民間による宇宙旅行や、月、そして火星探査など、今、宇宙(そら)に関する情報が大賑わいだ。
宇宙では、一体何が起きて、何が進行しているのか。
普段あまり考えることのない宇宙についてだけど、コロナ禍で閉塞感漂う地上をしばし離れて、ちょっと夜空を見上げて楽しんでみませんか。
Edit&Words_POW-DER.
Let`s expect Space Opera
宇宙イベントに想いを馳せる!
宇宙旅行に探査レースが加熱する月や火星、これから冬にかけて見ごろとなる流星群など、
未知なる宇宙と最先端の科学技術が生み出す天体ショーは、いくつになっても興味が尽きない!
2021年2月
火星
世界各国が探査を開始!
太陽系の惑星の中でも、地球のすぐ外側の軌道を回っている火星。硬い大地と大気のある地球型の惑星であることから、“生命の可能性のある星”として、継続的に探査が進められてきた。そして2021年、世界各国の「火星探査レース」がさらに活発化! 2月にはアラブ首長国連邦のHOPE(写真)、中国のTianwen1、アメリカのPerseveranceが火星軌道に到着した。今も各国の探査機が、生命の痕跡や人類移住の可能性を探っている。
2021年6月
月
民間による宇宙開発がスタート
日本の民間企業も積極的に参入!
アメリカ「Peregrine」
NASAが民間企業に資金提供を行い、民間で開発された月の輸送機を買い取るという商業月面輸送サービス(CLPS)を実施。アストロボティック社の月着陸機 Peregrineのフライトモデルが6月に完成し、秋頃に打ち上げが予定されている。それには“民間による世界初の月面探査”を行う日本の小型ローバーYAOKIが搭載される予定だ。
小惑星
SF映画が現実に!?小惑星衝突回避ミッション
アメリカ「DART」
太陽系内にある小惑星と地球の衝突を回避するため、NASAとジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所が開発したのが、この小惑星探査機 DARTだ。探査機本体を小惑星に衝突させ、その小惑星の軌道を変えようというミッションを6月に開始。11月に打ち上げ予定で、目標の小惑星ディモルフォスに到着するのは2022年10月の予定だ。
2021年7月
宇宙旅行
いよいよスペーストラベルが現実化!?
まずは高度100kmでの無重力体験
アメリカ「New Shepard」
宇宙と定義されている高度100kmに数分間滞在し、無重力体験をしたのち1〜2時間かけて地球へ帰還するという「サブオービタル旅行」によって、宇宙旅行が身近になる。New Shepardというカプセルタイプの宇宙旅行機をロケットで打ち上げ、高度100kmでカプセルを切り離しパラシュートで帰還するという計画が、7月後半に予定されている(7/10現在)。
毎年ゴールデンウィークと夏休みの空を賑わす風物詩
「みずがめ座流星群」
みずがめ座周辺から放射線状に飛び出す流星群には、みずがめ座η(イータ)流星群とみずがめ座δ(デルタ)流星群がある。イータは5月6日、デルタは7月28〜30日がピーク。南東の空の下の方から、放射線状に流れるのが特徴だ。
2021年8月
1時間に100個も流れ星が出現!夏休みの空の大イベントは必見
「ペルセウス座流星群」
8月12日夜半から13日の明け方にかけて、北東の空を見上げよう。13日午前3時頃には北東の高い位置にあるペルセウス座の肩のあたりから流星群が放射線状に流れ、多いときには1時間に100個も流れ星を見ることができる。
夏休み最後の流星群は月明かりを避けて鑑賞しよう
「ぎょしゃ座流星群」
8月31日の夜と9月1日の夜は、ぎょしゃ座流星群が期待できる。北東の空にあるぎょしゃ座を中心に現れるが、ちょうどピークの時間帯(3時頃)にはすぐ近くに月齢23の月があるため流れ星が見えにくい。月明かりを避けて鑑賞したい。
2021年9月
小惑星
太陽系のルーツを解明するために遥か彼方の宇宙に飛び立つ!
アメリカ「Lucy」
NASAは木星トロヤ群小惑星を探査するミッションを計画。その探査機 Lucyは2027〜2028年に目標に到達する予定だ。小惑星群は太陽系初期からある岩石の集団にあるため、この探査が進めば太陽系のルーツを解明することができるかもしれない。Lucyの打ち上げや探査に全世界の注目が集まり、そしてその結果に人類の期待と興奮が高まる!
2021年10月
天体
進化を遂げた宇宙望遠鏡が銀河の謎の解明に挑む!
