TOP MAGAZINE熱視線 ー夢追い人ー 株式会社松葉屋/TRADMAN’S BONSAI 代表取締役社長・盆栽プロデューサー 小島鉄平 「盆栽は最高のヴィンテージ」

株式会社松葉屋/TRADMAN’S BONSAI 代表取締役社長・盆栽プロデューサー 小島鉄平
「盆栽は最高のヴィンテージ」

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例えば、「五葉松」という樹種の盆栽は、“御用を待つ”という語呂から、良い仕事が舞い込むようにという願いを込めて、店舗やホテルなどのエントランスに置かれたり、ビジネスでの贈り物などでも人気があります。盆栽には樹種や形それぞれに意味があり、そういう知識が身につくと、グッと面白さが増してきます。

世界中の人が盆栽を愛でるようになればきっと世界から戦争はなくなる。
そう思えるくらい盆栽は楽しい。

その一鉢を求めて、世界の名だたるブランドが彼の元を訪れる。日本の伝統「盆栽」を、
世界が注目するカルチャーに仕立て上げた盆栽プロデューサーの小島鉄平さん。
丸の内に出店し、パリやLAでのポップアップも控える今、その躍進への想いを聞く。

Text_MAKOTO KAJII.
Photographs_KAZUO ITO.

PROFILE

小島鉄平
小島鉄平(こじまてっぺい)

1981年千葉県柏市松葉町出身。アパレルのバイヤーから盆栽業界に転身。「盆栽」を世界に伝えるというミッションのもと、2015年に「TRADMAN’S BONSAI」を結成。翌年に株式会社松葉屋を設立し、CEO兼プロデューサー、盆栽職人として活動。盆栽の販売・リース事業を行う。NIKE、DIOR、RIMOWA、Champion、ランドローバーなど数々のブランドとコラボし、そのオファーは現在も後を絶たない。

世界に誇るべき盆栽の
ヴィンテージという世界観

小島鉄平さんが「盆栽界の異端児」として一躍注目を集めるようになったきっかけは、インスタグラムでポストした「STREET BONSAI」だ。六本木や渋谷で盆栽片手に法被姿で佇む写真が、スタイリッシュ!と、フォロワーを増やし続けた。

「投稿を見てもらうにはキャッチーでインパクトが必要だと考えて、最先端の街に伝統の盆栽という 〝違和感〟を演出しました。するとそれがもの凄く注目を浴びて、海外からも連絡が来るようになりました」

小島さんが盆栽と出合ったのは小学校低学年の時。当時住んでいた施設内に飾られた盆栽に、子どもなりに特殊な趣味性を感じたという。以来折に触れ本を読んだり眺める時間を作ったという。

「10歳くらいの時に服好きだった父親からリーバイス501のヴィンテージモデルを譲り受けたのがきっかけで、ヴィンテージという世界観に引き込まれました。デニムは所有者の穿き方によって色の落ち方やダメージ具合が変わり、その人の生き方が表れます。そのストーリー性が最高に格好良いと感じたんです。そしてそれは盆栽にも通じる世界観なんだと気づきました。盆栽も何百年という年月の中で持ち主が代わりさまざまに育てられ、それが今も受け継がれている。だから盆栽は究極のヴィンテージなんですよね」

青春時代はアメリカのストリートカルチャーに傾倒。服、音楽、タトゥー、スケボーなどにのめり込み、仲間とセレクトショップを立ち上げるも、「本当の盆栽の魅力を世界に知らしめたい」という想いから、30歳で盆栽の世界に飛び込む。

「最初は盆栽をやっていた友人に作ってもらったものを売っていました。大変でしたよ。伝統の世界なのでまさに異端扱いでしたし。それでも勉強して盆栽は最高のヴィンテージ、世界に誇るべきものだと発信し続けて、10年で世界中からお声がけいただけるようになりました。自分が『格好良い』と思うことをやり続ければ結果がついてくる。今は確信としてそれを実感しています」

丸の内を盆栽で彩る新たな試み
そして次なる革新を目指す

2024年5月。小島さんは丸の内に旗艦店をオープンさせた。

「昨年、私のインスタを見て下さっていた三菱地所の方から出店のお誘いをいただきました。日本の玄関口である東京駅と、日本を代表するビジネス街がある丸の内は、〝気〟がすごく良い場所なので、何か新しいことができるんじゃないかとワクワクしています。〝伝統文化は革新の連続〟だと思っているので、盆栽を軸に、デジタル化などにも挑戦してみたいですね。私は盆栽を通して日本の歴史や伝統文化の素晴らしさを学びました。その価値や意味を若い人にも伝えて、若い人には日本を良くするためのアクションをどんどん起こしていってほしいと思っています」

格好良いをストレートに追求し続ける小島さん。取材でのお話しからも裏表のないストレートな人柄が伝わってきて、小島さんとの会話はなんとも清々しく心地が良かった。

 

  • 丸の内の「TRADMAN’S BONSAI TOKYO」では盆栽の他にアパレルの販売も行われる丸の内の「TRADMAN’S BONSAI TOKYO」では盆栽の他にアパレルの販売も行われる
  • 住所非公開のTRADMAN’S BONSAIのギャラリーでは、数多くの盆栽が丹念に育てられている。住所非公開のTRADMAN’S BONSAIのギャラリーでは、数多くの盆栽が丹念に育てられている。

ギャラリー内のバーラウンジ。選ばれた顧客だけが招かれる秘密の場所だ。
ギャラリー内のバーラウンジ。選ばれた顧客だけが招かれる秘密の場所だ。

TRADMAN’S BONSAI TOKYO
住所:東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル
電話番号:03-6822-3223
インスタグラム:@teppei_kojima501

TRADMAN’S BONSAI TOKYO
(外部サイト)

※2024年5月7日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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