牛尾神社例祭宵宮奉納薪能(6月)/©齋藤日出子
畑仕事の合間にも謡(うたい)を口ずさんでいたというほど、
日常に能楽が溶け込む稀有な地で、今なお続く〝農民の芸能〞を堪能する。
日常に能楽が溶け込む稀有な地で、今なお続く〝農民の芸能〞を堪能する。
市井の人々が能を舞う美しき島の
闇夜に浮かぶ幽玄な世界
金山の世界遺産登録が記憶に新しい、佐渡。長く多様な歴史を持つ佐渡では、貴族、武家、町人の文化が融合し、「日本の縮図」ともいわれる独自の文化が育まれてきた。その一つが「能楽」だ。
1601年に金が見つかって以降、幕府の天領となった佐渡。能楽師出身の初代佐渡奉行・大久保長安によって神社へ奉納する「神事能」が広まり、最盛期には島内に200もの能舞台があったという。現存する30以上の能舞台も多くが神社内にあり、今も五穀豊穣を願う春や神社の祭りなどに能が奉納され、一般客も観能できる。客席は野外のため、必然的に夜はかがり火に照らされた舞台で演じられる「薪能(たきぎのう)」に。静寂と暗闇の中に浮かび上がるその幽玄な美しさは、たとえ詳しい知識がなくとも魅了されるはずだ。
能の大成者・世阿弥も晩年佐渡に流されたが、実際に能が普及したのは江戸時代。神事能として広まったのち、庶民が舞い、謡い、観る独自の発展を遂げた。©齋藤日出子
薪能の様子。佐渡の能の楽しみ方は集落の祭りのようであったといわれ、かつてはお重や酒を持参して観能していたという。
天領佐渡両津薪能
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開催日: 2025年9月13日(土)、10月11日(土)19:30~ 会場: 椎崎諏訪神社能舞台(新潟県佐渡市原黒724) 料金: 9月13日(土)2,000円、10月11日(土)3,000円(運営協力金) ※会場までのライナーバス運行有(要予約)。詳細は、新潟交通佐渡/ライナーバス予約センター(0259-52-3200)まで
お問合せは、佐渡観光情報案内所(0259-27-5000)※営業時間8:30~17:30 まで
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