さり気なく日常に馴染む、王道ヴィンテージマグの復刻版
Texts_SAYAKA NAGASHIMA. Photographs_HIDE NOGATA.
時代を超えて人々を魅了するヴィンテージ食器。中でも不動の人気を誇るのが、アメリカのガラス製品メーカーのAnchor Hocking(アンカーホッキング)社が1941年に製造を開始した「Fire King(ファイヤーキング)」だ。耐熱性ミルクガラス製品として家庭に広く普及し、アメリカ文化を象徴するアイテムとしての地位を確立した。1986年の製造終了後も、その独特の風合いとデザインはコレクターたちの間で高く評価され、特に翡翠を思わせる淡い緑色の「Jade-ite(ジェダイ)」はブランドを代表するカラーとして人気が高く、現在でも未使用品や良品は付加価値が付いた状態で取引されている。
だが実は、Fire-Kingを新品の状態で手に入れることも可能だ。Fire-King Japan社がAnchor Hocking社の公認を受け、2011年より復刻版を製造しているのだ。かつて大量生産されたオリジナル品とは異なり、日本の熟練ガラス職人がオリジナルのデザインや製造技術を忠実に再現しながら一つひとつ手作りしており、王道の「Dハンドルマグ」もラインナップされている。手作りによる個体差から耐熱とはうたっていないが、オリジナル品と同じ耐熱性ガラス素材を使用。成型にも日本製らしい繊細さが感じられ、異なる魅力がある。
オリジナル品がコレクターズアイテムとしての側面が強い一方で、復刻版は手に入れやすく、日常使いもしやすい。日本の技術によって蘇った、古き良き時代のアメリカ文化の象徴をぜひ楽しんでみてほしい。
¥3,740(税込)
株式会社Fire-King Japan
MAIL:contact@fireking-japan.com