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東京グルメバトン VOL.68

恵比寿えんどう|恵比寿

発行: 最終更新日:

伝統に敬意を払いながら既存の手法を吟味し常にアップデートする

「mondo」の宮木康彦さんからバトンを受け継いだのは恵比寿の鮨店「恵比寿えんどう」の遠藤記史さん。 日本の風土が育んだ上質な素材をさらに高みへと導く。

Words_TOMOMI KATO
Photographs_KIYOSHI TSUZUKI

Profile

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遠藤 記史さん

1986年生まれ、東京都出身。鮨店を営む実家に育つも、18歳から単身イギリスにサッカー留学し、現地のクラブチームでもプレー。長い海外生活を経て、改めて日本の食文化の豊かさに気付き、25歳で帰国し鮨職人の道を志す。六本木や広尾の名店で修業を積み、2019年に「恵比寿えんどう」を開店。

「恵比寿えんどう」店主の遠藤記史さんは、実家が鮨店という環境で生まれ育ち、鮨職人の仕事をずっと間近に見てきた。とはいえ、当初は同じ道を進むつもりは無く、高校卒業後プロサッカー選手を目指し単身渡英。思いが変化したのは、海外生活の中で客観的に日本の食を見つめ直したからだという。
「特に生魚の美味しさは日本が一番。日本の食文化の素晴らしさに改めて気付いたことで、それまで距離を置いていた鮨への強い憧れが生まれました」

鮨をはじめとする和食の世界には、昔から変わらぬ伝統が脈々と息づいている。しかし遠藤さんは、その伝統を「ただ受け継ぐのではなく、常にアップデートさせていきたい」と語る。

「例えば現代には、江戸時代にはなかった冷蔵庫があります。にもかかわらず全て昔と同じ手法を踏襲していては、どうしてもちぐはぐな部分が出てきてしまう。先人たちの知恵と技術に敬意を払い、伝統を咀嚼した上で、未来へ繋ぐための進化を追求したいと考えています」

江戸前鮨では珍しい鰻の握りも、そのアップデートの表れだろう。「なぜ鮨には鰻がないのか?」という疑問を突き詰め、吟味し、現在の形に辿り着いた。鰻の握りにお茶をペアリングするのも、「恵比寿えんどう」ならではのアプローチだ。鮨店では「あがり」のイメージが根強いお茶を、料理の味を引き立てる存在として提案している。

「美味しいことはもちろん大前提ですが、美味しいだけの料理では魅力は半減してしまいます。時代の変化や流行に左右されない、芯の通った伝統に則りつつ、良い意味で固定観念を覆すような一貫を目指したいですね」

素材選びにはとことんこだわり、産地直送のネタも多い。「“どこ”(産地)よりも“誰”(生産者)に重きを置いている」と遠藤さん。

素材選びにはとことんこだわり、産地直送のネタも多い。「“どこ”(産地)よりも“誰”(生産者)に重きを置いている」と遠藤さん。

RESTAURANT INFO店舗情報

  • 恵比寿えんどう(えびすえんどう/恵比寿)
  • 恵比寿えんどう(えびすえんどう/恵比寿)

    住所: 渋谷区恵比寿南1-17-2 4F▶︎MAP
    電話番号: 03-6303-1152
    営業時間: 12:00~、17:30~、20:30~
    休業日: 不定休
    料金: 28,600円(税込)
    URL: https://ebisu-endo.jp/

 

※2023年5月9日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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