TOP MAGAZINE特集 ビジネスマンの嗜み フルオーダースーツはテーラーで決める

ビジネスマンの嗜み フルオーダースーツはテーラーで決める

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スーツ作りの究極であるフルオーダースーツは、自由自在のデザイン、体に完璧にフィットする仕上がりが最大の魅力だろう。
そんなフルオーダーのスーツ作りでは、「テーラー」「カッター」と呼ばれる採寸・フィッティング・生地裁断・縫製などを行う職人の技術力が重要になる。
完璧な一着を仕立てるには、信頼できる「テーラー」「カッター」を見つけること。
それがフルオーダースーツ攻略のポイントだ。
Photographs_KATSUNORI SUZUKI.
Edit &Word_POW-DER.

既製品スーツとはこんなに違う
完全オリジナルなフルオーダースーツ

フルオーダースーツの魅力は、自由なデザインと完璧な着心地、そしてそれを作り上げる楽しさにある。

1.自分好みのデザインが完成できる

スワッチ(生地見本)や反物を見ながら、まずは自分好みの生地をセレクト。またラペルやボタン、タックやポケット、裏地に縫い糸の色の指定など。こと細かくディテールを調整できる。悩んだ際にはテーラーやカッターに相談しながら進めれば良い。流行のスタイルからクラシカルなスーチングルックまで自由自在なので、自分らしいこだわりの一着が作り出せる。

2.体型に合った完璧なシルエットに仕上がる

人の体型は十人十色。恰幅がいい、細い体型など、既製品スーツではサイズが合わないことも多々ある。フルオーダーなら肩幅から着丈、袖丈など、どのディテールもきちんと採寸し、自らの体に合わせたシルエットが構築できる。さらにウエストを絞る、タックを入れるなどの細かい注文も可能なので、自分らしいこだわりをスーツに盛り込むことも可能だ。

3.仕上がりのイメージが明確

フルオーダーは、個人の体型に合わせてスーツを製作するのが醍醐味ではあるが、製造工程の手間と時間を要するのがデメリット。ただ、生地選び、採寸、そして仮パーツを大まかに縫った仮縫い(中縫いもある)を行うので着用感やデザインイメージがしやすい。そこから顧客の好みを聞き細かい箇所を修正していくので、仕上がりのイメージがはっきりとわかる。

ひと口にオーダーと言ってもさまざま
フルオーダーとパターンオーダーの違い

大別するとオーダーには2種類ある。両者の違いを理解した上で、オーダーを楽しんでみるのも面白い。

フルオーダーとは

採寸データを元に型紙作りから仮縫いまですべてオリジナル

フルオーダースーツは、好きな生地を選び、採寸、型紙製作、仮縫いなどを行い、すべてオリジナルで製作する。数ヶ月後に完成したスーツは、文句なしのパーフェクトな仕上がりに。

パターンオーダーとは

既製サンプルを自分のサイズに合わせる

パターンオーダーは、既製品サンプルから好みのサイズ、デザインを選び、体形や好みに合わせてサイズを修正していく。デザインの自由度は低いが、低コストながら高いフィッティングが得られる。

