メリットが多いアクアリウム。毎日をより充実させるためにも、
自宅に水槽を設置し、美しい魚たちを身近に感じてはいかがだろうか。
Edit&Words_POW-DER. Illustrations_MASARU OTSUKA.
美しい魚たちを愛でて
心をリラックス&リフレッシュ!
水槽で魚や水草を育てるアクアリウムは近代的な趣味と思われがちだが、日本では昔から鉢や水盤に金魚やメダカを入れ、涼やかで優雅な姿を愛でていた歴史がある。昨今は水槽や濾過器(フィルター)などの設備が進化。また、飼う魚のバリエーションも以前より増え、楽しみ方が拡充したこともあって、アクアリウムの人気が急騰している。
そこで、アクアリウムの設備や道具はもちろん、魚の習性や飼い方などに精通している『東京アクアガーデン』にアドバイスをいただいた。飼いやすい魚から水槽のサイズ、設備、エサなど、初心者が最低限知っておくべき事柄を解説。さらにお薦めの観賞魚も厳選してご紹介。
それらを参考にして、自宅にアクアリウムを設置してみると良いだろう。美しい魚たちが泳ぐ姿を観賞すれば、心が癒され明日への活力が生まれるに違いない。
アクアリウム初心者のためのQ&A
Q1.初心者にはどんな魚がお薦めですか?
A.ベタなどの淡水熱帯魚がお薦め
アクアリウムで楽しめる魚は多種多様だ。その中でもお薦めなのは、水質や温度管理が比較的簡単な淡水熱帯魚だ。それもグッピーやネオンテトラなどの小さい魚ならば、水槽などの設備が小型ですむため、設置や水換えが容易になる。特に、綺麗な色合いと大きな鰭が特徴のベタは、非常に丈夫なので初心者にうってつけだ。
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淡水熱帯魚
飼いやすさ ★★★★☆
小さい淡水熱帯魚は丈夫な種類が多い。また、体長が小さいから水槽が小さくて済むので、水道や電気料金がリーズナブル。エサ代が少額なのも嬉しい。
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淡水魚・観賞魚
飼いやすさ ★★★☆☆
金魚やコイ、フナなどは飼い始めは小さくても、すぐに大きくなってしまう。成長するに従って中型〜大型の水槽が必要となるため、初心者には意外と大変なのだ。
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海水魚
飼いやすさ ★★☆☆☆
アニメ映画でカクレクマノミやナンヨウハギが、一躍人気になった。しかし、海水魚は塩分濃度を常にチェックしなければいけないので、やはり初心者にはハードルが高くなる。
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水草
飼いやすさ ★☆☆☆☆
ここ最近、“通”なアクアリウムファンの間で、魚ではない「水草」が人気急騰中。だが、水質と日照(ライト)時間の管理が難しいうえ、繁茂後の手入れに手間がかかるので、難易度は高め。
Q2.水槽はどれくらいの大きさが良いですか?
A.小型(30〜60cm)が扱いやすい
水槽にはガラスやアクリル樹脂などを貼り合わせたり、各辺をフレームで固定したりするタイプがある。サイズは大別すると小型(長辺30~60cm)、中型(長辺90cm前後)、大型(長辺120cm以上)の3つに分けられる。初心者は設置や水換えがしやすい小型水槽で、グッピーやベタなどの小さな熱帯魚から始めると良いだろう。
サイズ:幅約60×奥行約30×高さ約36cm 水容量:約57L 材質:ガラス(3mm厚) 価格:オープン価格
Q3.エサは何が良いですか?
A.配合飼料がベスト
エサはイトミミズや赤虫といった生餌とそれを冷凍にした「生エサ」、いろいろな栄養素を効果的に配合した「人工エサ」がある。初心者には保存と給餌が楽な人工エサがお薦めだ。また、人工エサには水面に浮く「浮上性」とゆっくりと底に沈む「沈下性」の2タイプあるので、飼う魚の種類・習性によって選びたい。
人工エサは種類がさまざま。熱帯魚専門店やホームセンターなどで、好きなエサを選んでいろいろ試すのも楽しみの一つだ。
Q4.必要な装備を教えてください
A.フィルターとライトは必須
水槽を設置する際には、水を綺麗にして酸素も供給する濾過器と、魚や水草の発育のためのライトは必須。その他に水温を一定に保つヒーターや、水槽を置く専用の台なども必要だ。さらに飼育中には、水底のゴミなどを取るための小さな網や水換え用のポンプ、水槽内の壁面の苔を取るヘラといった小物もあった方が良い。水槽購入時に、ショップのスタッフに相談すると良いだろう。
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3色パワーLEDで魚と水草を鮮やかに見せる「CLEAR LED POWER Ⅲ シリーズ」(オープン価格)。
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濾過器は水槽の縁の外に掛ける外掛け式が便利。写真は「SLIM FILTER DC-Xシリーズ」(オープン価格)。
ONE POINT ADVICEまずは「初心者セット」でトライ!