アメリカ「James Webb Space Telescope」
史上最大で最高のハッブル宇宙望遠鏡を、大きさも性能も大幅に上回る次世代モデルが登場。それがこのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡だ。10月に打ち上げられ、太陽以外の恒星や形成過程にある星、さらには初期の銀河の光を観測。また一歩、宇宙の謎の解明に近づくことができるのだ。
突発的に出現する流星群だが2021年10月の活発化に期待!
「りゅう座流星群」
毎年10月上旬に活発なるりゅう座流星群だが、2021年は8〜9日頃に極大になる。鑑賞のタイミングは9日の深夜3時頃で、方角は北西だ。1時間に5〜10箇ほどだが、月明かりの影響がないので、じっくりと見ることができる。
10月のオリオン座流星群は明るくスピードが速いのが特徴
「オリオン座流星群」
10月21日は夕食を終えたらすぐに夜空を見上げたい。なぜなら20時過ぎには、南の空に浮かぶオリオン座の左上あたりから、多くの流れ星が出現するからだ。明るい満月が空にあるので、月明かりを避けるようにして鑑賞しよう。
2021年11月
月
人類の月移住計画の可能性を探るミッションが発動する
ロシア「Luna25」
旧ソ連時代の1950年代から始まった「ルナ計画」。その最新ミッションを担うロシアの無人月面探査機 Luna25は、ランダー(着陸機)と呼ばれるタイプで、氷が豊富にあるとされている“月の南極”へ着陸する。そして、土壌をドリルで掘削して月の組成を調べ、人類が月に長期間滞在(あるいは移住)するための可能性を探る。
19年前のフィーバーが復活!? 晩秋の夜空を賑わす流星群
「しし座流星群」
2002年の素晴らしい活動を最後に、ここ数年は当時のような華やかな活動はまったく見られていなかったが、2021年11月に活発化が期待できる。18日の深夜2時頃、東の空に1時間に10数箇ほどの流れ星を見ることができる。
2021年12月
空一面に明るい流れ星が出現 冬の空のスペクタクルショー!
「ふたご座流星群」
規模的には8月のペルセウス座流星群と並ぶふたご座流星群の特徴は、明るい流れ星が多いことと、一晩中出現することが挙げられる(とは言え、ピークは12月14日の夕方)。流れ星は空一面に流れるので、どの方角を見てもOKだ。
クリスマス直前に出現!2021年最後の流星群に注目
「こぐま座流星群」
ふたご座流星群が終わってまもなく、12月22〜23日にこぐま座流星群の活動が活発化する。ピークは23日の深夜0時頃だが、一晩中見ることができるので安心。方角はどこでも構わないが、月明かりを避けた方向を見るのが望ましい。
今から138億年前、超高温・超高圧の火の玉が爆発することから始まった宇宙。人類はその宇宙から多くのことを学び、そして奥深い謎と計り知れない可能性に挑んできたのである。
人類が初めて月に降り立ってから半世紀がすぎた今、アポロ計画を遥かに超える規模の月、および宇宙探査が始まろうとしている。例えば月はもはや〝降り立つ〟だけの場所ではなく、移住する新天地として探査の対象になっている。さらに火星さえも移住地の候補になり、すでに各国の探査機が先を争うように火星に向け飛び立っているのだ。また、かねてから人々の夢だった宇宙旅行が、ここ数年で現実のものになろうとしている。民間会社によるスペースシップが開発され、現在はまだ地表と高度100㎞を往復するレベルだが、宇宙ステーションに滞在するという旅行プランも実案化され、1席50億円とも言われるシートを富裕層の人達がすでに予約しているという事実もある。
一方の地上ではまだまだ新型ウイルスの脅威が続いているが、しばしそんな現実を離れて、遥か彼方の宇宙に想いを馳せてみてはいかがだろうか。
Let`s enjoy Meteor Shower Show
天体ショーを鑑賞しよう
満天の星を眺めると宇宙空間を感じることができる……そんな日常生活では体験できない神秘的な感動を味わえるのが、星空鑑賞の魅力だ。コロナ禍で密を避けなければいけない昨今、広い夜空の下で月や火星といった身近な天体観測や、夜空をロマンチックに演出する流星群の鑑賞はまさにうってつけのアウトドアアクティビティと言える。
では、星空鑑賞を楽しむためにはどうしたらいいか? ネオンや街灯などの多い、明るい場所での鑑賞はなかなか難しいのが現実。逆に、標高が高く空気が澄んだ高原や、水平線を望めるような離島の海岸などは、天体観測の聖地と言える場所だ。こういった場所の宿泊施設では、天文台を備えていたり、天体観測のツアーを行っていたりするので、流星群発生のスケジュールをチェックし、活用してみるのも良いだろう。さらに、コンパクトな双眼鏡や天体望遠鏡を持参すれば、月や火星はもちろん、遠くの星団などの観測も気兼ねなく楽しめるはずだ。
8月のペルセウス座流星群をはじめ、これから冬にかけて様々な流星群が楽しめる。この天体ショーを存分に楽しめる宿、そして天体観測におススメのギアを紹介しよう。
天体観測に必要な機能が満載!しかも扱いやすさ抜群!!