パターンオーダーとは

自分史上最高の一着を仕立てる
フルオーダースーツができるまで

フルオーダースーツといっても、どのような工程からでき上がるのか。その製作の流れを解説していこう。

1.デザイン決め

まずは生地とデザイン決め。生地柄の希望、どのようなシーンで着るのか、どんなイメージを演出したいかなど、スーツのディテールを決める。迷った場合はテーラーに相談だ。

2.採寸

肩から腕の長さ、腰回りなど、メジャーを使い、全身くまなく計測。ここはテーラーの技術力が問われる部分だが、気に入ったスーツを着ていくと、イメージを伝えやすくなる。

3.型紙製作

採寸したデータを元に、生地を裁断するための設計図=型紙を製作。完成した型紙はテーラーが保管しているので、体型が変わらない限り、採寸なしでスーツが作れる。

4.裁断

生地に型紙を置き、チャコで各パーツの外郭に線を引く。そして生地を各パーツごとにカットしていく。ラインは縫い目を示し、テーラーによる的確な裁断が重要になる。

5.仮縫い

カットしたパーツを大まかにスーツに仕立てることを仮縫いと呼ぶ。ここで修正点があれば、テーラーが調整。その後、中縫いでもう一度着心地やデザインを確認できる。

6.完成

仮縫い→中縫いが終わり、数ヶ月後(テーラーにより仕上がり時間は異なる)にスーツが完成。これらの工程を経て待ちに待った一着は、理想の着心地&デザインに仕上がる

1.デザイン決め

まずは生地とデザイン決め。生地柄の希望、どのようなシーンで着るのか、どんなイメージを演出したいかなど、スーツのディテールを決める。迷った場合はテーラーに相談だ。

2.採寸

肩から腕の長さ、腰回りなど、メジャーを使い、全身くまなく計測。ここはテーラーの技術力が問われる部分だが、気に入ったスーツを着ていくと、イメージを伝えやすくなる。

3.型紙製作

採寸したデータを元に、生地を裁断するための設計図=型紙を製作。完成した型紙はテーラーが保管しているので、体型が変わらない限り、採寸なしでスーツが作れる。

4.裁断

生地に型紙を置き、チャコで各パーツの外郭に線を引く。そして生地を各パーツごとにカットしていく。ラインは縫い目を示し、テーラーによる的確な裁断が重要になる。

5.仮縫い

カットしたパーツを大まかにスーツに仕立てることを仮縫いと呼ぶ。ここで修正点があれば、テーラーが調整。その後、中縫いでもう一度着心地やデザインを確認できる。

6.完成

仮縫い→中縫いが終わり、数ヶ月後(テーラーにより仕上がり時間は異なる)にスーツが完成。これらの工程を経て待ちに待った一着は、理想の着心地&デザインに仕上がる

完璧フィットの一着ならフルオーダーに限る!

最高の仕立てを追求するなら、やはりフルオーダーだろう。既製品スーツにはないストレスのない着用感。自ら選んだデザインは世界にひとつしかなく、愛着が湧くのは言わずもがな。そんな理想型の一着を作る際、テーラー選びがキーポイントになってくる。

フルオーダースーツができるまでの流れは、テーラーが顧客の好みを聞き出し、豊富なストックの生地の中から好みの一枚をセレクト。そこからテーラーの手腕が問われる採寸を徹底的に行い、型紙製作→正確な裁断→生地と芯地合わせ→仮縫いのスーツが仕上がる。そこで生まれた修正点を踏まえ、中縫いで再度スーツの出来栄えを確認。数ヶ月経ち、ようやく待望の一着が完成する。

テーラーといくつもの工程を相談しながら詰めていく作業、そして理想のスーツが完成したときの喜び、これがフルオーダースーツならではの醍醐味と言えるだろう。

一度誂えたらもう離れられない
実力派テーラーに出会えるフルオーダースーツショップ

フルオーダースーツショップと言っても、都内にはさまざま展開されている。
その中でも人気のテーラーが常駐するショップを紹介していこう。
お気に入りのテーラーを見つけて、世界に一着のスーツスタイルを楽しもう

本場サヴィル・ロウ仕込みの個性が光る

Tailor &Cutter(テーラー&カッター)

英国仕込みのスーツは個性豊かにまとめてくれる

高感度なファッションショップが立ち並ぶ、東京・青山の骨董通り。今では有名革靴屋が増え、東京のジャーミンストリートと呼ばれるほどの場所だ。そんなメインストリートから一歩離れた場所に「テーラー&カッター」は店を構える。