水槽を設置する際には、水を綺麗にして酸素も供給する濾過器と、魚や水草の発育のためのライトは必須。その他に水温を一定に保つヒーターや、水槽を置く専用の台なども必要だ。さらに飼育中には、水底のゴミなどを取るための小さな網や水換え用のポンプ、水槽内の壁面の苔を取るヘラといった小物もあった方が良い。水槽購入時に、ショップのスタッフに相談すると良いだろう。
60cmガラス水槽、上部濾過器(濾過材2つ付)、LEDライト、ガラス蓋、カルキ抜き、水質調整材がセットになった「マリーナ600BKST LED&デュアルクリーンセット」(19,800円/税込)。
Q5.上手な水槽のレイアウトを教えてください
A.「三角構図」がお薦め
岩や流木、水草を自在に配置し、魚を鑑賞しやすいスペースを作りつつも、魚が隠れることができる場所も確保すること。これが理想のレイアウトだ。そして、水槽が美しく見えるレイアウトとしてお薦めなのが、水槽の左右の片側を頂点として、反対側へ傾斜をつける「三角構図」だ。
1.底に岩や石をランダムに置く。2.岩や石の間に流木を配置。片側を頂点に反対側へ向かって低くなるようにするのがコツだ。3.水槽の奥側に、流木の高さに合わせて水草を植える。4.流木の手前に、背の低い水草を植える。
ONE POINT ADVICE簡単にアクアリウムを楽しみたいのなら「水槽レンタル」が安心!
「魚は飼いたいが設置や世話などに自信がない」という人には、熱帯魚水槽のレンタル・リース・メンテナンスなどを行うサービスがお薦めだ。例えば関東圏から関西や北海道まで対応可能な『東京アクアガーデン』なら、60cm淡水魚水槽を月額18,800円(税抜)〜(水槽一式のレンタル、月1回のメンテナンス、エサなどの消耗品、生体補償などを含む)でレンタルすることができる。
東京アクアガーデン
熱帯魚・海水魚の水槽レンタルを通じ、人々に“癒しの空間”を提供。大手企業のオフィスや病院、ホテルなどの他、個人宅にもニーズに合わせてアクアリウムを設置している。
TEL: 0120-496-444
厳選!初心者お薦め観賞魚図鑑
※魚の価格は大きさや個体、ショップによって異なります。
ベタ
コレクション性の高さと飼いやすさが人気
ベタはこまめな水換えと水温管理を行えば、濾過器が無くても飼えるので、初心者には最適な熱帯魚。また、品種改良が盛んに行われてきたこともあって、鰭の長さや色、体色が豊富なことも人気の理由だ。シンプルな種類で、1匹700円ほど。
メダカ
愛くるしさと丈夫さで根強い人気を誇る!
メダカは涼しげで可愛らしい見た目とは裏腹に、かなりの低水温・高水温にも耐えうる丈夫な魚。また、原種のクロメダカ以外に、黄色いヒメダカや朱赤系の楊貴妃など、種類が多いのも魅力だ。価格はクロメダカ1匹で、50〜80円ほど。
ネオンテトラ
まるでネオンのような煌びやかさが魅力
キラキラと光沢のある美しい魚体が魅力的なネオンテトラも、丈夫で飼いやすいことから初心者にお薦めの魚。群泳させると美しさが際立つので、60cm水槽で20匹ほど飼うのも良いだろう。価格は10匹で1,000円ほどと、お手頃なのも嬉しい。
ディスカス
希少種は10万円以上のプレミアム性がマニアを魅了
円盤状の独特な魚体を鮮やかな色と柄が飾る、威風堂々とした姿が魅力。複数匹での飼育が望ましいため(水槽も大きくなる)、難易度はやや高めだ。ベーシックな種類で1匹3,000円ほどと高価格なので、慣れてきたらトライしたい。
コリドラス
ひょうきんな表情が心を癒してくれる!
日本では見慣れないユニークなフォルムと、色や柄の豊富さから多くのアクアリウムファンを魅了。また、水槽の底近くを泳いで、水底に溜まったエサを食べる習性も人気の理由だ。価格は種類によって異なるが、1匹600円ほどからある。
アロワナ
アクアリウムに慣れたらぜひ飼ってみたい
肉食の大型魚は、マニアの間で大人気。特に最大で100cmほどに成長するアロワナは、メタリックな光沢のある鱗や艶かしい魚体の色味が多くのファンを魅了している。価格はシルバーアロワナの若魚(30cm前後)で、7,000円ほどだ。