アートは心を豊かにするだけでなく、人生をも豊かにしてくれる。ここ数年、アート業界は盛り上がりを見せている。家で過ごす時間・空間に彩りを与える大切な要素としてだけでなく、価値ある資産として保有したいと考える人も増えてきた。しかしまだまだ、「アートの楽しみ方が分からない」、「購入してみたいが敷居が高い」などと敬遠する人も少なくないのでは。そこで、アートにもっと親しんでいただくために、気軽に読めるアート業界のトレンドやニュースを連載形式でご紹介したい。ぜひご一読を。
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各界セレブたちのアートコレクション
各界のセレブたちのなかには、華々しい「アートコレクション」を所有する人々がいる。自分のお気に入りのアーティストの活動支援のために購入する場合もあれば、投資目的で購入する場合もあるが、各界の成功者たちは今、どんなアートに注目しているのだろうか?コレクターとしても有名なセレブたちのコレクションを覗いてみよう。(記事中のレートは、1USD=110円で換算)
レオナルド・ディカプリオ
画像引用:https://www.sothebys.com/
著名な俳優であり美術愛好家でもあるレオナルド・ディカプリオは、新進気鋭のアーティストを見抜く目をもち、長年にわたって素晴らしいコレクションを収集していることで知られている。コレクションの総額は約20億円 (1,800万ドル) にのぼると言われている。
彼が最初に購入した重要な作品のひとつには、ジャン=ミシェル・バスキアのドローイングがある。2016年にスタートトゥデイの代表取締役(当時)・前澤友作氏が62億円でバスキアを落札した際、ディカプリオの自宅に招待されたという話も有名だ。
クリスティーズやサザビーズの大規模なオークションの舞台裏にも頻繁に登場しており、2013年に自身が仕切ったクリスティーズのオークションでは、70万ドルで村上隆のアクリル画を購入している。また、オークションへの出入りの様子から、アンディ・ウォーホルの作品も所有しているのではないか?とも噂されている。
かつては約3.5億円 (320万ドル) のパブロ・ピカソと約9.9億円 (900万ドル) のバスキアも所有していたが、入手元が政府系ファンドの横領事件に関連していたため、当局に引き渡されてしまったという。
ジェイ・Z & ビヨンセ
画像引用:https://prtimes.jp/
ラッパーのジェイ・Zとシンガーソングライターのビヨンセ夫婦も多くのアートコレクションを持つことで知られる。自分たちのために制作されたダミアン・ハーストの絵画2点に加え、自宅の暖炉の上にはウォーホルの作品を飾っていることも知られ、他にも、リチャード・プリンスなどの作品を所有している。
彼らはアートバーゼル・マイアミで何度も目撃されており、2013年には「NIKE」や「adidas」などとのコラボレーションでも知られるストリートアーティストのヘブル・ブラントリーの作品を購入している。
また、2013年には、バスキアの絵画 ≪Mecca≫ をサザビーズで約4.6億円 (420万ドル) で購入。その作品は、ニューヨークの風景を描いたもので、バスキア作品に特徴的な王冠モチーフの下に「Empire」という文字が上部に書き込まれている。彼らのアートコレクションの総資産額は、なんと約1500億円以上 (14億ドル) (!) といわれている。
ブラッド・ピット
ブラッド・ピットは、現代アートのコレクターとして知られている。なかでもストリートアーティストのバンクシーを崇拝していることが有名で、オリジナル作品を複数所有している。バンクシーやドム・パティンソンのようなストリート・アーティストの作品を収集する一方、エド・ルシェやリチャード・セラのような定番の人気アーティストまで、そのコレクションは広範囲に及ぶ。
妻であったアンジェリーナ・ジョリーとともに南フランスのシャトー・ミラヴァルに「プライベートギャラリーのようなもの」を所有していたとも言われている。コレクションの詳細は公にされていないものの、調査会社は、Wealth-Xは、ブラッド・ピットのアートコレクションを約28億円 (2500万ドル) の価値があると見積もっている。
彼はロサンゼルス現代美術館の大口寄付者であり、2013年の経営陣交代の際には同美術館の役員になることを希望したものの、大学を卒業していないことを理由に断られてしまった。さらに、妻であったアンジェリーナ・ジョリーは、ブラッドが美術品に多額の資金を投じることを快く思っておらず、「それよりもっと多くのお金を慈善事業に寄付すべきだ」と感じていたという報道もあり、不自由な面もあったようだ。
マドンナ
画像引用:https://culturacolectiva.com/
シンガーソングライターのマドンナは、クラシックと現代美術の両方を収集していることで知られており、その総額は約110億円 (約1億ドル) と言われている。サザビーズでフェルナン・レジェの作品を約7.9億円 (720万ドル) で落札したほか、ピカソやフリーダ・カーロの作品も所有していると言われている。
その一方で、新進気鋭のアーティストにも目を向けており、バンクシーのドキュメンタリー映画『Exit Through the Gift Shop』の題材となったティエリー・グエッタ(ミスター・ブレイン・ウォッシュ)に、自身のベスト・ヒット・コレクションのカバー・アートを依頼している。また、現在はグラフィティアーティストのバンクシーやJRのファンだと公言している。
1980年代初頭にはバスキアと交際していたことを明かしており、交際当時は複数のバスキア絵画を所有していたというが、別れた際にそれらの作品はバスキアから変換を要求され、バスキアによって黒く塗りつぶされてしまったというエピソードも。
メアリー=ケイト・オルセン
画像引用:https://theartgorgeous.com/
「フルハウス」のミシェル・タナー役などの子役から現在はファッションアイコンになっているメアリー=ケイト・オルセン。彼女は、ウォーホル、荒木経惟、トーマス・ルフらの作品を所有している。「ELLE」誌のインタビューで「私が本当に必要としているのは、ベッドと私の周りにあるアートだけ」と語っている。
過去にはアーティストのネイト・ローマンやマックス・スノーと恋愛関係にあるなど、アートをコレクションするだけでなく、アーティスト自身にも惹かれるようだ。
スウィズ・ビーツスウィズ・ビーツ
画像引用:https://theartgorgeous.com/
ラッパー・音楽プロデューサーのスウィズ・ビーツは、バスキア、KAWS、村上隆、アーニー・バーンズといった作品をコレクションしている。もともと、バスキアへの興味をきっかけにアートを鑑賞したりコレクションしたりするようになったという。過去には、KAWSの巨大木製フィギュアを自宅に設置した様子などもメディアで紹介されている。
アートコレクションはセレブの生活の一部に
多くのセレブたちのコレクションを見てきた。彼らのコレクションとエピソードを見ると、アーティストへの共感やリスペクトを感じて作品を購入していることが分かり、また、それらのアートをただ資産として持つのではなく、生活の中に取り入れていることに気づく。一方で、時にはそのお気に入りの作品をオークションに出品することで、アート界に活気をもたらしている。
実際に彼らのような膨大なコレクションをもつことはなかなか難しいが、ANDARTでは、ここに登場する多くのアーティストたちの作品を1万円から共同保有することができ、手軽に売買も行うことが出来る。
もしあなたが共感するアーティストに出会えたら、まずは共同保有のコレクションから始めてみるのはどうだろうか?
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