同店でテーラー兼カッターを務めるのは、金髪と前掛けがトレードマークの有田さん。スーツ発祥の地・サヴィル・ロウの英国王室御用達テーラー「ギーブス&ホークス」にて修業し、帰国後に日本の有名テーラーにて腕を磨いてきた、ビスポークカッターだ。スーツの本場で培ってきた卓越した技術を元に、お客様と会話を重ねて信頼関係を築き、個性を大切にしたコーディネートを提案してくれる。有田さんの手から生まれた一着は古き良き英国を具現化し、ファッション性も豊か。

納期は約3ヶ月(38万円〜)と時間を要するが、有田さんの手掛けた一着ならば、仕上がりを待つ間のワクワク感も、いつも以上に増すはずだ。

PROFILE

ビスポークカッター
有田 一成さん

文化服装学院メンズ科一期生であり、卒業後に渡英。現地ではギーブス&ホークスにて1年半修業し、その後日本に帰国。さらに日本のギーブス&ホークス新宿店などで修業を経て、2005年にテーラー&カッターを立ち上げた敏腕。

テーラー&カッター ハウススタイル1

英国を代表とする高級服地マーチャント、ホーランド&シェリーのベルベット地を用いたスリーピーススーツ。10.5cmのワイドラペルに加え、袖口をフレアカット、フロントをカッタウェイ仕様にアレンジ。男性らしさと洒脱さを両立。

テーラー&カッター ハウススタイル2

こちらもホーランド&シェリーのバーズアイ地のスリーピーススーツ。10.5cmのワイドラペルに、フレアカットの袖口、カッタウェイのフロントと、有田さんを象徴するデザイン。遠目からは無地に見え、着こなしを選ばない。

住所:東京都港区南青山6-7-13-101
TEL:03-3499-7725
営業時間:12:00〜19:00
休業日:火曜日
URL:https://tailorandcutter.jp/

徹底的な採寸で完璧なフィッティングを追求

New & Yoshida Suit(ニュー&吉田スーツ)

緻密な採寸をベースに納得の一着が仕上がる

都内に4つの店舗を構える吉田スーツ。同店は、以前同じ立地に存在したテーラーの名前の一部分である“New”を受け継ぎ、現在の店舗名に至る。

「ベーシック・ビスポーク・ライン」、「エグゼクティブ・ビスポーク・ライン」、「プレミアム・ハンド・ライン」の3つのオーダーラインがあるが、3番目がフルオーダーに該当する(16万5000円〜、仮縫いは別途料金)。店舗に常駐する大山さんがこと細かく採寸。テーラーが二人いる店舗ではダブルチェックを行う徹底ぶりだ。さらに顧客好みのシルエット、着心地も追求し、体のラインにしっくりと馴染む一着に仕上げてくれる。そのデータを国内トップレベルの仕立て職人がハンドメイドで仕上げるため、オーダーメイドならではの醍醐味=憧れのデザインが完成する。またスーツ以外にもシャツや靴、コートやジャケット、ライダースのオーダーも可能と、トータルコーディネートを贅沢に楽しむことができる。

PROFILE

テーラー
大山 真弥さん

お客様として吉田スーツに通い、好きが高じて入社したスーツ巧者。徹底した採寸を得意とし、同店を代表するテーラーだ。自身はダークカラーのスーツを好む、トレンドを弁えたスタイリングにも定評あり。

ニュー&吉田スーツ ハウススタイル1

英国のマーチャント・ホーランド&シェリーの生地を採用した、チョークストライプ柄の段返りスリーピーススーツ。6つボタンのジレにワイドなピークドラペルを用い、Vゾーンは狭く設定されているが、貫禄ある趣を演出できる。

ニュー&吉田スーツ ハウススタイル2

柔らかい質感の吉田スーツオリジナル生地を用いた、グレンチェック柄スーツ。チェンジポケットほか、スラントポケットを配置し、腰元を絞ったスッキリとしたシルエット。構築されたデザインは、スタイリッシュな見た目を与えられる。

住所:東京都港区西新橋1-22-1
TEL:03-3501-9563
営業時間:12:00〜19:00
休業日:土・日曜日
URL:https://yoshida-suit.com/

※2022年4月5日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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