TOP CLOSEUP 血中のがん細胞を補足する 最先端の全身がんリスク検査

血中のがん細胞を補足する
最先端の全身がんリスク検査

従来の全身がん検査は、半日前からの絶食に加えて検査が丸一日または1泊2日かかるケースが多いが、1回の採血のみで全身がんリスクを発見できる先端検査【マイクロCTC検査】が登場した。そのサービスを提供するセルクラウドの執行役員で、マイクロCTC検査センター長、医師・医学博士の太田剛志氏に話を聞いた。

今注目の、新たながん検査

医学の進歩により、初期に見つかったがんは治る可能性が十分高くなった。にもかかわらず、40歳以上では43%以上ががんで亡くなっている。その背景には、がん検診を受けていない現状があると太田剛志氏は話す。

受検率が低い理由に「忙しくて受ける時間がない」「費用がかかり経済的な負担が大きい」「検査に伴う苦痛が不安」といった声があげられる。

「身体のどの部位でもがんになる可能性がありますが、全身のがん検査をすると丸1日以上かかるうえ、30万円近い費用を負担しなければなりません。自宅でできて痛みも伴わない、唾液や尿などで行うがんリスク検査もありますが、リスクが高いか低いかを指摘されるだけなので、具体的に今、どうなっているのか知りたいという方には向いていません。」

このような従来のがんリスク検査の課題を全て解決する最先端の検査サービスとして登場したのが、たった1回の採血だけで全身のがん(血液がんを除く)リスクを明確に発見できる「マイクロCTC検査」だ。国内最大級のクラウドファンディングサービス「マクアケ」の先行販売では大反響を呼び、医療・検査カテゴリーで史上最高額を記録。2023年度のマクアケ・アワードを受賞した。また、文科副大臣も参加する国内最大規模のスタートアップ・コンテストで最優秀賞を勝ち取り、今多くのメディアで注目を集めているサービスだ。

マイクロCTC検査のしくみと特徴

ではその「マイクロCTC検査」とはどのようなものなのか。

「体内では、1日に約5000〜6000個のがん細胞が生まれていますが、日々、私たちの持つ自己免疫により退治しています。しかし免疫力の低下により、そのバランスが崩れるとがんが育ち始めます。がん細胞の大きさが1㎜ほどになると、がんは新生血管を創りがん細胞と血管がつながり、血管から酸素や栄養を吸い取ってさらなる増殖を進めていきます。

実はこの増殖の過程で、新生血管を通じてがん細胞が血管内に漏れ出しています。その血中に漏れ出したがん細胞をCTC(Circulating Tumor Cells=血中循環がん細胞)といい、そのCTCを捕捉できる先端検査がCTC検査なのです」
CTCの概念自体はもう何十年も前から知られていたそうだが、全身の血液4〜5Lの中からわずかに漏れ出たがん細胞を取り出すのは長年不可能であった。しかし近年の技術の飛躍的進歩によって、CTCの補足を可能とした技術が登場したのである。

「日本国内での認知はまだほとんどないですが、アメリカでは既にFDA(食品医薬品局)にも承認され、欧米先進国でがんの研究現場や臨床検査で幅広く使われている検査です。世界では3万を超える関連研究論文が発表されており、多くのエビデンスを持つ確固とした先端検査になります」と太田氏は力説する。

  • 世界有数のがん研究・治療施設米国MDアンダーソンセンター

    世界有数のがん研究・治療施設米国MDアンダーソンセンター

従来はがん患者への治療研究のための研究ツールであったCTC検査を、健常者向けのがんリスク検査として転用し、さらに進化させた「マイクロCTC検査」を日本で提供しているのが、東京・代々木に拠点クリニックと国内初の専用検査センターを持つセルクラウドだ。

「私たちは全米No1で、世界有数のがん研究治療施設である米国MDアンダーソンがんセンターが開発した94.45%の特異度を誇る『細胞表面ビメンチン抗体』の世界独占利権を獲得した海外の先端CTC検査を独占合意で日本に導入しました。これにより、血中に漏れ出したがん細胞の中でも、浸潤・転移の高い能力を持つ悪性度の高い『間葉系がん細胞』だけを高精度で特定し捕捉することが可能になりました。『間葉系がん細胞』が1個でも検出されたということは、身体のどこかで既に浸潤・転移を起こしている悪性度の高いがんがある、もしくは悪性化してこれからまさに浸潤・転移を起こそうとしているがんがあるということです。そのリスクが非常に高い精度で分かります。」

  • マイクロCTC検査

検査結果への圧倒的な納得感

実は医療の世界ではCTやMRIなどで影が見つかっても、それはあくまでも〝がんの疑い〞であってがんとは診断できないのだという。がんの確定診断について調べると、「がんの確定は、針生検や手術で腫瘍の一部を採取、疑わしい領域からのサンプルが顕微鏡で検査され、がん細胞の存在が確認されたとき」といった内容が出てくる。まさに『がん細胞の存在が確認されたとき』のみが、がんの確定診断となるのである。

「マイクロCTC検査は自由診療ですので、現在はがんの確定診断には使えませんが、検査の段階でがん細胞が確認できていることを考えれば、リスクが高いか低いかしかわからなかった従来のがんリスク検査と比べて、画期的なものだと言えるのではないでしょうか」

  • 代々木駅から徒歩30秒にある「代々木ウィルクリニック」はソファやグリーンがゆったりと配されたロビーが印象

    代々木駅から徒歩30秒にある「代々木ウィルクリニック」はソファやグリーンがゆったりと配されたロビーが印象

海外の検査センターへ血液を空輸している同様の検査サービスもあるが、血液が劣化するリスクや、結果を受け取るまでに1か月以上かかり費用も倍以上かかる場合が多いという。セルクラウドでは健常者への全身がんリスク検査に特化した国内では初となる独自の検査センターを開設。既に全国約170の提携クリニックがあり、そこでの採血後すぐに検査ができる体制を構築し、より高品質・低価格での提供を可能にした。また、万が一がん細胞が検出された場合も、太田氏が院長を務める拠点クリニックで無料相談を受けることが出来る。アフターフォローも充実した「マイクロCTC検査」。3月末までは「がん啓発月間キャンペーン」として半額の9万円(税抜)で受検できるとのこと。忙しい方こそ、是非受検してみてはいかがだろうか。

※2024年12月26日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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