TOP ライフスタイル 第10代Krushライト級王者 大岩龍矢第9代Bigbangスーパーバンタム級王者 晃貴応援してくれる人々の想いを力に変えて戦う

第10代Krushライト級王者 大岩龍矢
第9代Bigbangスーパーバンタム級王者 晃貴
応援してくれる人々の想いを力に変えて戦う

世代も階級も異なるが、K-1王者を目指して切磋琢磨する大岩龍矢さんと晃貴さん。
彼らの原動力は、生来の負けん気の強さと、支えてくれる家族や仲間、
応援してくれる人々の存在だ。感謝を力に変えて、彼らは今日も汗を流す。

Text_YUKI KATORI.
Photographs_HISHO HAMAGAMI.

PROFILE

大岩龍矢
大岩龍矢

1992年生まれ、愛知県名古屋市出身。幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍し、愛知県代表にも選ばれた。大学在学中にキックボクシングを始めて卒業後に上京。2021年11月、第4代Bigbangライト級王座を、2024年7月、Krushで第10代ライト級王座を獲得。2022年9月、盟友・武尊選手が返上したK-1スーパー・フェザー級王座をかけたトーナメントに挑むも準決勝で敗退。リベンジのチャンスを伺っている。

晃貴
晃貴

1998年生まれ、鳥取県米子市出身。実家がキックボクシングジムを営み、幼少期からジムに通う日々を過ごす。同ジムにはK-1史上初の3階級制覇王者・武尊選手も通い、良い刺激を受ける。高校卒業後、武尊選手のあとを追って上京。2019年1月、第4代Krushバンタム級王座を獲得。同年6月にスーパー・バンタム級に転向。2025年6月、Bigbangに初参戦し、第8代王者・良星選手からタイトルを奪い、第9代スーパー・バンタム級チャンピオンに輝く。

負けん気の強さを武器に
チャンピオンロードへ

――お二人はプライベートでゴルフに行くほど仲が良いそうですね。

晃貴さん 龍矢さんは凄く優しく接してくれるんです。18歳の時に上京してきてからずっとかわいがってもらっています。

龍矢さん 晃貴は年下で後輩なんですが、尊敬してるんですよ。

――ファイターとしてお互いにリスペクトしているところは?

龍矢さん 晃貴は僕より階級が下ですけど、フィジカルがとにかく強い。試合になると勝っても負けてもボロボロになるくらい気持ちで戦ってるなと思います。そこが凄いし刺激にもなります。

晃貴さん 僕は体が小さいんで、前に出ないと相手に当たらないんですよ。だから気持ちで負けずに、とにかく相手の懐に入っていきます。

龍矢さんの凄いところは、リズムが独特でどこから何が飛んでくるか予測できないところです。

龍矢さん 動きが変とよく言われます(笑)。これまで色々なスポーツをやってきた影響だと思います。自分としては晃貴と同じでファイターとしての気持ちの強さが武器だと思っているんですけどね。昨年Krushでベルトを獲りましたが、10年以上かかって4度目の挑戦でした。負けず嫌いじゃないとできません。

――お二人がキックボクシングを始めたきっかけは?

龍矢さん 子どもの頃は野球、サッカー、空手、レスリング……、中学・高校ではラグビーをやって、愛知県代表にも選ばれました。大学はラグビー推薦で受験したんですけど、当時天狗になっていて、何も準備せずに受けたら落ちちゃって。それで何もなくなってしまって。そんな時、たまたまキックボクシングの試合を見に行く機会があり、これは凄いな、やってみたいと思ったのが格闘技を始めたきっかけです。最初からプロを目指したわけではないのですが、試合で負けるとすごく悔しくて、週3回だった練習が4回、5回と増えていって、いつの間にか本気になっていました。

晃貴さん 自分は実家がキックボクシングジムをやっていたので、小さい頃からよく遊びに行ってました。大人ばかりの中に、当時高校生の武尊くんがいて、武尊くんが練習しているのを見て、自分も遊びでやったりはしてましたけど、プロになろうとかは全く思っていなかったですね。小学生の頃にはサッカーを始めて、キックボクシングから完全に離れていた時期もあります。気持ちが変わったのは中学生の時。武尊くんがKrushのチャンピオンになった試合を見て、「僕も武尊くんみたいになりたい」と思って、本格的に始めました。

声援を胸に刻み目指す
K-1のベルト

――格闘技をやめたいと思ったことはありますか?

