text_SAYAKA NAGASHIMA.
海の彼方より、全国の神々が出雲の地を訪れる畏敬の刻。
張り詰めた空気の中闇に漂う神気に祈りを捧げる。
張り詰めた空気の中闇に漂う神気に祈りを捧げる。
八百万の神々を厳かに迎える夜
古と今の狭間を、かがり火が照らす
旧暦10月10日の宵、出雲の夜は特別な空気に包まれる。出雲大社の西方にある稲佐の浜で、八百万の神々を迎える「神迎神事」(かみむかえしんじ)が執り行われる日だ。
19時になると、浜に御神火(ごじんか)が焚かれ、注連縄(しめなわ)が張り巡らされた斎場の中に、神々の拠り所となる2本の神籬(ひもろぎ)が据えられる。その傍らに鎮座するのは、神々の先導役である龍蛇神(りゅうじゃじん)だ。やがて祭主が海に向かって祝詞(のりと)を奏上すると、龍蛇神に導かれ、海の彼方から神々が出雲の地へと来臨される。
神々を迎えた後、神職らは松明を掲げて「神迎の道」を進み、出雲大社へと向かう。潮騒と炎の揺らめきだけが浜辺を支配する光景は、幾千年にわたり受け継がれてきた〝祈りの姿〞そのものだ。この地に満ちる厳かな気配を、静かに肌で感じたい。
八百万の神々が出雲大社に到着すると、拝殿にて「神迎祭(かみむかえさい)」が執り行われる。これをもって出雲の地は「神在月」を迎える。
社殿の東西に並ぶ「十九社(じゅうくしゃ)」。神々が鎮まり、人の縁や運命を結ぶ「神議(かみはかり)」を行うとされる。
開催情報
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日時: 2025年11月29日(土)19:00~ 会場: 稲佐の浜(島根県出雲市大社町杵築北稲佐) 
※混雑を避けるため、30分前には到着を
※儀式中の撮影・録音は禁止
※神々の通り道として敷かれた菰(こも)を踏まないことお問い合わせは出雲大社(0853-53-3100)まで
 
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