一方、まだまだ活用されていないのが今の現状。このコラムでは、確定申告の手続きが大幅に簡略できるe-Taxを使った申請方法について、詳しく解説していく。
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e-Taxの利用手続き方法2つ
まず大きく変わった点は、確定申告に使う「e-Taxソフト」が新しくなったことだ。2次元バーコード認証ができるようになり、パソコンやスマホでe-Taxを申請できるようになったのは大きい。ICカードリーダライタを使用せず、マイナンバーカードが読み取れるようになったことで面倒とされていたことが大幅にカットされた。そんなe-Taxの利用手続きについて、具体的な方法は以下の2パターンだ。
マイナンバーカード方式
「マイナンバーカード方式」は、マイナンバーカードとICカードリードライタ代わりになるスマートフォンがあれば手続きできる方式だ。マイナポータル経由またはe-Taxの公式サイトからログインすることで申告データを送ることができる。
準備するもの:マイナンバーカード、ICカードリーダライタ
確定申告できるデバイス:パソコン
マイナンバーカード方式で準備するものは、上記に記載した通りマイナンバーカードとスマートフォン(ICカードリーダライタの代わりとなるもの)の2点。ただし、スマートフォンを利用する際は以下の条件が必須だ。
e-Tax対応のスマートフォンである
マイナンバーカード方式で申請を進める場合、公式アプリである「マイナポータル」に対応しているスマートフォン機種が必要となる。Androidであれば、ある程度は網羅されているが、iPhoneの場合はiOS13.1以上がインストールされたiPhone7以降の機種が推奨されている。
電子証明書を利用するためのソフトウェアが必要
パソコンから行政手続き等を行う場合、マイナンバーカードに記録された電子証明書を利用するためのソフトウェアが必要となる。Windowsユーザーであれば、パソコンとスマートフォンの両方にBluetooth機能が付いていることも条件のひとつ。パソコンのOSやブラウザのバージョンを確認した上で無料ソフト「JPKI利用者ソフト」をインストールして進めていく。Macユーザーも同じくOSとブラウザのバージョンを必ずチェックが必要だ。地方公共団体情報システム機構の公的個人認証サービスポータルサイトなどを確認すると、ダウンロードページが公開されているので参考にしたい。
ID・パスワード方式
「ID・パスワード方式」は、e-Tax用のIDとパスワードを利用して、国税庁の公式サイト「確定申告等作成コーナー」より申請する方法だ。IDとパスワードは本人確認書類をチェックした上で税務署から発行される。確定申告会場でID・パスワード方式の届出完了通知を受け取っていればすぐに利用できるため、従来の手続きに比べると簡単に利用できるのが特徴だ。
準備するもの:ID(利用者識別番号)・パスワード(暗証番号)
確定申告できるデバイス:パソコン・スマートフォン・タブレット
これまではe-Taxの登録から開始までの手続きが非常に面倒であった。そのため、パソコンを所持していない、あるいはパソコン初心者にはハードルの高いものとされていた。パソコンに不慣れな方でも簡単にe-Taxの申請方法ができるようになったことは、申請者にとって大きなメリットといえるだろう。
なお、ID・パスワード方式は、マイナンバーカードやICカードリーダライタの代用スマホも必要ない。「税務署に行きe-Taxの開始届出書を提出する」「e-TaxのID・パスワードを発行してもらう」この手続きさえ行えば、スマホやタブレットといったデジタルデバイスからe-Taxによる電子申告が可能となる。IDとパスを発行するために税務署まで出向かなければならない手間はあるが、簡単な手続で終了するため、おすすめの方法といえるだろう。
e-Taxの活用で確定申告がもっと便利に
従来の確定申告でe-Taxを利用して申請するためには、まず届出書を用意して、作成・提出を行う。そこからe-TaxのIDパスワードを受領し、申告等データーを作成・送信するという効率の悪さが目立った。さらに、マイナンバーカードやICカードリーダライタなど準備に必要なものが多く、やりたくてもできない申請者がいたことも事実だろう。今日では改善されたe-Taxを使うことにより、インターネットからパソコンやスマホで手続きができるようになった。IDカードリーダライタなど面倒な準備もなし。自宅にいながら非対面で申請が完了できるようになったため、確定申告のハードルは大きく下がっている。
2021年(令和3年分)の確定申告期間について所得税の場合は、2022年(令和4年)2月16日(水)~3月15日(火)まで。必要な手続が大きく縮小され、手続しやすくなったe-Taxを使って、確定申告の申請を行ってみてはどうだろうか。