伝統を受け継ぎ後世に残す 継ぎ人 匠

継ぎ人 その27

先祖代々が大切に耕してきた大地の継承者

ISSUED | 2019.08

原島農園 十七代目 原島靖之さん

  • 伝統ジャンル | 梨農家 継 承 歴 | 原島農園 十七代目
  • 1961年生まれ。大学卒業後、稲城市役所に勤務。38歳のときに父を亡くしてから、公務員として働きながら家業である梨づくり、米づくりに従事。2012年、50歳になると同時に市役所を早期退職して農業に専念。

先祖代々が大切に耕してきた大地の継承者

電車で来る人も増えて、私たちも駅にお客さんを迎えに行きました。小さな子どもほど付いてきてくれましたね(笑)。今は40数軒ほどになりましたが、昔は稲田堤周辺に百数十軒の梨農家があってどの梨園も多くの観光客でいっぱいでした。現在は、もぎとりはごくわずかで、直売と宅配便による贈答品が主な販路になっています」

 かつて駅の近くにあった梨畑は手放し、現在は自宅周辺の4000平米の土地で梨と米を育てている。地方の農地に比べれば規模は小さいが、大きな農業機械が使えないため手作業に頼る部分が多い。気苦労も絶えないが、お客さんの「おいしい」という言葉を励みにやってきた。

「昨年生産緑地制度が継続することになり、また、自らが耕作しない場合に第三者に貸しても相続税の猶予が認められるようになり、様々な選択ができるようになりました。部分的でも全体でも農園として貸したり、農業法人に貸し出したりして農地を守ることができます。いずれにしても、きっと誰かが引き継いでくれるでしょう」

 耕す人は変わっても、原島家17代の記憶は大地に刻まれ、未来へと受け継がれていく。

  • 美味しいものを届けたい 安心安全

  • 匠の言葉

    美味しいものを届けたい 安心安全
    安全安心に配慮し、農薬の使用基準を厳守、天然由来の農薬や有機肥料を主体とした肥料を用いて育てた原島さんの梨はおいしいと評判。お客さんや家族からの「今年の梨もおいしかった」という言葉が自信となっている。

店舗情報

原島農園(売店)

  • 住所 神奈川県川崎市多摩区 菅北浦 3丁目14番1号 原島ハイツ駐車場内▶︎MAP
    電話番号 090-2207-7842(梨販売期間中のみ対応)
    営業時間 およそ10:00~12:00 15:00~17:00
    ※地方発送のお申し込みは売店でのみ受付。
    ※「幸水」は8月中旬から下旬、「豊水」は8月下旬から9月上旬、「稲城」は8月下旬から9月上旬、「二十世紀」は9月上旬頃販売予定

    川崎市内であることを忘れそうな秘境。山の向こうに見えるよみうりランドの鉄塔がシュール。

    幸水、豊水、稲城、二十世紀をメインに、神奈川県の新品種であるなつみずや香麗(こうれい)といったちょっと珍しい梨も栽培3 している。

    左)田んぼでは神奈川県のブランド米「はるみ」がすくすく成長中。
    右)江戸時代後期の天保年間に刊行された「江戸名所図会」(えどめいしょずえ)「吐玉水」とある。ご先祖が暮らした家や田んぼが描かれている。豊かな水の湧く水源として紹介されていて、今もその湧き水で梨や米を育てている。

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