Topics
中央区銀座にある築地本願寺は創建400年を越える浄土真宗本願寺派の伝統あるお寺。そんな古刹が、門信徒だけではなく、より多くの方々に「開かれたお寺」へと変化を遂げようとしている。カフェ、オリジナルグッズを扱うショップを次々と開設。また、個人ごとに納骨する「合同墓(ごうどうぼ)」は、築地駅直結という利便性や、お墓に対する新しい価値観が共感を呼び、多くの反響を呼んでいる。
境内に併設されたカフェ「Tsumugi」
築地本願寺をもっと開かれたお寺に
元ビジネスマンのトップが起こした歴史的な大改革
創建400年の築地本願寺が今、リブランディング、ビジネスモデルの大変革に取り組んでいる。例えば境内に併設されたカフェ「Tsumugi」はインスタ映えする「18品の朝ごはん」が大評判で、女子大生からシニアまでが行列をなすほどの人気だ。また、カフェの隣りには築地本願寺のオリジナルグッズが並ぶショップや、豊富な仏教書を取り揃えたブックセンターもオープンした。
これらの改革を推進したのが元ビジネスマンから2015年に築地本願寺の宗務長(事務方トップ)に就任し、数々の斬新な施策で安永雄玄宗務長である。テレビ番組「カンブリア宮殿」などでも注目された、築地本願寺改革のテーマは「開かれたお寺」。ただ門を開けておくだけでなく、中に入りたくなるような仕掛けが重要だと考えたのだ。カフェなどがスタートして以降はお寺へお参りする人が2倍に増え、海外からの観光客も含め、年間300万人の人出であったという。
残念ながら昨年の新型コロナウィルス感染拡大以降は来場者も激減。しかし、そこでも築地本願寺は新たにDXを取り入れた施策を打ち出した。完全オンラインでの法事を受け入れ、お寺に来なくても、あるいは遠方の人でも参加できるようにしたのだ。またPCなどに詳しくない人用に築地本願寺で完全にセッティングしたPCを用意して、電話でフォローを行った。それ以外にも僧侶のお話(法話)をYoutubeチャンネルで積極的に配信。お寺や仏教にあまりなじみのない人でも親しめるプログラムを打ち出している。
築地本願寺合同墓
『自分のお墓は自分で選びたい』新たなお墓のかたち
“合同墓”に1万人以上が契約済み
築地本願寺の改革のひとつが「合同墓(ごうどうぼ)」だ。葬儀や埋葬に関して伝統や習慣に対する考え方や価値観が大きく変わる現在、お墓へのニーズも多様化している。特に都市部においては、旧来の檀家制度や、代々継いで守るお墓のかたちを求めない方、自身の死後に配偶者や子どもの手間や心配をかけたくないと考える方が増えている。
築地本願寺ではこうしたニーズに合わせ、過去の宗派を問わず個人ごとに納骨できる合同墓を開設した。合同墓は生前の申込みで、永代使用冥加(みょうが)金を払えば、年間管理費用などはかからない。個別の区画で保管する個別保管と、合同で保管する合同保管があり、個別保管の場合は7回忌、33回忌のいずれの期間の後に合同区画に移される。
築地本願寺は築地駅直結、銀座からも徒歩圏内と好アクセス。お墓参りにも非常に便利な場所ということもあり、合同墓は2017年の開始から申し込みはすでに1万人以上と人気だ。「生前申し込みが可能、一代限りのお墓」という形態に興味を持ち、夫婦で見学に訪れて気に入り、二人とも申し込むケースも多いという。
浄土真宗本願寺派築地本願寺
〒104-8435
東京都中央区築地3-15-1
0120-792-018
受付時間:全日9:00〜17:00