軽くてコンパクトなボディに高性能を搭載した双眼鏡
お気に入りの星を逃さない自動追尾機能が心強い!!
空に輝く満天の星の感動を美しい「星景写真」に残す
ONE POINT ADVICE
星空鑑賞にはレンズ口径の大きい双眼鏡があると、月のクレーターや天の川などがよく見える。
また、機能的な天体望遠鏡があれば、遠くの星団や惑星なども観測できる。
【山梨県】
爽やかで快適な高原リゾートで満天の星と流れ星を鑑賞!
天空の楽園 清里高原ホテル
八ヶ岳南麓の標高1470mにあるため、都会の光が入り込まない美しい夜空が魅力。しかも空気が澄みきっているので、星がよりいっそう輝いて見えるのだ。
また、ホテル4階には天文台があり、毎日「星空観察会」を行っている(天文台および星空観察会については、施設にお問い合わせください)。地元の新鮮な食材を生かした美味しい料理と、天空の下の温泉露天風呂とともに、満天の星とドラマチックな流星群をぜひともご堪能いただきたい。
住所:山梨県北杜市高根町清里3545
TEL:0551-20-8111
プレミアムルーム[全室禁煙]1泊2万1900円〜(2名1室1名、税・サービス料・入湯税込、2食付き)。IN 15:00/OUT 11:00
【長野県】
名湯と美味と丁寧なおもてなし
そして満天の星空が名宿の自慢
石苔亭 いしだ
南信州に位置する阿智村は「日本一暗い村」と呼ばれるくらい“余計な光”がないため、「日本一の星空の里」とも謳われている。そんな都会では決して見ることができない満天の星空を極上の客室から眺めるのも結構だが、バス&ゴンドラで行く星空ナイトツアー(完全予約制。詳細については宿にお問い合わせください)に参加してもいい。
また、同宿自慢の伊那谷の名湯と、最高の食材を一流の職人が手がける極上の料理も見逃せない。
住所:長野県下伊那郡阿智村智里332-3
TEL:0265-43-3300
半露天風呂付き客室(和室)1泊5万1850円〜(2名1室1名、税・サービス料・入湯税込、夕朝食付き)。IN 15:00/OUT 12:00
【栃木県】
オールインクルーシブスタイルで料理もお酒も星空も堪能する
THE KEY HIGHLAND NASU
東京から約2時間半、栃木県・那須高原に佇む『THE KEY HIGHLAND NASU』。春は桜やツツジ、夏は高原の涼、秋は紅葉、冬は雪景色と温泉など、四季折々の楽しみ方ができる。
そんな魅力たっぷりのリゾートホテルでは、ぜひとも満天の星が降り注ぐ夜空を満喫していただきたい。施設屋上には天体望遠鏡を備えた天体ドームがあるので、じっくりと星空を鑑賞することもできる(天体ドームの使用については、事前にホテルにお問い合わせください)。
住所:栃木県那須郡那須町高久丙3243-342
TEL:0287-77-7000
露天風呂付きスイートルーム1泊2万9850円〜(2名1室1名、税・サービス料・入湯税込、夕・朝食付き)。IN 15:00/OUT 10:00
【沖縄県】
天の川も星座も流星群もくっきり!
まるで海の上の天然プラネタリウム!?
南十字星という名のリゾート はいむるぶし
沖縄の八重山諸島のひとつである小浜島にある『はいむるぶし』は、「日本でいちばん赤道に近いリゾート」と言える。夜空に輝く全88の星座のうち、国内最多の84もの星座を見ることができ、しかも12月中旬〜6月中旬までは南十字星が現れるのが魅力だ。
そんなリゾートホテルのビーチテラスは、流星群の鑑賞にもうってつけ! 心地よい潮風を感じながら、ティンガーラ(天の川)と流れ星を眺めれば、心も身体もリフレッシュするのは間違いない。
住所:沖縄県八重山郡竹富町小浜2930
TEL: 0980-85-3111
オーシャンビュースイート1泊5万2290円〜(2名1室1名、税・サービス料・入湯税込、朝食付き)。IN 15:00/OUT 11:00