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未病 それはカラダ からのシグナル

ISSUED | 2017.07

 

【健康とは】からだに悪いところがなく、丈夫なこと。また、そのさま。「健康を保つ」「健康な肉体」
【未病とは】検査を受けても異常が見つからず病気と診断されないが、健康ともいえない状態。放置すると病気になるだろうと予測される状態をいう場合が多い。
【病気とは】生体がその形態や生理・精神機能に障害を起こし、苦痛や不快感を伴い、健康な日常生活を営めない状態。医療の対象。疾病(しっぺい)。やまい。

自分はもちろん、家族のためにもカラダからのシグナルを察知して病気にならない体質をつくる

監修

医療法人 淳信会 理事長

登坂 正子 先生

食生活・栄養素バランスの重要性を唱え、「予防」を軸に診察を行っている。昨年12月に未病患者専門の「ホリスティキュア メディカルクリニック」を中野区に開業。
医師が自身や家族を受診させたい医師を選ぶ、「2014 Best Doctorsin Japan」に選ばれる。日本循環器学会認定循環器専門医、日本抗加齢医学会専門医、米国コロラド州認定栄養学校NTI 認定栄養コンサルタント、医学博士

「未病」対策のキーワードは、ミネラルコントロール

 「未病」という言葉、テレビや雑誌が健康情報を日々取り上げている今日、耳にしたことがある方も多いと思う。「未病」とは、気になる症状はあるものの、病気というほど調子が悪くなく、検査をしても結果にあらわれない状態をさしたもの。逆に検査で前兆程度の数値が出たが何ら症状がない状態も該当し、その言葉通り、「病気未満」の状態をさす。病気はある日突然患うものではなく、「未病」の段階を経て発症するので、いかに「未病」段階で体調をコントロールできるかが、病気にならない重要なポイントになる。

 未病専門クリニックで理事長を務める登坂正子先生によれば、人が体調を崩す大きな原因の一つが、ミネラル栄養素のアンバランスによるもので、「未病」はミネラルの不足、体質に合わないサプリ・健康食品の過剰摂取などによる、ミネラルバラン スの崩れを知らせるカラダからのシグナルなのだという。ミネラルとは、亜鉛やマグネシウム、鉄といった、カラダを構成する元素のひとつで、代謝機能にかかわる酵素の働きを支える重要な役割を持っている。そのためミネラルが不足すると酵素の働きが低下し代謝機能が落ち、ホルモンなどカラダに必要なものを充分に産生できず、結果体調不良が起こる。

では、なぜミネラルは不足するのか。ミネラルは体内で作り出すことが出来ない栄養素で、飲食によって摂取するが、偏った食事など生活習慣が乱れると、必然的にミネラル不足に陥る。「未病」の原因にはほかにも喫煙、添加物や食材に微量に含まれる有害金属の体内蓄積などもあるが、登坂先生はストレスや加齢による慢性的なミネラル不足にも注意が必要だという。ストレスや加齢で消化酵素の分泌が落ち消化吸収力が低下すると、吸収できる栄養素も減少する。男性の場合、ミネラルと良質なたんぱく質が不足すると、男性ホルモンの生産量が低下し更年期障害を招く恐れがあるそうで、無気力・集中力の低下などの精神的な障害にもつながる可能性があるそうだ。このように、ミネラル不足は結果としてさまざまな体調不良、「未病」の温床になって いるのだ。

 ウイルスや細菌などによる急性疾患は別として、「未病」が生活習慣の乱れや不摂生、加齢によるミネラルバランスの低下を主原因とするのであれば、食事の内容など、生活習慣を見直すことで克服できることになる。もし今、慢性的な体調不良があ れば、それを単なる「年齢のせい」などと片付けずに、「未病」のシグナルと考えて対策を講じていきたい。

「未病」のシグナルには、想いもよらない症状がある

敏感に感じ取りたい「未病」のシグナルには、気づかずに見過ごしているものも多いと登坂先生はいう。次の症状はそんな一例だ。

 【気力が出ない】 「未病」と捉え難い症状だが、亜鉛、銅、マグネシウムやカルシウム、リン、鉄、コバルトなどの不足が原因である可能性があり、侮ってはいけないという。
 【怒りっぽくなる】 カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、クロム不足でストレス耐性が下がっている可能性が。「未病」との関連性は高いそうだ。
 【抜け毛・脱毛】 皮膚疾患が原因の場合もあるが、亜鉛・ケイ素・コバルトなどの不足やセレンの過剰が原因の可能性もあり、ミネラルバランスの調整で、脱毛が改善するケースもあるとのこと。
 【太りやすい】 食べ過ぎ・運動不足だけが太る原因ではなく、バナジウム、ヨウ素の不足も一因になるそう。当然、太ればメタボなど生活習慣病のリスクが増えるので要注意だ。

他にも症状は多岐にわたるが、「未病」は「病気」ではないので、正確に診断をすることが難しい。だからこそ、「未病」のシグナルに敏感になり、不調の原因と生活習慣の関連性を気にかけていくことが、健康を維持する秘訣なのだと思う。体質に合った食習慣やライフスタイルを専門家にコーチしてもらうことで、未病ケアは意外と簡単に継続できると、登坂先生はいう。セルフメディケーションが推奨される今、「未病」は今後さらに注目されるキーワードになるであろうことは、想像に難くない。

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