旬の彩りと中華の技が静かに口福を招く
銀座の日本料理店「銀座 鼓門」の浅倉鼓太郎さんからバトンを受け継いだのは、おなじく銀座の中華料理店「銀座 やまの辺 江戸中華」の山野辺 仁さん。日本の旬の食材と中華を掛け合わせた、山野辺さんのつくる〝江戸中華〞とは。
Photographs_MASAMI OHIRA.
山野辺さんは伝統中華の技を大切にしながら、江戸中華という新しい世界を切り拓く唯一無二の料理人です。座右の銘は「ネギは調味料」。
銀座 鼓門|浅倉鼓太郎さんより
Profile
				山野辺 仁さん
東京都生まれ。幼少期より料理に興味を持ち、中学卒業と同時に調理師専門学校へ進学。卒業後は中国料理の名店「天厨菜館」で研鑽を積み、2005年に「天厨菜館 銀座本店」の料理長に就任。その後2015年に独立し「銀座 やまの辺 江戸中華」をオープンした。
全国の美食家がその美味しさに魅了され、何度も足を運ぶという中華の名店「銀座 やまの辺 江戸中華」。しかし独立当初は客足もまばらで、店を訪れる人は限られていたという。
「美食家の集う街、銀座ですからね。当初は認知度が低く、集客には苦労しました。また舌の肥えたお客さまが非常に多くて、〝本当の美食〞とは何かをお客さまから学ばせていただきました。だから、お客さまに育ててもらっての今だと思っています」
そう語るのは店主の山野辺 仁さん。中華の名門「天厨菜館」で17年の研鑽を積み、2015年に独立。中華一筋の料理人だ。
山野辺さんが目指すのは〝日本の四季を感じる中華〞。
「せっかく日本で中華料理を作るので、本場とは違う日本ならではのエッセンスを加えたかったんです。東京・江戸は、日本全国から厳選された食材が集まる場所。そんな日本の素晴らしい食材が集まる東京で中華の技法を活かした料理を届けたい、江戸中華と掲げたのはその想いからです」
日本の食材にこだわり、その調理法は日本料理も意識しているという。ここ東京でしか味わうことのできない山野辺さんの江戸中華には、和食にも通じる繊細さがある。そして内装にもその理念は息づき、中華の力強さと和の繊細さが調和した美食空間を演出している。
メニューはすべておまかせコース。料理人としての自由な発想と季節感を活かすため固定のメニューは置いていないそう。
「その時の食材や季節に応じて、自分が作りたいものを形にする。そしてその料理で、多くのお客さまが喜んでくださる。それが料理人として、最大の喜びです。私という一人の料理人が、何にも縛られず生み出した料理を楽しんでいただく。それこそが、店名『やまの辺』の意味でもあります」
和食の繊細さと中華の技が織り成す唯一無二の〝江戸中華〞は、これからも多くの人々の舌と心を魅了し続けるに違いない。
RESTAURANT INFO店舗情報

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銀座 やまの辺 江戸中華
(ぎんざ やまのべ えどちゅうか/銀座)住所: 東京都中央区銀座6-7-6 ラペビル 9F 
▶︎MAP交通: 銀座駅B3出口より徒歩3分 営業時間: 12:00~14:00(L.O. 14:00) 
18:00~23:00 (L.O. 22:00)
※完全予約制(予約はOMAKASEのみ)休業日: 日・祝日、不定休 ◎シェフおまかせコース 55,000円~
※サービス料 10%