最難関大学を目指す場合、地方の学習環境は東京ほど充実しておらず、大きな格差があります。これは受験生にとって大きな不公平です。そして詰め込み、物量頼みの受験勉強のスタイル。受験勉強は本来その場凌ぎではなく、生涯役立つものでなければいけません。そういった当たり前になっている受験勉強の「負」の部分を、覆していきたいですね。
学習環境の地域格差、物量頼みの受験勉強、
当たり前になっているそんな受験の現実を、
「覆す」のが塾講師である私の使命だと思っています。
今、東大や京大、医学部などの最難関大学を目指す受験生たちの熱い視線を
集めている厚胤塾。開校から僅か数年で成し遂げた高い合格実績の背景には、
内藤法胤さんが導き出した学問の極意がある。
Text_YUKI KATORI.
Photographs_HISHO HAMAGAMI.
PROFILE
内藤法胤(ないとうのりかず)
長野県出身。大学を卒業後、地元の長野県に帰り、長野県の予備校に入社。約4年勤務したのちフリーランスに転向し、東京の大手予備校・塾で東大志望者向け最上位コースを担当。約3ヶ月で“満席”講座を達成する。2016年に厚胤塾の前身Smart Visionを新宿に開校し、2017年に株式会社化。2023年に株式会社厚胤塾を立ち上げ、新宿(2教室)、上田(長野県)、福岡で4教室を展開。東大専門塾の講義や、大手出版グループが運営する日本最大の通信制高校等の教材監修や講義も担当している。
生徒ゼロから
常時満席の人気講師へ
教壇に立つ内藤法胤さんは実にイキイキとしている。授業内容は東大受験レベルの物理。スラスラと書き進められる公式は、筆者には皆目理解できなかったが、もし学生時代に内藤さんの授業を受けていたら人生変わっていたかも。そんな風に感じるほど学ぶ悦びに満ちているのだ。
「嬉しいことに、『勉強が面白くなった』と言ってくれる生徒がたくさんいます。そして、そのことを誰よりも強く意識しているのが僕自身です。僕が自分で『つまらない授業』と思ってしまったら、生徒を魅了することなんかできないですからね」
そう話す内藤さんにも、上手くいかず苦しんだ時期があったという。
「地元で予備校講師になって最初の年は、生徒に『何を言っているのか分からない』と言われ、冬期講習会では生徒がゼロ。さすがにまずいと思いそこから必死です。まず、知識量アップのために毎日4時間程の睡眠時間で、とにかく知識を詰め込んで、問題を解きまくりました。それから漫才の話術とかネタの構成とか、ディズニーランドの演出法なんかも参考にして授業の構成を研究しました。人気講師の方々を観察すると、皆さん知識量はもちろん、 とにかく雰囲気作りが上手い。教室がまるでディズニーランドのように生徒を惹きつけるんですよね」
最難関大学合格へと導く
「学問の原理原則」
そんな努力の甲斐あって人気講師となった内藤さんは、満を持して東京に進出。しかし、またもや生徒ゼロの憂き目にあう。
「東京の講師と地方の講師の学力差です。東京で最初に担当した東大コースの生徒に言われたのが、『そんなのみんな知ってるよ』でした。そこからまた睡眠時間を削っての猛勉強です。大量の予習をして、授業を一から見直しました。僕は頭が固いので、自分を全否定するぐらいしないと大きく変われないんですよね」
猛勉強の末にたどり着いたのが、厚胤塾の学びの基本、「学問の原理原則」に則った学びだ。
「以前の僕は問題を自分の経験だけで強引に解こうとしているところがあって、それでは何かが足りないと感じたんです。そして大量の本を読むうちに気付いたのが学問の原理原則です。学問のベースは『なぜ』という探求心、好奇心です。その『なぜ』という根本を紐解いていくこと、考え方やストーリーを理解することで、学問の原理原則、『学問の型』が身に付きます。一見遠回りのようですが、受験の問題は原理原則で作られているので、『学問の型』に当てはめて考えれば、どんな科目でもシステマチックに答えを出せます。深く理解ができるので勉強が楽しくなって、周りから合格は無理だと言われていた生徒が、偏差値をグングン伸ばして合格することも珍しくありません。そういう生徒たちの姿を見ていると、自分も努力すればダメな点を克服できるんじゃないかと夢が持てます。この仕事は夢を与えているようで、実はもらっているんです。そんな面白い仕事だから、努力を続けられるんですよ」
- 新宿校での授業風景。厚胤塾では多くの人気講師が授業を担当しているが、代表取締役である内藤さんもその一人として現在も教壇に立ち、生徒からの相談にも親身に対応している。
- 新宿ミライナタワー教室で教壇に立つ内藤さん。
厚胤塾
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