龍矢さん バイトと練習の毎日がつらくて、2週間くらい名古屋に帰ったことがありました。だけど家族や友達が期待して送り出してくれたのに、諦めるのはめちゃくちゃ恥ずかしいと思ったし、ラグビーや大学で挫折したので、ここは絶対に踏ん張って強い姿をみんなに見せたいと考え直して東京に戻りました。

晃貴さん 自分も上京したての頃は、毎日練習でボコボコにされて辛かったですね。でも諦めたら、みんなが応援してくれているのに情けないじゃないですか。実家のジムに通う子どもたちにもそんな姿を見せたくないと思って乗り越えました。

――試合は怖くないですか?

龍矢さん 試合そのものよりも、その前の調整期間の怪我が怖いですね。試合に出られなくなってしまったら、全てが台無しですから。

晃貴さん 自分も恐怖心はないです。不安やプレッシャーはありますけど、それは練習で克服します。

龍矢さん 良い調整ができると試合当日はもう楽しみでしかないよね。

晃貴さん 練習しまくって、「絶対負けない。相手より強い」と思ってリングに向かいますからね。練習は自分との戦いです。自分に負けたら試合でも勝てないので。周りの人の応援も、日々頑張れる大きなパワーになっています。
龍矢さん みんなにベルトを巻いた姿を見せたいから続けてこられたし、これからもさらに上を目指そうと思える。自分の気持ちだけだったら、たどり着けなかったと思います。

――ファイターとしてのお二人の最終目標はやっぱりK-1チャンピオンですか?

龍矢さん そうですね。遠くない未来に実現できると思っています。子どもが生まれたので、勝つ姿を見せたい。僕にとって格闘技は自分の生き様を見せる場所なんです。諦めなければ叶うってことを、みんなに示したい。そして、みんなにも可能性があるってことを感じてもらえたら嬉しいです。

晃貴さん 自分はスーパーバンタム級に転向してからベルトが獲れていなかったので、まだ先かなと思っていたんですけど、今年の6月に初めてBigbangのタイトルが獲れて、少し見えてきたかなと思っています。応援してくれる人も増えて、自分が世界チャンピオンになるのを待ってくれているので、みんなで掴み取りたいと思っています。

諦めなければ叶うことをリングの上で証明する

練習中の龍矢さん。練習した分だけ、それが自分の自信につながるという。練習中の龍矢さん。練習した分だけ、それが自分の自信につながるという。

  • 2024年7月、4度目の挑戦で悲願のKrushライト級王者となった際の一枚。2024年7月、4度目の挑戦で悲願のKrushライト級王者となった際の一枚。©K-1
  • 王者となった龍矢さんを祝うために集まった皆さんと。応援してくれる仲間がいるから頑張れたと龍矢さん。王者となった龍矢さんを祝うために集まった皆さんと。応援してくれる仲間がいるから頑張れたと龍矢さん。

絶対に負けない強い気持ちで勝利を掴み取る

練習中の晃貴さん。龍矢さんと二人でトレーニングを行うことも多いのだとか。練習中の晃貴さん。龍矢さんと二人でトレーニングを行うことも多いのだとか。

  • 今年6月にBigbang王者となり、2019年のKrushに続き自身二つ目のベルトを獲得した晃貴さん。今年6月にBigbang王者となり、2019年のKrushに続き自身二つ目のベルトを獲得した晃貴さん。©Bigbang
  • 地元鳥取県米子市のジムでの興行にゲスト参加した際の一枚。地元鳥取県米子市のジムでの興行にゲスト参加した際の一枚。

※2025年10月7日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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