
継ぎ人 その五
誠実さと柔軟さを兼ね備えた、次世代の鰻屋さん
ISSUED | 2017.08

高嶋家 鴛尾 明さん
- 伝統ジャンル | 鰻 継承歴 | 5代
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1979年、東京生まれ。駒澤大学卒業後、仙台の割烹で2年間修行を積む。その後1年間イタリアンレストランで働き、家業である高嶋家に入る。
誠実さと柔軟さを兼ね備えた、次世代の鰻屋さん
家業に入る前に2か月間、ヨーロッパをバックパックで放浪していたという高嶋家の若旦那、鴛尾 明さん。「家を継いだらまとまった休みも取れなくなるので、やりたいことは全てやりきってからと思い、旅に出ました」家を継ぐのは当たり前、むしろ自分の使命だと思っていた。一見、誠実な鰻屋の若旦那、という風貌だが、ウィットに富んだ鴛尾さん。その柔軟さが魅力である。
「高嶋家」は明治八年創業。関東大震災や戦火など度重なる障害を乗り越え、ここ小舟町に店を構えた。かのラストエンペラーの実弟に「心に抱いていた夢」とまで言わしめた銘店だ。「昭和30年頃は天然うなぎを使っていたようです。私が調理を任されるようになってからは、生産者から直接取り寄せた静岡県のブランド鰻の『共水うなぎ』を使っています。四季に合わせて水温を変えながら丹精込めて育てた鰻で、天然ものにより近い美味しさがあります。逆に、江戸前のたれは創業から変わらぬ味ですよ」鰻へのこだわりだけでなく、イタリアンレストランでの経験を生かし、黒蜜をかけたブランマンジェをデザートに取り入れるなど、5代目らしい進化が随所に感じられる。日々進化していく“日本橋”という土地と寄り添っているようだ。「かつて小舟町は、問屋街として商人たちで賑わっていた繁華街でした。これから家業を継いでいくわけですが、この日本橋・小舟町という土地にこだわっていきたいですね
古いものが残っているようでいなかったという日本橋。今、日本橋の若旦那たちをはじめ、日本橋の人々の努力で古き良き時代が復活しつつある。その渦の真ん中にいる鴛尾さん。次の土用の丑の日は、高嶋家の鰻で決まりだ!
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匠の言葉
「一意専心」
一つのこと=鰻に集中する。研究熱心な鴛尾さんは、先輩や仲間の鰻屋に足を運ぶことも多いのだとか。
店舗情報
高嶋家
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全国でも選ばれた店でしか扱えない「共水うなぎ」を贅沢に使用。たれや鰻はもちろん、ご飯にもこだわり、お米マイスターと毎年最も鰻に合う産地のお米を選りすぐる。鰻重「菊」4,400円。
脂っこくないが旨みがある繊細な味わいの共水うなぎは、白焼きにしても美味しい。 -
住所 中央区日本橋小舟町11-5 ▶︎MAP
人形町駅A5出口徒歩5分
三越前駅 A4出口徒歩5分
新日本橋駅5番出口徒歩3分電話番号 03-3661-5909 営業時間 昼の部:月~土11:30~14:00
夜の部:月~金17:00~22:00(L.O.21:30)
日曜・祝日休ラストエンペラーの実弟である愛新覚羅溥傑が贈った書。中国に居た時から高嶋家の噂は聞いており、いつかは行きたいと切望していたのだとか。
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