免疫療法は、外科治療、放射線治療、化学療法に続く“第4の治療”として大きな注目を集める。
30年以上前からこの分野の研究に携わってきたアエルクリニック東京の伊藤克礼院長に最新のがん治療について聞いた。
アエルクリニック東京
院長
伊藤克礼先生
1985 年、札幌医科大学卒業後、同大学内科学第四講座にて研修勤務、活性化リンパ球療法の臨床治験に携わる。1996 年、米コネチカット大学消化器肝臓科助教授。2010 年5 月、仙台駅前アエルクリニックを開院。2021 年10 月、アエルクリニック東京を開院した。
世界中から注⽬を集める、NKT細胞によるがん免疫療法
2021年10月、がん免疫細胞療法のパイオニアである伊藤克礼院長は、東京・八丁堀にアエルクリニック東京を開院した。
院長は、活性化リンパ球療法の臨床試験に携わった経験を持ち、免疫細胞療法の可能性に早くから注目していた。 免疫細胞療法は、患者自身の免疫細胞を培養、強化し体内に戻すことで、人間に本来備わっている防御機構を強化しがん細胞を攻撃する。外科手術・放射線治療・化学療法と比べて副作用が抑えられ、これらの標準治療と組み合わせて治療できる“第4の治療”として研究、治験が進んでいる。
なかでも同院で行われるNKT細胞を用いた免疫細胞療法は、厚生労働省先進医療Bでの臨床試験においても効果が実証された治療でもある。院長は、このNKT免疫療法の効果を今年10月のアメリカがん学会特別カンファレンスで発表する予定だ。
多くの効果を発揮する、一人ひとりに合わせた治療
同院では、NKT細胞療法を受けた89%の患者に免疫状態の改善が認められ、64%の患者で抗腫瘍効果が認められるなど、これまでの免疫細胞療法に比べて期待以上の効果が得られている。
再生医療である免疫細胞療法は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」などを順守し適正に行われる必要がある。
「がんに万能薬はないという考えのもと、3大療法との併用も含め、臨床経験に基づいた治療を何よりも大切にしています。当然、患者さんごとに効果的な治療法も違います」
同院では患者のがんの種類、組織型、転移部位、併用治療にあわせて、免疫細胞の組み合わせ、投与方法・投与場所・投与スケジュールに至るまで、効果を最大限に引き出す治療計画を提案する。同院独自のテーラーメード治療は、NK細胞、T細胞、樹状細胞(DC)、NKT細胞の4種類の免疫細胞を、患者に合わせて組み合わせて提供される。
アエルクリニック東京は、がんに苦しむ患者とその家族の希望を守るため免疫細胞療法を駆使し、最善の治療を追求している。
医療法人社団青葉会
アエルクリニック東京
0120-088-772 (完全予約制)
- 診療時間 9:00~17:00
- 月 ◯
- 火 ◯
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- 金 休
- 土 ◯
- 日 ◯
診療科目 | 腫瘍内科 |
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アクセス | 都営浅草線【宝町駅】徒歩3分 日比谷線・JR京葉線【八丁堀駅】徒歩5分 銀座線【京橋駅】徒歩5分 |
住所 | 〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-2-5 八丁堀医療ビル4 階 |
治療の流れ
医療相談
病気の状態や治療履歴、血液検査結果、画像検査結果、病理検査結果などを資料をもとに提案可能ながんワクチン治療について医師から詳しく説明。医療相談は完全予約制。
治療前の検査
提案された治療を受けられるかどうか、血液検査、画像検査などをもとに判断する。血液検査の結果が出るまでに約1週間かかる。
アフェレーシス
(成分採血)
樹状細胞のもとになる、白血球の一部である”単球”という細胞を大量に取り出すために、成分採血を行う。アフェレーシス(成分採血)という方法で行い、2~3時間かけて血液の中の単球を含む必要な成分だけを取り出し、それ以外は体内に戻される。
治療がん
ワクチンの作製
アフェレーシスで取り出した単球は、厳重に管理されたクリーンルーム(細胞加工施設)で培養される。単球を樹状細胞に育て、人工抗原やがん組織を与えることで、がんの目印を認識した、成熟した樹状細胞に育つ。治療ワクチンを作るには、出来あがったワクチンの品質検査も含めて約3週間かかる。
治療がん
ワクチンの投与
治療がんワクチンを、2~3週間に1回のペースで注射により投与。治療内容によって、1セットの投与回数が異なる。
治療効果の評価
1セットの治療終了後に、血液検査、画像検査、免疫機能検査などを行い、治療効果を評価。それらをもとに、今後の治療方針を相談する。
●保険適用外自由診療●
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初診料 11,000円
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検査料 33,000円
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樹状細胞ワクチン療法
1,986,600円
(別途人工がん抗原費用)
※樹状細胞ワクチンを投与することに伴う副作用として、過去に行われた多くの臨床研究において、重篤な副作用はこれまで報告されていません。
ただし、樹状細胞ワクチンを皮膚に毎回数か所に分けて注射しますので、ワクチンを投与したことによる体内の免疫反応の結果、注射部位が一時的に赤くなったり(発赤)、かゆみや痛みを伴うこと、また発熱がみられることがあります。免疫の活性化を目的とした治療法ですので、これらの反応は副作用ではありますが、一方では効果につながる必要かつ重要な反応であると考えられています。